10月の北海道旅行を計画中のあなたへ。本州より一足早く訪れる美しい紅葉、脂がのった旬のグルメ、そして澄み渡る空気。10月は、夏の喧騒が落ち着き、冬の厳しさが訪れる前の、まさに北海道を旅するための「黄金の季節」です。
しかし、その広大さゆえに「どんな服装でいけばいいの?」「限られた日程でどこを巡るのがベスト?」といった具体的な計画段階で悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなあなたの疑問をすべて解決します。週末を利用した2泊3日や3泊4日の短期旅行から、じっくり楽しむ4泊5日、5泊6日、さらには北海道を一周するような6泊7日や7泊8日の長期滞在まで、あらゆるニーズに応える北海道観光の10月モデルコースを徹底的に解説します。
車ありで自由気ままなドライブを楽しむプランはもちろん、免許がない方や運転が不安な方向けに車なしで満喫できるプランも網羅しました。夏の賑わいを避けて静かに大自然と向き合いたい方や、おしゃれなカフェ巡りも楽しみたい女子旅を計画している方にも、必ず役立つ情報が満載です。
大人気の旭山動物園、秋色に染まる富良野、そして異国情緒あふれる函館など、定番スポットを効率よく、そして深く味わうための具体的なヒントを詰め込みました。この記事を読めば、あなたの理想の北海道旅行がきっと見つかります。
記事のポイント
- 日程や目的に合わせた最適なモデルコースが見つかる
- 10月の北海道の気候や適切な服装が具体的にわかる
- 車あり・なし両方の移動手段に応じたプランを比較検討できる
- 秋の北海道で絶対に外せない旬のグルメや絶景スポットがわかる
日程で選ぶ北海道観光10月モデルコース

北海道旅行の計画で最初に決めるべきなのが「滞在日数」です。
日本の総面積の約22%を占める広大な北海道では、日数によって訪れることができるエリアや楽しみ方が大きく変わってきます。
週末を利用した短期集中型か、長期休暇を利用した周遊型か、ご自身のスケジュールと照らし合わせながら最適なプランを見つけていきましょう。
- 2泊3日で満喫する王道プラン
- 人気の富良野を巡る3泊4日
- 4泊5日で函館の夜景も楽しむ
- ゆったり巡る5泊6日の道東旅
- 6泊7日と7泊8日の長期滞在
2泊3日で満喫する王道プラン

初めての北海道旅行や、短い日程で北海道のハイライトを体験したい方には、札幌・小樽を中心とした2泊3日の王道モデルコースが最も適しています。
空の玄関口である新千歳空港からのアクセスが良く、移動時間を効率化しながら、北海道が誇る都市観光、絶品グルメ、そして美しい景観をバランス良く満喫できるのが最大の強みです。
プラン概要:2泊3日 王道コース
主要エリア | 札幌・小樽 |
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おすすめ移動手段 | 公共交通機関(JR、地下鉄、バス) |
こんな人におすすめ | ・初めて北海道を訪れる方 ・グルメや買い物を楽しみたい方 ・運転しない方 |
予算目安(1人あたり) | 約7万円~12万円(航空券・宿泊費込) |
1日目:札幌到着~市内中心部と煌めく夜景
午前中に新千歳空港へ到着。まずはJR快速エアポートで約40分の札幌駅へ向かいます。ホテルに荷物を預けたら、早速市内観光へ。ランチは名物のスープカレーや味噌ラーメンで腹ごしらえ。
午後は「大通公園」や「札幌市時計台」、赤レンガが美しい「北海道庁旧本庁舎」といった定番スポットを徒歩で巡ります。夕方には「さっぽろ羊ヶ丘展望台」へ移動し、「少年よ、大志を抱け」で有名なクラーク博士像と共に北海道らしい雄大な景色を写真に収めましょう。
夜はすすきのでジンギスカンを堪能した後、「日本新三大夜景」にも認定された藻岩山の展望台へ。宝石を散りばめたような札幌の夜景は、旅の始まりを華やかに彩ってくれます。
2日目:ノスタルジックな港町・小樽を気ままに散策
