北海道旅行を計画する際、「北海道には空港が何個あるんだろう?」「自分の目的地だと、どの空港を選ぶのがどこがいいのかな?」と疑問に思ったことはありませんか。
広大な北海道には多くの空港が存在するため、旅の計画の第一歩として空港選びは非常に重要です。
この記事では、北海道の全空港の一覧を地図付きで紹介し、なぜ空港が多い理由があるのかを徹底的に掘り下げて解説します。
さらに、大きい順の規模比較や利用者数ランキング、難読空港の正しい読み方といった基本情報から、東京からの直行便情報、札幌に近い空港の比較、国際線空港一覧まで、あなたの疑問にすべてお答えします。
この記事を読めば、あなたの旅行プランに最適な北海道の空港が必ず見つかるはずです。
記事のポイント
- 北海道にある全14空港の数とそれぞれの所在地
- 利用者数や規模に基づいた主要空港の詳細な特徴
- あなたの旅行の目的に合わせた最適な空港の選び方
- 各空港から主要観光地への具体的なアクセス方法
北海道の空港は何個?基本情報を解説

- 全空港の一覧と地図での位置確認
- 北海道に空港が多い理由とは
- 難読空港名の正しい読み方ガイド
- 利用者数ランキングで見る主要空港
- 空港の規模を大きい順に紹介
全空港の一覧と地図での位置確認

結論から言うと、北海道には合計14個の空港(公共用飛行場)が存在します。
これだけ多くの空港が一つの都道県に集中しているのは、全国的に見ても非常に稀です。
この多様な空港網が、広大な北海道の隅々までを結びつける重要な役割を担っています。
これらの空港は管理形態によって、国が直接管理する「国管理空港」、北海道や市町村が管理する「地方管理空港」、そして防衛省(自衛隊)が管理し民間航空機も利用する「共用空港」などに分類されます。
まずは、北海道に存在する全ての空港を分類ごとに見ていきましょう。
北海道の空港 分類別一覧
- 国管理空港(4空港)
新千歳空港、函館空港、釧路空港、稚内空港 - 特定地方管理空港(2空港)
旭川空港、帯広空港 - 地方管理空港(6空港)
奥尻空港、根室中標津空港、女満別空港、オホーツク紋別空港、利尻空港、礼文空港 - 共用空港(2空港)
札幌飛行場(丘珠空港)、千歳飛行場
※注意点
礼文空港は現在、滑走路の整備問題などから定期便の運航が休止されています。また、千歳飛行場は主に航空自衛隊が使用する千歳基地であり、民間の定期便は隣接する新千歳空港に集約されています。
これら14の空港が広大な北海道の各地に点在しています。
下の地図でそれぞれの位置関係を確認すると、道内がいかに広く、各エリアの移動拠点として空港がいかに重要な役割を果たしているかが視覚的に理解できるでしょう。
北海道に空港が多い理由とは

「なぜ北海道にはこれほど多くの空港があるのだろう?」と不思議に思うかもしれません。
単に広いからというだけではなく、そこには北海道特有の複数の理由が深く関わっています。
理由1:圧倒的に広大な土地面積
第一に、日本の総面積の約22%を占める広大な土地面積です。国土地理院の発表によると、北海道の面積は約83,424平方キロメートルに及びます。これは、例えば東北6県と新潟県を合わせた面積に匹敵する広さです。
道東の根室市から道南の函館市まで車で移動すると、高速道路を使っても休憩なしで8時間以上かかることがあります。このため、道内各地域を結ぶ航空網が、人々の移動やビジネス、さらには救急医療などの面で不可欠なのです。
理由2:冬季の厳しく予測不能な気候
第二に、冬季の厳しい気候が挙げられます。冬になると多くの地域が豪雪に見舞われ、特に山間部の峠道は頻繁に通行止めになります。鉄道も大雪や吹雪の影響で運休することが少なくありません。
このような状況でも、天候が許す限り安定した高速移動を確保できる空路は、北海道の社会経済活動を維持するための重要なライフラインと言えます。
理由3:地域経済と観光振興の拠点
そして第三の理由は、地域経済の活性化と観光振興です。各空港は、その地域の観光の玄関口としての重要な役割を担っています。
例えば、世界自然遺産の知床へは女満別空港、ラベンダーで有名な富良野・美瑛へは旭川空港が便利なように、目的地に近い空港があることで、観光客は陸路での長い移動時間を大幅に短縮できます。
これにより、滞在時間を有効に活用でき、より充実した旅行を楽しむことが可能になるのです。
難読空港名の正しい読み方ガイド

