【最新】北海道でオーロラが見れる場所は？観測スポットとコツを解説

北海道でオーロラが見れる場所を探していませんか？

オーロラといえば、オーロラが見える国ランキング上位の北欧などが有名ですが、実は日本国内でも観測のチャンスがあります。

特に2025年にかけては太陽活動が活発なため、北海道の各地で低緯度オーロラが目撃される可能性が高まっています。

しかし、日本でオーロラが見えるなんて、何かやばい現象の前触れではと心配になる方もいるかもしれません。

この記事では、オーロラ観測の仕組みから、札幌近郊を含め北海道で見れる場所、気になるオーロラ予報を今日確認する方法、最適な観測時間、そして便利なツアー情報まで、網羅的に解説します。

あなたのオーロラ観測計画を具体的にするための情報を詰め込みました。

北海道でオーロラが見れる場所と基礎知識

日本で見られる低緯度オーロラとは？

日本、特に北海道で観測されるオーロラは、「低緯度オーロラ」と呼ばれる特別な現象です。

一般的にオーロラは、カナダや北欧といった緯度の高い「オーロラベルト」地帯で観測されますが、低緯度オーロラはそれよりもずっと南の地域から見ることができます。

この現象の鍵を握るのは、太陽の活動です。

太陽の表面で「太陽フレア」と呼ばれる巨大な爆発が起こると、通常よりもはるかに強力な太陽風が地球に到達します。

この強力なエネルギーによって、オーロラベルトで発生するオーロラが非常に大規模になり、そのオーロラの最も高い部分（上部）が、遠く離れた北海道からも地平線の向こうに見えるようになるのです。

低緯度オーロラには、一般的なオーロラとは異なる特徴があります。

低緯度オーロラの特徴

色：オーロラは発生する高度によって色が変わります。低緯度地域から見えるのはオーロラの上部、つまり高度200km以上の非常に高い場所です。この高度では大気中の酸素原子が反応して赤い光を放つため、低緯度オーロラは淡い赤色に見えることがほとんどです。

形：多くの人がイメージする緑色のカーテンが揺らめくような形とは異なり、低緯度オーロラは空全体がぼんやりと赤く染まるように見えるのが特徴です。その光は非常に淡いため、肉眼では雲や街明かりと見分けるのが難しい場合もあります。

このように、北海道で見られるオーロラは、北極圏で発生した巨大なオーロラの一部を遠くから眺めている、非常にスケールの大きな現象だと言えます。

日本でオーロラはやばい現象なのか解説

「日本でオーロラが見える」と聞くと、その珍しさから「何か不吉なことの前触れでは？」「地球にとってやばい現象なのでは？」と不安に思う方もいるかもしれません。

しかし、結論から言うと、オーロラ自体が直接的に危険を及ぼす現象ではありません。

オーロラは、地球の磁場が太陽からやってくる高エネルギーの粒子から私たちを守ってくれている証拠とも言える、美しく壮大な自然現象です。ただ、大規模なオーロラが発生する原因である「磁気嵐」は、私たちの生活に間接的な影響を与える可能性があります。

大規模な太陽フレアが発生すると、強力な磁気嵐が地球を襲うことがあります。

この磁気嵐が、人工衛星やGPS、送電網、無線通信などに障害を引き起こす可能性が指摘されています。つまり、「やばい」のはオーロラそのものではなく、その根本原因である太陽の活発な活動ということになります。

しかし、これは非常に大規模な磁気嵐の場合であり、北海道でオーロラが見えるたびに必ずインフラに障害が出るわけではありません。

むしろ、オーロラが見えるということは、それだけダイナミックな宇宙の活動を地球から垣間見れる貴重な機会と捉えるのが良いでしょう。神秘的な光のショーとして、安心して空を見上げてみてください。

オーロラが見える国ランキングと日本の比較

オーロラ観測といえば、海外の特定の国々が有名です。

一般的に「オーロラが見える国」として挙げられるのは、北極圏のオーロラベルト直下に位置する国々です。

これらの国々と日本（北海道）でのオーロラ観測には、どのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、代表的なオーロラ観測地と日本の違いを比較してみましょう。

項目	オーロラベルトの国々（カナダ、フィンランド等）	日本（北海道）
見え方	緑やピンクのカーテンが揺らめく、動きのあるオーロラ	空がぼんやりと赤く染まる、動きの少ないオーロラ
観測頻度	条件が良ければシーズン中ほぼ毎晩	年に数回程度（太陽活動活発期）
現象の種類	オーロラ（オーロラベルト直下）	低緯度オーロラ（大規模オーロラの上部）
観測のしやすさ	肉眼でもはっきりと見えることが多い	肉眼では淡く、カメラでの長時間露光で鮮明に写る