2日目は朝からJRで小樽へ移動します。札幌駅から約30~40分で、どこか懐かしい雰囲気の漂う港町に到着です。まずは小樽のシンボル「小樽運河」へ。石造り倉庫が並ぶ運河沿いの散策路を歩けば、まるで時代を遡ったかのような気分に浸れます。
昼食は「寿司屋通り」で、近海で獲れた新鮮なネタを使った握り寿司を。午後は、ガラス工房やオルゴール堂、人気スイーツ店「ルタオ」などが軒を連ねる「堺町通り商店街」へ。
美しいガラス製品に目を奪われたり、甘いスイーツでひと休みしたり、思い思いの時間を過ごせます。夕暮れ時、ガス灯が灯る小樽運河の幻想的な風景もまた格別です。
3日目:市場の活気と空港での最後の楽しみ
最終日の朝は、「札幌市中央卸売市場 場外市場」で豪華な朝食からスタート。市場の活気を感じながら、新鮮な魚介をふんだんに使った海鮮丼を味わいましょう。カニやイクラ、ホッケの干物など、北海道ならではのお土産を探すのにも最適な場所です。
その後、新千歳空港へ移動。空港内には温泉施設や映画館、ラーメン道場などエンターテイメント施設が充実しており、フライトの時間ぎりぎりまで北海道を遊び尽くすことができます。
人気の富良野を巡る3泊4日

もし日程にもう1日余裕が生まれるなら、雄大な大自然の景観が心に残る富良野・美瑛エリアまで足を延ばす3泊4日のモデルコースがおすすめです。
10月は夏のラベンダーシーズンとは異なり、広大な丘陵地帯がパッチワークのように黄金色や赤色に染まる、落ち着いた大人の秋の絶景が広がります。この時期ならではの、静かで美しい北海道の原風景を心ゆくまで堪能できるプランです。
プラン概要:3泊4日 富良野・美瑛コース
主要エリア | 札幌・富良野・美瑛 |
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おすすめ移動手段 | レンタカー |
こんな人におすすめ | 北海道らしい雄大な自然風景を満喫したい方、ドライブが好きな方 |
予算目安(1人あたり) | 約9万円~15万円(航空券・宿泊費込) |
1日目:札幌へ移動・グルメと街歩き
新千歳空港から札幌へ移動し、1日目は札幌市内の観光を楽しみます。翌日のドライブに備え、早めにホテルにチェックインして体を休めるのが良いでしょう。
2日目:絶景ドライブで美瑛の丘へ
朝に札幌を出発し、レンタカーで高速道路を利用して約2時間で美瑛エリアへ。まずは様々な作物が植えられた畑が織りなす丘陵風景、「パッチワークの路」をドライブ。その後、色彩豊かな花々が丘を埋め尽くす「四季彩の丘」を訪れましょう。
10月はサルビアやケイトウ、マリーゴールドなどが秋風に揺れる美しい景色が見られます。そしてハイライトは、世界的に有名になった神秘的な「白金青い池」。紅葉したカラマツとコバルトブルーの水のコントラストは、まさに絶景です。
3日目:富良野の自然と文化に触れる
3日目は富良野エリアを中心に巡ります。倉本聰氏のドラマの舞台にもなった「ニングルテラス」では、森の中に点在するログハウスのクラフトショップを巡り、手作りの温もりあふれる作品に出会えます。その後は「ファーム富田」へ。
ラベンダーはなくとも、美しい秋の花畑をのんびり散策できます。ランチには、富良野産の新鮮野菜をふんだんに使った名物「富良野オムカレー」がおすすめです。
4日目:お土産探しと帰路へ
富良野から新千歳空港へは車で約2時間。午前中は富良野マルシェなどでお土産を探し、余裕をもって空港へ向かいましょう。
富良野・美瑛エリアは「ジェットコースターの路」と呼ばれるアップダウンの激しい直線道路など、ドライブそのものが最高のアクティビティになります。どこを走っても絵葉書のような風景が広がるので、お気に入りの場所で車を停めて、ゆっくり写真を撮る時間を楽しんでくださいね。
4泊5日で函館の夜景も楽しむ

北海道の多様な魅力をさらに深く、そして広範囲に味わいたい方には、札幌・小樽の道央エリアに加えて、異国情緒あふれる港町・函館まで南下する4泊5日のモデルコースが最適です。