北海道の地名には、先住民族であるアイヌの言葉(アイヌ語)に由来するものも多く、初めて見る方には読み方が難しい空港名がいくつかあります。
旅行の計画を立てる際や、現地の交通機関でアナウンスを聞く際に戸惑わないよう、代表的な難読空港名の読み方と、その由来の豆知識を合わせて確認しておきましょう。
空港名(漢字) | 正しい読み方(ひらがな) | 主な所在地 | 豆知識・地名の由来など |
---|---|---|---|
女満別空港 | めまんべつくうこう | 網走郡大空町 | アイヌ語の「メマンペッ」(泉池がある川)に由来すると言われています。 |
札幌飛行場(丘珠空港) | さっぽろひこうじょう(おかだまくうこう) | 札幌市東区 | アイヌ語の「オッカイ・タム・チャラパ」(男が刀を落とした場所)が転じたという説があります。 |
根室中標津空港 | ねむろなかしべつくうこう | 標津郡中標津町 | 「シペッ」(大きな川)というアイヌ語が由来で、中心部にあることから「中標津」となりました。 |
稚内空港 | わっかないくうこう | 稚内市 | アイヌ語の「ヤム・ワッカ・ナイ」(冷たい飲み水の沢)に由来します。 |
利尻空港 | りしりくうこう | 利尻郡利尻富士町 | アイヌ語の「リ・シリ」(高い島)が語源で、海に浮かぶ利尻山の姿をそのまま表しています。 |
特に「女満別(めまんべつ)」は間違いやすいので、覚えておくと便利ですよ。
「丘珠(おかだま)」も札幌市民以外にはあまり馴染みがないかもしれませんね。地名の由来を知ると、旅が少し楽しくなります。
利用者数ランキングで見る主要空港

北海道に空港は数多くありますが、その中でも特に多くの人が利用する主要な空港はどこなのでしょうか。国土交通省が発表している空港管理状況のデータを見ると、その序列は明らかです。
当然ながら、北海道の空の玄関口である新千歳空港が圧倒的な利用者数で1位となっています。
国内外への豊富な路線網を持ち、北海道全体のハブ空港としての機能を担っており、年間2,000万人以上が利用する日本有数の空港です。
それに続くのが、函館、旭川、釧路、帯広といった各エリアの中心都市にある空港です。
これらの空港は、道外からの観光客やビジネス客にとって、各地域へ直接アクセスするための重要な拠点となっています。
北海道内 空港利用者数ランキング(2025年度 年間旅客数)
- 新千歳空港:約2,400,000人
- 函館空港:約1,800,000人
- 旭川空港:約1,130,000人
- 女満別空港:約775,000人
- 釧路空港:約743,000人
(出典:国土交通省 空港管理状況 令和6年(暦年・年度)空港別順位表より概数を引用)
※順位や数値は年度によって変動します。
このランキングを見れば、どの空港が北海道の主要なゲートウェイであるかが一目瞭然です。
旅行プランを立てる際は、これらの主要空港を軸に考えると、航空便の選択肢も多く、LCC(格安航空会社)の就航があるなど、価格面でも有利な計画を立てやすくなります。
空港の規模を大きい順に紹介

利用者数とは別に、「空港そのものの規模」という視点で見ると、また違った側面が見えてきます。
空港の規模は、一般的に敷地面積や滑走路の数・長さなどで測られ、これが就航できる航空機の種類や便数に影響します。
この指標で見ても、やはり新千歳空港が北海道で最大の規模を誇ります。
3,000メートル級の滑走路を2本持ち、政府専用機も運用されるなど、大型の国際線旅客機も余裕を持って離着陸できる万全の設備が整っています。
そして、意外に思われるかもしれませんが、敷地面積という点では女満別空港が道内でも有数の規模を持っています。
これは、将来的な需要増にも対応できるよう、余裕を持った設計になっているためです。
規模の大きい北海道の主要空港
- 新千歳空港:
利用者数、施設、滑走路の規模ともに道内最大。レストランや土産物店、温泉、映画館まで備えたエンターテインメント性も日本トップクラスのハブ空港。 - 女満別空港:
広大な敷地を持ち、道東エリアの基幹空港としての役割を担う。冬季の除雪体制も強力で、就航率の高さに定評があります。 - 函館空港:
2,500メートルの滑走路を持ち、安定した運用が可能な道南エリアの拠点空港。市内へのアクセスが非常に良いのも特徴です。 - 旭川空港:
北海道のほぼ中央に位置し、道北・道央エリアへのゲートウェイとして重要な規模を持つ空港です。
空港の規模が大きいということは、それだけ多くの航空便が就航していたり、空港内の施設が充実していたりする傾向があります。
レストランやお土産店、ラウンジなどの設備を重視する方は、これらの規模の大きい空港を利用すると、出発前後の時間も快適に過ごせるでしょう。
結局、北海道の空港は何個から選ぶべき?