このように、オーロラベルトの国々では、ダイナミックで色鮮やかなオーロラを高頻度で観測できるチャンスがあります。

これが、いわゆる「オーロラが見える国ランキング」で常に上位に挙げられる理由です。

一方、日本での観測は非常にレアで、見え方も異なりますが、国内で宇宙の神秘に触れられるという特別な価値があります。

海外への渡航が難しい状況でも、日本国内でオーロラに巡り会える可能性があるのは、大きな魅力と言えるでしょう。

見れる場所は日本にどれくらいある？

日本国内でオーロラの観測を目指す場合、その場所は基本的に緯度の高い北海道が中心になります。

なぜなら、日本で見られる低緯度オーロラは、北極圏で発生した巨大なオーロラの最上部を地平線の向こうに見る現象であり、少しでも北の地域に行く方が観測条件として有利になるからです。

ただ、北海道内であればどこでも良いというわけではありません。

観測の成功率を大きく左右するのは、「人工の光が少ないこと」と「北の方角の視界が開けていること」の2つの条件です。

これを踏まえ、過去に何度もオーロラが観測されている実績のある、特におすすめの地域をいくつかご紹介いたします。

【聖地】陸別町（りくべつちょう）

オーロラ観測を語る上で、陸別町は外すことのできない特別な場所です。

「日本一寒い町」として全国的に有名ですが、同時に環境省から「星空の街」にも認定されています。

内陸部に位置するため晴天率が比較的高く、オーロラ研究の世界的権威からも「低緯度オーロラ観測の理想的な拠点」と評された実績があります。

町内にある「りくべつ宇宙地球科学館（銀河の森天文台）」は、まさに観測の中心地。オーロラ出現の可能性が高まると多くの天文ファンが集まります。

【星空の名所】名寄市（なよろし）

名寄市もまた、オーロラ観測地として非常に有名です。

盆地特有の地形が周囲の街明かりを遮断し、国内でも屈指の暗く美しい夜空が広がります。

ここには「なよろ市立天文台きたすばる」があり、北海道大学の望遠鏡も設置されるなど、天体観測の拠点として重要な役割を担っています。

オーロラだけでなく、満点の星空も同時に楽しめるのが大きな魅力と言えるでしょう。

【開けた視界】道北・道東の沿岸部（稚内市、網走市、根室市など）

日本最北端の稚内市や、オホーツク海に面した網走市、日本の最も東に位置する根室市といった沿岸地域も、有力な観測候補地です。

これらの場所の最大のメリットは、北から東の方角にかけて視界を遮るものが何もないこと。

低緯度オーロラは地平線すれすれの低い空に現れるため、水平線まで見渡せる開けた環境は、淡い光を捉える上でこの上なく有利に働きます。

【穴場】初山別村（しょさんべつむら）

もしあなたが静かな環境でじっくりと観測したいのであれば、初山別村がおすすめです。

都市部から遠く離れているため人工の光による影響（光害）が極めて少なく、オーロラの微弱な光を観測するには理想的な環境が整っています。

村内には「しょさんべつ天文台」もあり、知る人ぞ知る穴場的な観測スポットです。

このように、一口に北海道と言っても、それぞれの場所で特徴が異なります。本格的な天文台で情報を得ながら観測したいか、あるいは水平線から昇るオーロラを狙いたいかなど、ご自身の観測スタイルに合わせて場所を選ぶのが良いでしょう。