エリア間の移動距離が長くなるため、全体のスケジュールを計画的に、そして効率的に組むことが旅の満足度を高めるカギとなります。
プラン概要:4泊5日 函館周遊コース
主要エリア | 札幌・小樽・函館 |
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おすすめ移動手段 | JR(特急)、函館市内は市電・バス |
こんな人におすすめ | 北海道の主要都市を巡りたい方、歴史や夜景に興味がある方 |
予算目安(1人あたり) | 約11万円~18万円(航空券・宿泊費込) |
1~2日目:札幌・小樽を満喫
旅の序盤は、前述の「2泊3日王道プラン」を参考に、札幌と小樽の観光を楽しみます。新千歳空港から札幌に入り、北海道の中心都市の活気とグルメを味わい、翌日はノスタルジックな小樽の街並みを散策します。
3日目:JR特急で函館へ、そして感動の夜景
3日目の朝、JR札幌駅から特急「北斗」に乗り込み、函館へ。約3時間半の列車の旅ですが、途中、車窓から見える内浦湾(噴火湾)の雄大な海岸線の景色は、移動時間を感じさせない美しさです。
函館到着後、まずは幕末の歴史の舞台となった「五稜郭公園」へ。隣接する五稜郭タワーの展望台から見下ろす星形の城郭と、10月中旬から下旬にかけて色づく紅葉のコントラストは必見です。
そして夜には、その美しさから世界三大夜景とも称される「函館山」からの夜景を堪能。市街地の無数の光が、海と山に挟まれた独特の地形を浮かび上がらせる光景は、忘れられない旅のハイライトになること間違いありません。
4日目:函館の異国情緒に触れる
4日目は、早起きして「函館朝市」へ。名物のイカ釣り体験や、とれたての魚介を贅沢に使った海鮮丼の朝食は格別です。
お腹が満たされた後は、金森赤レンガ倉庫が立ち並ぶベイエリアや、美しい教会群が点在する元町地区を散策。坂の上から港を見下ろす景色など、異国情緒あふれる美しい街並みを楽しみましょう。
5日目:函館から帰路へ
最終日は函館の街で最後のお土産探しを楽しんだ後、函館空港から帰路につくのがスムーズな流れです。
移動時間と空港選択に関する重要ポイント
札幌から函館までは、車やJRを利用しても片道で4時間近くを要します。移動だけで半日を費やすことを念頭に置き、無理のないスケジュールを心がけましょう。
往路は新千歳空港から北海道に入り、復路は函館空港から出発するなど、IN/OUTの空港を変えることで、移動の負担を大幅に軽減でき、限られた時間を最大限に有効活用できます。
ゆったり巡る5泊6日の道東旅

人の手がほとんど加えられていない、ありのままの大自然が広がる道東エリアは、時間をかけてじっくりとその魅力に浸りたい場所です。
5泊6日という日程があれば、釧路湿原、阿寒湖、摩周湖、そして世界自然遺産の知床など、北海道の雄大な自然を心ゆくまで満喫する壮大なモデルコースが可能になります。
このコースは各観光地間の移動距離が非常に長くなるため、レンタカーの利用が必須となります。旅の起点としては、女満別空港や釧路空港、とかち帯広空港などを玄関口にするのが一般的です。
プラン概要:5泊6日 道東大自然コース
主要エリア | 釧路・阿寒・摩周・知床・網走 |
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おすすめ移動手段 | レンタカー |
こんな人におすすめ | 手つかずの大自然や野生動物に興味がある方、ロングドライブが好きな方 |
予算目安(1人あたり) | 約13万円~20万円(航空券・宿泊費込) |
道東周遊プランの一例
- 1日目:
釧路空港に到着後、日本最大の湿原「釧路湿原」へ。細岡展望台から広大な湿原を蛇行する釧路川と、そこに沈む夕日のコントラストは圧巻です。 - 2日目:
神秘の湖「摩周湖」の、吸い込まれそうなほどの深い青色「摩周ブルー」に感動。その後、美しいカルデラ湖「屈斜路湖」の砂湯を体験し、アイヌ文化が色濃く残る「阿寒湖」へ。湖畔の温泉宿での宿泊がおすすめです。 - 3日目~4日目:
いよいよ世界自然遺産「知床」へ。ウトロ地区を拠点に、原生林に囲まれた知床五湖の散策(ヒグマの活動期はガイドツアーへの参加が必要)や、断崖絶壁の海岸線を進み、ヒグマとの遭遇率が高い観光船クルーズを楽しみます。10月は紅葉も美しく、羅臼岳を望む知床峠からの眺めはまさに絶景です。 - 5日目:
オホーツク海沿岸を南下し、網走へ。「博物館 網走監獄」で、北海道開拓時代の厳しい歴史に思いを馳せます。 - 6日目:
女満別空港から帰路へ。
このプランは、日々刻々と変わる自然の表情と、北海道の圧倒的なスケールの大きさを五感で感じることができる、忘れられない感動的な旅となるでしょう。
6泊7日と7泊8日の長期滞在

1週間以上の長期滞在が許されるなら、北海道の旅の可能性は無限に広がります。
6泊7日や7泊8日という時間があれば、これまで紹介した各エリアの魅力を組み合わせた北海道周遊モデルコースも、あるいは特定のエリアに深く滞在してその土地の魅力をじっくりと掘り下げる、より自由度の高い旅行も実現可能です。
北海道一周モデルコース案
究極の北海道旅行として、道内を一周するプランも考えられます。
例えば、新千歳空港からスタートし、富良野・美瑛(2泊)→道北の稚内を目指し日本最北端の宗谷岬へ(1泊)→オホーツク海沿岸を南下し道東の知床・阿寒湖へ(2泊)→太平洋側を走り道央の札幌・小樽へ(1泊)→最後に道南の函館へ(1泊)といった形で、主要な観光地を網羅することができます。
毎日が長距離移動の連続となり多忙ですが、各地の多様な文化や風景、食を満喫できる、まさに贅沢の極みと言えるプランです。
特定エリア滞在型モデルコース案
一方で、一つのエリアに腰を据え、その土地の日常に触れる旅も非常に魅力的です。例えば、道東エリアに1週間滞在し、国立公園での本格的なトレッキングやカヌー体験、人里離れた秘湯巡りなど、アドレナリンと癒やしに満ちたアクティブな休暇を過ごすのも良いでしょう。
また、札幌市内のウィークリーマンションなどを拠点に、日帰りで近郊の温泉地(定山渓、登別)や、余市のワイナリー、フルーツ狩りなどを楽しむ「暮らすような旅」も、長期滞在ならではの洗練されたスタイルです。
長期滞在を快適にするTIPS
1週間以上の旅行では、キッチン付きのコンドミニアムやアパートメントタイプの宿泊施設を活用するのも賢い選択です。
毎食外食ではなく、時には各地のローカルスーパーや朝市で新鮮な旬の食材を調達し、自分たちで料理をすることで、食費を抑えられるだけでなく、その土地の食文化をより深く、リアルに体験できるというメリットがあります。
目的別で探す北海道観光10月モデルコース

旅行の満足度は、自分の「目的」に合ったプランを立てられるかどうかにかかっています。
「ただただ絶景の中をドライブしたい」「かわいい動物に心から癒されたい」「とにかく美味しいものを食べ尽くしたい」など、あなたが今回の旅に最も求めるものは何でしょうか?
ここでは、様々な目的に合わせたモデルコースの考え方を提案します。
- 車ありで自由に巡るドライブ旅
- 旭山動物園で動物たちに会う
- 車なしで楽しむ札幌・小樽
- 夏の混雑を避けた快適な旅
- 秋の景色とグルメを巡る女子旅
- 総括:最適な北海道観光10月モデルコースを見つけよう
車ありで自由に巡るドライブ旅

どこまでも続くかのような直線道路、緩やかな丘陵地帯を貫く絶景ルート、そして息をのむほど美しい海岸線。広大な北海道を心ゆくまで、そして自分たちのペースで楽しむなら、やはり「車あり」のドライブ旅が最適です。
公共交通機関ではアクセスが難しい隠れた絶景スポットや、地図で見つけた郊外のおしゃれなカフェにも、思いのままに立ち寄れる自由度の高さが最大の魅力。10月は気候も比較的安定しており、黄金色に輝くカラマツ林や紅葉に彩られた渓谷を横目に、窓を開けて秋の澄んだ空気を吸い込みながら走る爽快なドライブが楽しめます。
おすすめ絶景ドライブコース
ルート名 | エリア | 特徴と10月の見どころ |
---|---|---|