- 海外からの玄関口となる国際線空港一覧
- 東京から直行便がある空港はどこ?
- 札幌に近い空港は新千歳だけじゃない
- 旅の目的別におすすめはどこがいい?
- 北海道の空港は何個あるかを知り旅を計画
海外からの玄関口となる国際線空港一覧

海外から北海道へ、あるいは北海道から海外へ向かう場合、国際線が就航している空港を利用する必要があります。
2025年現在、北海道で定期的な国際線が運航されている主要な空港は以下の通りです。
- 新千歳空港(CTS)
- 函館空港(HKD)
- 旭川空港(AKJ)
中でも新千歳空港は、ソウル、釜山、台北、高雄、上海、北京、香港、バンコク、シンガポール、クアラルンプールなど、東アジア・東南アジアの主要都市を中心に豊富な国際線ネットワークを持っています。まさに北海道の国際的な玄関口と言えるでしょう。
函館空港や旭川空港も、主に台湾や韓国、香港などからのチャーター便や定期便が就航しており、インバウンド観光客にとって重要なゲートウェイとなっています。
特に旭川空港は、富良野・美瑛エリアのパウダースノーがアジアからのスキー・スノーボード客に絶大な人気を誇るため、冬場の国際線利用が非常に活発です。
海外旅行を計画する際や、海外からのゲストを迎える際には、これらの空港から目的地へのアクセスを考慮してフライトを選ぶことになります。
東京から直行便がある空港はどこ?

本州から北海道へ向かう旅行者の多くが利用するのが、東京(羽田空港・成田空港)からの路線です。
日本の首都である東京からは、道内各地の空港へ数多くの直行便が就航しており、アクセスは非常に便利です。
羽田空港から直行便で行ける主な北海道の空港は、以下の通りです。
これだけの選択肢があるため、旅の目的地に合わせてダイレクトにアクセスできます。
羽田空港からの直行便がある北海道の空港(航空会社例)
- 新千歳空港(JAL, ANA, スカイマーク, エアドゥ)
- 函館空港(JAL, ANA, エアドゥ)
- 旭川空港(JAL, ANA, エアドゥ)
- 釧路空港(JAL, ANA, エアドゥ)
- 帯広空港(JAL, ANA, エアドゥ)
- 女満別空港(JAL, ANA, エアドゥ)
- 稚内空港(ANA)
- オホーツク紋別空港(ANA)
- 根室中標津空港(ANA)
このように、主要な観光地のほとんどは東京から乗り換えなしでアクセス可能です。
特に新千歳空港行きはJAL、ANAといったフルサービスキャリアから、スカイマーク、エア・ドゥといった多様な航空会社が1時間に何便も運航しており、時間帯や価格の選択肢が非常に豊富です。
一方で、オホーツク紋別空港や根室中標津空港などは1日に1便のみの運航となる場合が多いため、旅行計画を立てる際はフライトスケジュールをしっかりと確認し、早めに予約することが重要です。
札幌に近い空港は新千歳だけじゃない