本州でも観測できる可能性は？

通常、オーロラ観測の舞台は北海道ですが、歴史を振り返ると本州でも観測された記録が残っています。

日本では古くから、夜空が赤く染まる現象を「赤気（せっき）」と呼び、日本書紀にもその記述が見られます。

これは、大規模な磁気嵐によって発生した低緯度オーロラだと考えられています。

【注意】観測は極めて稀なケースです

近年で最も顕著だったのは、2024年5月11日の夜に発生した観測史上最大級の磁気嵐の際です。

この時は、北海道や東北地方はもちろんのこと、石川県の能登半島や鳥取県など、通常では考えられないような低い緯度の地域でもオーロラが撮影され、日本中を驚かせました。

しかし、これはあくまで数十年に一度あるかないかという非常に稀な天文現象です。

そのため、本州での観測に過度な期待を寄せるのは現実的ではありません。

安定してオーロラ観測を計画するのであれば、やはり確率の高い北海道を目指すのが最も賢明な選択と言えます。

2025年もオーロラ観測のチャンスあり

「なぜ最近、日本でオーロラがよく見られるの？」と疑問に思う方も多いでしょう。

その理由は、太陽活動が活発な時期に入っているからです。

太陽の活動には、約11年の周期があることが知られています。

この周期の中で、活動が最も活発になる「極大期」と、最も穏やかになる「極小期」を繰り返しているのです。

そして、現在はまさにその「極大期」のピークに向かっている最中です。

太陽活動が活発になると、オーロラの原因となる太陽フレアやCME（コロナ質量放出）が頻繁に発生します。

これにより、地球に到達する太陽風が強力になり、日本でも観測できるような大規模なオーロラが起こりやすくなるのです。

専門家の予測では、この太陽活動の活発な期間は2024年から2025年末頃まで続くとされています。

実際に2023年や2024年には、北海道で何度もオーロラが観測されました。

この傾向は2025年も続くと期待されており、まさに今が日本国内でオーロラを見る絶好のチャンスと言えます。

この貴重な期間を逃さず、ぜひ観測にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

次のチャンスは10年以上先になるかもしれません。

北海道のオーロラが見れる場所と観測のコツ

札幌市街地からでも観測は可能か

北海道の玄関口である札幌からオーロラを見たいと考える方は多いですが、残念ながら札幌の市街地からオーロラを観測するのは非常に困難です。

最大の理由は「光害（ひかりがい）」です。

低緯度オーロラの光は非常に淡く、まるで薄い赤い雲のように見えます。

そのため、街の明かりや建物の照明が空を照らしてしまうと、その弱い光は完全にかき消されてしまいます。

これはオーロラ観測において最も大きな障害の一つです。

観測を成功させるには暗闇が必須

オーロラ観測の鉄則は、「可能な限り暗い場所へ行くこと」です。

札幌市内で観測を試みるよりも、少し足を延ばして、光害の少ない郊外や山間部へ移動することを強くおすすめします。

もし車で移動できるのであれば、札幌から1時間ほどで行ける以下のような場所が候補になります。

• 石狩市の海岸線など、北側が開けている場所
• 定山渓方面など、山に囲まれて市街地の光が遮られる場所

ただし、これらの場所でも札幌の光の影響を完全に避けることは難しいため、最高の条件を求めるのであれば、やはり道北や道東の観測スポットとして知られる地域まで遠出するのが確実です。

オーロラが見れる時間は夜間が基本

オーロラ観測に適した時間帯は、当然ながら太陽が完全に沈んで空が真っ暗になる夜間です。

特に、空の暗さが最も深まる時間帯が狙い目となります。

過去の観測データや専門家の情報によると、低緯度オーロラが出現しやすいとされる具体的な時間帯は、夜20時から深夜23時頃と言われています。

もちろん、これはあくまで目安であり、磁気嵐のピークがいつ訪れるかによって出現時間は変動します。

観測のベストタイミングを見極めるポイント

• 時間帯：
  日没後、空が完全に暗くなってから。特に20時～23時は出現の可能性が高い時間帯。
• 月の影響：
  月明かりもオーロラの淡い光を隠してしまう強敵です。できるだけ月の出ていない新月の前後が観測のベストシーズンとなります。満月の夜は、月が昇る前か沈んだ後を狙うなどの工夫が必要です。
• 天候：
  当然ですが、空が雲に覆われていてはオーロラは見えません。晴天であることが絶対条件です。

これらの条件が揃うタイミングを見計らって、寒さ対策を万全にした上で、根気強く北の空を眺め続けることが観測成功への鍵となります。

今日のオーロラ情報を確認する方法

「もしかして、今日オーロラが見えるかも？」そう思ったら、リアルタイムの情報を確認することが重要です。

オーロラの出現は、太陽の活動や地磁気の状況によって左右されるため、専門機関が発信する最新データをチェックするのが最も確実な方法です。

今日のオーロラ情報を確認するためには、主に以下の情報源が役立ちます。

オーロラ情報が手に入るウェブサイト＆SNS

1. 宇宙天気予報センター (NICT)
   日本の宇宙天気研究の総本山です。ウェブサイトでは、太陽フレアや地磁気活動の現在の状況がグラフなどで詳しく解説されています。「オーロラ」の項目で、現在のオーロラ活動レベルや予測を確認できます。専門的ですが、最も信頼性の高い情報源の一つです。
2. 天文台の公式SNS (特にX)
   陸別町の「銀河の森天文台」や名寄市の「きたすばる」など、オーロラ観測に力を入れている天文台は、オーロラ出現の可能性が高まるとSNSで情報を発信してくれることがあります。実際にオーロラが観測された際には、撮影した画像をリアルタイムで投稿することも多いので、フォローは必須です。
3. ライブカメラ
   一部の天文台や自治体では、北の空を映すライブカメラを設置している場合があります。現地に行けない場合でも、カメラ越しにオーロラの出現を確認できるかもしれません。