パッチワークの路・パノラマロード | 美瑛・富良野 | 様々な作物が植えられた畑が織りなす丘陵風景が美しい、北海道の原風景ともいえるエリア。10月は収穫後の畑と紅葉が織りなす、落ち着いた色彩のパッチワークが楽しめる。 |
知床横断道路(国道334号) | 道東(知床) | ウトロと羅臼を結ぶ、まさに絶景の連続ルート。10月上旬には紅葉がピークを迎え、原生林が燃えるような赤や黄色に染まる。羅臼岳の雄大な姿を間近に望める知床峠は必見。 |
日本海オロロンライン | 道北(石狩~稚内) | 日本海に沿って南北に約380km伸びる絶景シーサイドライン。秋の澄んだ日には、水平線の向こうに利尻富士を遠くに眺めながらの爽快なドライブが楽しめる。 |
北海道の美しい道は、国土交通省北海道開発局が推進する「シーニックバイウェイ北海道」のウェブサイトでも多数紹介されており、ドライブ計画の素晴らしい参考になります。
ドライブ旅行の注意点
楽しいドライブ旅行には、いくつかの注意点も伴います。北海道は都市部を一歩離れると、ガソリンスタンドの数が極端に少なくなり、次のスタンドまで50km以上、場所によっては100km近くないということも珍しくありません。
特に道東や道北の郊外を長時間走行する際は、燃料計の残量が半分になる前に給油する習慣をつけることが、ガス欠という最悪の事態を避けるために非常に重要です。
また、10月下旬になると標高の高い峠道では、朝晩に初雪が観測されたり、路面が凍結したりする可能性も出てきます。冬用タイヤの準備はまだ早い時期ですが、天気予報や交通情報をこまめに確認し、無理な走行は絶対に避けましょう。
野生動物との遭遇に最大限の注意を
北海道の郊外、特に早朝や夕暮れ時の薄暗い時間帯には、キタキツネやエゾシカが道路に飛び出してくることが頻繁にあります。彼らは車のライトに驚いて立ち止まってしまうことも。
「動物注意」の標識を見かけたら、速度を十分に落とし、いつでも停車できる心構えで運転しましょう。衝突事故は車両の大きな損傷だけでなく、人命にも関わる重大な事態につながる可能性があります。
旭山動物園で動物たちに会う

旭川市にある「旭山動物園」は、単に動物を檻の中で見るだけの場所ではありません。
動物たちが本来持っている素晴らしい身体能力や、ユニークな習性、そして生き生きとした表情を最大限に引き出して見せる「行動展示」という画期的な手法で、日本中の動物園に影響を与えた、まさに革命的なスポットです。
旭山動物園の秋の見どころ
10月は夏の猛暑が和らぎ、動物たちが最も活発に動き出す季節の一つ。夏の混雑も落ち着き、一つ一つの展示をじっくりと、自分のペースで観察するのに最適です。
ホッキョクグマが水中に豪快に飛び込む姿を観察できたり、アザラシが円柱の水槽を縦横無尽に泳ぎ回ったり、オオカミの遠吠えが聞けたりと、見どころは満載。運が良ければ、動物たちが冬に備えてもふもふの冬毛に生え変わり始める、この時期だけの愛らしい姿に出会えるかもしれません。
「もぐもぐタイム」は必見
動物たちが食事をする様子を飼育員の詳しい解説付きで見ることができる「もぐもぐタイム」は、旭山動物園のハイライトです。動物たちの生態をより深く理解できるだけでなく、食事のために見せるダイナミックな動きは迫力満点。
人気イベントのため、入園したらまず当日のスケジュールを必ず確認し、見たい動物の時間を中心に園内を回る計画を立てましょう。(※冬期に行われるペンギンの散歩は、地面に雪が積もる12月下旬頃からのイベントです)
周辺エリアとの組み合わせモデルプラン
旭山動物園を旅のメインにするなら、旭川空港を利用するのが最も効率的です。旭川市内に宿泊し、開園から閉園まで丸一日かけて動物園を満喫するのがおすすめ。もし時間に余裕があれば、翌日はレンタカーで周辺の美瑛・富良野エリアへ。
旭山動物園で動物たちの生命力に触れ、翌日は美瑛の丘や青い池といった北海道が誇る雄大な大自然に癒される。そんな満足度の高い2泊3日のモデルコースが人気です。
車なしで楽しむ札幌・小樽