「札幌へ行くなら新千歳空港」というのが一般的な認識ですが、実は札幌市内にはもう一つ「札幌飛行場(丘珠空港)」という、より都心に近い空港が存在します。
この2つの空港は、それぞれに異なる特徴と役割があり、目的地や旅のスタイルによって使い分けることで、より効率的でスマートな移動が可能になります。それぞれの違いを詳しく比較してみましょう。
新千歳空港(CTS) | 札幌飛行場(丘珠空港 / OKD) | |
---|---|---|
所在地 | 千歳市(札幌市中心部から南東へ約45km) | 札幌市東区(札幌市中心部から北へ約6km) |
札幌中心部へのアクセス | JR快速エアポートで約37分 空港連絡バスで約70分~90分 | 連絡バスで約25分(札幌駅) 地下鉄栄町駅までバス約5分+地下鉄で約10分 |
就航路線 | 国内主要都市(羽田、成田、関空など)、国際線など多数 | 道内路線(函館、釧路、利尻、女満別など)、三沢(青森)、静岡(夏季)など |
特徴 | 大規模で施設が充実。レストラン・土産物店も豊富。道外からのメインゲートウェイ。LCCの就航も多数。 | 札幌市内にあり都心へのアクセスが抜群。道内各都市への移動や、ビジネスでの利用に非常に便利。 |
このように、丘珠空港は札幌市内に位置しているため、都心部へのアクセス時間が短いという大きなメリットがあります。
道内(例えば函館や釧路)を飛行機で周遊してから札幌に入るようなプランの場合、丘珠空港を利用すると移動が非常にスムーズです。
ただし、滑走路が短いためジェット機が就航できず、プロペラ機での運航が中心となり、就航路線も限られています。
道外から直接札幌を目指す場合は新千歳空港、道内での乗り継ぎや特定の地方都市からのアクセスには丘珠空港、という使い分けが賢い選択と言えるでしょう。
旅の目的別におすすめはどこがいい?

結局のところ、「どの空港が一番いいのか?」という問いの答えは、あなたの旅の目的、つまり「どこへ行って何をしたいか」によって変わります。
これまでの情報を基に、具体的な旅のシナリオに合わせた目的別のおすすめ空港をまとめました。
あなたの旅の目的に合う空港は?
- 札幌・小樽のグルメやショッピングが目的の方
→ 新千歳空港が最適。
羽田からの便数が圧倒的に多く、LCCの選択肢も豊富。JR快速エアポートを使えば札幌駅まで約37分とアクセスも抜群です。 - 函館の夜景や歴史的な街並みを楽しみたい方
→ 函館空港。
市内中心部まで車で約20分と非常に近く、到着後すぐに観光を開始できるのが最大の魅力です。 - 富良野のラベンダー畑や美瑛のパッチワークの丘を巡りたい方
→ 旭川空港が最も便利。
有名観光地まで車で約20分~1時間と、新千歳空港を利用するより移動時間を2時間以上短縮できます。 - 世界自然遺産の知床や道東の雄大な自然に触れたい方
→ 女満別空港または根室中標津空港。
知床(ウトロ)へのアクセスには女満別空港が、知床(羅臼)や根室方面へは中標津空港が便利です。 - 釧路湿原や阿寒湖の神秘的な風景を見たい方
→ たんちょう釧路空港。
道東観光のもう一つの重要な拠点で、特に阿寒・摩周エリアへのアクセスに優れています。 - 十勝の広大な田園風景やグルメ、ガーデン街道を楽しみたい方
→ とかち帯広空港。
帯広市内や周辺の有名ガーデン、温泉地へのアクセスに便利です。
このように、行きたい観光地を明確にすることで、利用すべき空港は自ずと決まってきます。
広大な北海道を効率よく旅するためには、目的地に最も近い空港を選ぶことが、時間と体力を節約する最大のコツです。
北海道の空港は何個あるかを知り旅を計画
北海道の空港について、その数や特徴、そしてあなたの旅のスタイルに合わせた選び方を詳しく解説してきました。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
あなたの北海道旅行計画が、よりスムーズで素晴らしいものになるよう、ぜひお役立てください。
- 北海道には公共用の空港が全部で14個存在する
- 空港が多いのは広大な面積と冬季の厳しい気候が大きな理由
- 女満別(めまんべつ)や丘珠(おかだま)など難読名の正しい読み方を知っておくと便利
- 利用者数は新千歳空港が圧倒的で函館空港や旭川空港がそれに続く
- 敷地面積では女満別空港も道内有数の規模を誇っている
- 国際線が定期的に就航しているのは主に新千歳・函館・旭川の3空港
- 東京(羽田)からは道内9つの空港へ直行便がありアクセスは非常に良好
- 札幌には道外からの玄関口である新千歳空港の他に丘珠空港も存在する
- 丘珠空港は札幌市内にあり道内各都市への移動拠点として便利
- 旅の目的と行きたい観光地を明確にすることが最適な空港選びの第一歩
- 札幌・小樽観光がメインなら便数豊富な新千歳空港がベストな選択
- 富良野・美瑛観光なら旭川空港を選ぶことで移動時間を大幅に短縮できる
- 知床や釧路湿原など道東の自然を満喫するなら女満別空港や釧路空港が玄関口となる
- 空港ごとの就航路線や市内へのアクセス方法を事前に確認することが重要
- 定期便のない礼文空港を除き13の空港が現在の北海道の空の交通を担っている