これらの情報を複合的にチェックすることで、「今日、観測に出かけるべきか」という判断の精度を大きく高めることができます。

特に、地磁気活動を示す「K-index」という指数が「6」以上になると、低緯度オーロラが見える可能性がぐっと高まると言われています。

確実なオーロラ予報を参考にする

「今日」という直近の情報だけでなく、数日先のオーロラ出現の可能性を予測することも、ある程度は可能です。

確度の高いオーロラ予報を参考にして、事前に観測計画を立てましょう。

オーロラ予報の鍵となるのは、「CME（コロナ質量放出）」という現象です。

これは、太陽フレアに伴って、太陽からプラズマの巨大な塊が宇宙空間に放出される現象を指します。

このCMEが地球の方向に向かって放出された場合、およそ2～3日後に地球に到達し、大規模な磁気嵐を引き起こしてオーロラを発生させます。

つまり、大規模なCMEが観測されれば、その数日後にオーロラが見える可能性が高いと予測できるのです。

このような情報は、前述の「宇宙天気予報センター(NICT)」などで発表されます。

「CMEが発生し、地球へ到来する見込み」といったニュースが出たら、それはオーロラ観測のビッグチャンス到来の合図です。

予報は100%ではない

ただし、CMEが地球に到達する正確な時間や、その影響の大きさを完璧に予測することは現代の科学でも非常に難しいとされています。

.また、たとえ磁気嵐が発生しても、当日の天気が曇りや雪では観測はできません。

オーロラ予報はあくまで「可能性を高めるためのツール」と捉え、最後は天候や運も味方につける必要があることを覚えておきましょう。

観測におすすめのオーロラ鑑賞ツアー

自力で観測場所を探し、タイミングを見計らうのが難しいと感じる方には、オーロラ鑑賞に特化したツアーやイベントへの参加がおすすめです。

専門家の知識と経験を借りることで、観測の成功率を大きく高めることができます。

北海道内では、特にオーロラ観測で有名な地域が主催する以下のようなプログラムがあります。

オーロラ観測ツアー・イベントのメリット

• 最適な観測場所への案内：
  ガイドがその日の天候や光害の状況を判断し、最も条件の良い場所へ連れて行ってくれます。土地勘のない観光客にとっては最大のメリットです。
• 専門家による解説：
  オーロラの仕組みや星空について、専門のスタッフから詳しい解説を聞くことができます。ただ見るだけでなく、知識が深まることで感動も一層大きくなります。
• 機材のサポート：
  高性能な望遠鏡で星を見せてもらえたり、オーロラ撮影のコツを教えてもらえたりすることもあります。
• 安心感：
  夜間の暗い場所での単独行動は危険が伴いますが、ツアーであれば安心して観測に集中できます。防寒具のレンタルが含まれている場合もあります。

具体的なツアーとしては、陸別町や名寄市の観光協会、または各天文台が主催する観測会などが挙げられます。

これらの情報は、各自治体や天文台の公式サイトで告知されることが多いので、旅行の計画を立てる際にぜひチェックしてみてください。

特にオーロラ出現の可能性が高い日には特別イベントが開催されることもあるため、こまめな情報収集がおすすめです。

北海道のオーロラが見れる場所の総まとめ

記事のポイントをまとめます。

• 北海道で見られるのは低緯度オーロラという現象
• 色は赤く、空がぼんやりと染まるように見えるのが特徴
• 太陽活動が活発な2025年にかけては観測のチャンス
• 観測は危険な現象ではなく壮大な自然現象
• 主な観測地は陸別町、名寄市、稚内市など道北・道東エリア
• 札幌などの都市部での観測は光害のため非常に難しい
• 観測に適した時間は20時から23時頃の夜間
• 月明かりのない新月の頃がベストタイミング
• 今日の情報は宇宙天気予報や天文台のSNSで確認
• オーロラ予報はCMEの地球到来予測が鍵
• 観測の成功には晴天であることが絶対条件
• 肉眼では淡いためカメラでの長時間露光が有効
• 観測ツアーやイベントに参加するのもおすすめの方法
• 北海道のオーロラが見れる場所では防寒対策が必須
• 最終的には運も重要な要素となる神秘的な体験