「車の運転には自信がない」「慣れない土地での運転は避けたい」「気ままに公共交通機関で旅をしたい」という方でも、北海道旅行は全く問題なく、そして快適に楽しめます。
特に北海道最大の都市札幌と、隣接するノスタルジックな港町小樽は、公共交通機関が非常に発達しており、「車なし」で周遊するのに最も適したエリアです。
公共交通機関活用のポイント
札幌市内は、JR、地下鉄3路線、市電(路面電車)、そして市内各所を網羅する路線バスが非常に高頻度で運行しています。ほとんどの主要観光スポットはこれらの交通機関を乗り継ぐことで簡単にアクセス可能です。
特に地下鉄は札幌観光の軸となり、効率よく移動できます。
地下鉄専用の1日乗車券(大人830円)や、土日祝日限定の「ドニチカキップ」(大人520円)などを賢く利用すれば、交通費を気にすることなく、一日中アクティブに動き回れます。
札幌と小樽を結ぶ大動脈は、JRの快速「エアポート」です。新千歳空港から札幌を経由し小樽まで直通で運行しており、札幌駅から小樽駅までは約30~40分で到着します。
日中は15~30分間隔で運行されているため、時刻表を細かく気にする必要もありません。この路線の一部は日本海沿いを走行するため、車窓から見える美しい海の景色も旅の素晴らしい思い出となるでしょう。
夏の混雑を避けた快適な旅

10月の北海道旅行が持つ、隠れた、しかし最大のメリットの一つが、夏のピークシーズン特有の喧騒と混雑を完全に避けられることです。
ラベンダーが咲き誇る7月からお盆休みを含む8月にかけては、国内外から最も多くの観光客が北海道を訪れます。
その結果、人気の観光地や景色の良い道路は大変な混雑に見舞われ、食事や写真撮影、時には移動そのものに多くの時間を費やしてしまうことも少なくありません。
10月が「ショルダーシーズン」である理由
しかし、10月は夏のハイシーズンと冬のスキーシーズンの間に位置する、いわゆる観光の「ショルダーシーズン(オフシーズン)」にあたります。これにより、どの観光地へ行っても比較的空いており、ゆったりと自分のペースで散策や鑑賞を楽しむことができるのです。
例えば、夏の富良野・美瑛エリアでは有名スポットの駐車場に入るために長い列ができることも日常茶飯事ですが、10月であればその心配はほとんど無用です。人気のレストランやカフェにもスムーズに入店でき、落ち着いた雰囲気の中で北海道の美食とじっくりと向き合うことができます。
さらに、この時期は航空券や宿泊施設の料金も、ハイシーズンと比較して顕著に手頃になる傾向があります。同じ予算でも、よりグレードの高いホテルに宿泊したり、旅先でのアクティビティを一つ増やしたりと、旅の選択肢が大きく広がります。
予算を賢く抑えつつ、ストレスフリーで快適な旅行を実現したいと考える方にとって、10月の北海道はまさに最高の選択肢と言えるのです。
10月の気候と服装のポイント
10月の北海道は、本州の感覚で言うと「晩秋から初冬」にあたる気候です。旅行の快適さを左右する服装選びは非常に重要。
地域や時期によって差はありますが、気象庁の過去の気象データなどを参考に、しっかり準備しましょう。
「重ね着」であらゆる気温に対応できるようにするのが基本戦略です。
都市 | 平均気温 | 最高気温(平均) | 最低気温(平均) |
---|---|---|---|
札幌 | 12.5℃ | 17.0℃ | 8.6℃ |
旭川 | 10.1℃ | 15.2℃ | 5.4℃ |
函館 | 13.1℃ | 17.6℃ | 8.7℃ |
釧路 | 11.4℃ | 15.2℃ | 7.1℃ |
時期 | 日中の服装(基本) | 朝晩・寒い日に追加したいもの | 重要なポイント |
---|---|---|---|
上旬 | 長袖シャツ+カーディガンや薄手のパーカー | ウインドブレーカー、薄手のジャケット | 日中はまだ暖かく感じられる日もありますが、朝晩の冷え込みは本州の秋とは比較になりません。 |
中旬 | セーターやフリース素材のトップス | ライトダウンジャケット、トレンチコート | 紅葉が見頃となる山間部や峠は、平地よりも気温が5℃以上低いことも。防寒対策をしっかりと。 |
下旬 | 厚手のセーター+ライトダウンジャケット | 冬用の厚手コート、マフラー、手袋、ヒートテックインナー | 道内各地から初雪の便りが聞こえ始めます。ほぼ冬支度に近い服装が必要です。滑りにくい靴も忘れずに。 |
秋の景色とグルメを巡る女子旅

どこを切り取っても絵になる美しい景色、心ときめく美味しいスイーツ、そして時間を忘れておしゃべりできる居心地の良いおしゃれなカフェ。これらは女子旅を最高に楽しくするエッセンスですが、秋の北海道は、そのすべてが最高のクオリティで揃っています。
紅葉に彩られたパッチワークの丘や湖畔の風景は、SNSでシェアしたくなる最高のフォトスポット。そして、収穫の秋を迎えた北海道は、まさに美食の宝庫です。
おすすめフォトジェニックスポット
- 北海道大学のイチョウ並木(札幌):
10月下旬になると約380m続く並木道が黄金色のトンネルに変わります。 - 定山渓の二見吊橋(札幌近郊):
燃えるような紅葉の渓谷にかかる吊橋は、スリルと絶景を同時に楽しめます。 - 青い池(美瑛):
周囲の木々が紅葉することで、青い水面とのコントラストが一層際立ち、幻想的な雰囲気に包まれます。
外せない秋のスイーツ&グルメ
秋の北海道は味覚の宝庫。女子旅ならぜひ旬の味を堪能しましょう。
旬の味覚 | シーズン | おすすめの楽しみ方 |
---|---|---|
カボチャ・栗 | 9月~11月 | 札幌市内のカフェで提供される秋限定のパフェやモンブラン、タルトは絶品。 |
秋鮭・いくら | 9月~11月 | 市場で新鮮ないくら丼を味わうのはもちろん、石狩鍋で体を温めるのもおすすめ。 |
シシャモ | 10月~11月 | 鵡川町(むかわちょう)など太平洋沿岸でしか獲れない本物のシシャモ。旬の時期のオスは格別の美味しさ。 |
思い出に残る体験アクティビティ
富良野の「ふらのチーズ工房」でのチーズ作り体験や、小樽の「北一硝子」でのとんぼ玉・吹きガラス体験など、世界に一つだけのオリジナル作品作りは、旅の最高の思い出になります。仲間と一緒に挑戦すれば、楽しさも倍増です。
旅のハイライトに、景色の良い温泉旅館でのんびり過ごす時間を加えるのも素敵ですね。札幌の奥座敷「定山渓温泉」や、泉質自慢の「登別温泉」など、札幌から日帰りでも行ける距離に魅力的な温泉地がたくさんあります。美しい紅葉を眺めながら入る露天風呂は、まさに至福のひとときですよ!
移動手段は、気の合う仲間と自由に動ける小回りの利くコンパクトカーをレンタルするか、公共交通機関が便利な札幌・小樽を拠点にして、荷物を気にせず身軽に動くかのどちらかがおすすめです。
総括:最適な北海道観光10月モデルコースを見つけよう
記事のポイントをまとめます。
- 10月の北海道は紅葉や旬のグルメが満喫できる絶好の観光シーズン
- 気候は秋らしく肌寒いためダウンジャケットなど防寒対策が必須
- 観光のオフシーズンにあたり航空券や宿泊費が比較的安価になる傾向
- 夏のハイシーズンに比べて観光客が少なくゆったりと過ごせる
- 2泊3日なら札幌・小樽、3泊4日なら富良野・美瑛を追加するのが定番
- 4泊5日あれば札幌から函館まで足を延ばすことも可能
- 5泊以上の長期滞在なら道東の世界自然遺産・知床も視野に入る
- 車ありプランは自由度が高く郊外の絶景スポット巡りに最適
- 峠道では10月下旬に初雪の可能性があるため運転には注意が必要
- 車なしでも札幌・小樽エリアは公共交通機関で十分に楽しめる
- 旭山動物園は秋に訪れると動物たちの冬毛への変化も観察できる
- 女子旅にはフォトジェニックな紅葉スポットやカフェ巡りが人気
- 秋鮭やシシャモ、カボチャや栗など秋ならではの味覚が豊富
- 自分の旅行日数や興味に合わせて最適なモデルコースを選ぶことが重要
- 旅行前には必ず最新の交通情報や天気予報を確認することが推奨される