こんにちは。北海道旅行&観光スポット【ii-hokkaido.com】運営者Yoyoです。道南ゆかり、家族と愛犬と北海道の四季を楽しみながら、はじめてでも迷わない旅づくりをお手伝いしています。
移動時間の目安、服装・持ち物、子連れの工夫など“現実的でムリのない”コツをやさしく解説。天気・運行・イベントは公式情報への導線で最終確認。地元目線の寄り道スポットや混雑を避ける時間帯も少しずつ更新中。旅の不安が「楽しみ」に変わるよう、ていねいに情報を整えています。
さて、「北海道でレンタカーを借りて7日間」の旅行を計画中なんですね。7日間あれば、かなり充実した旅ができそうでワクワクしますよね。でも、いざプランを立てようとすると、地図を広げた瞬間にその圧倒的な広さに言葉を失ったり、「行きたい場所」をリストアップしたら移動時間だけでパンクしそうになったりしていませんか?
「7日間で北海道一周ってできるの?」「道東の自然も、道南の函館も、札幌や富良野も全部回りたい」「子連れにおすすめのコースは?」「夏や冬の運転で注意すべきことって?」「結局、費用や予算は総額いくら?」など、広すぎる北海道ならではの現実的な疑問がたくさん出てくるかなと思います。
北海道は本当に広大なので、7日間あっても「すべてを回る」のは現実的ではありません。大切なのは、エリアを絞って「やりたいこと」と「やらないこと」を明確にすること。
この記事では、7日間のレンタカー旅行を最高のものにするための、現実的で満足度の高い3つの王道モデルコースと、失敗しないための費用、保険、車種選びの注意点について、私の知識やたくさんの失敗談(笑)も元にていねいに解説していきますね。
記事のポイント
- 7日間で巡る北海道の最適エリア別3コース
- 夏の混雑や冬の雪道運転のポイント
- レンタカー総額や予算の内訳(保険・高速代含む)
- 失敗しない車種選びと必須の保険知識
北海道のレンタカーモデルコース(7日間)3選
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「7日間」という貴重な時間で北海道をどう回るか。これが旅行プランの9割を占めると言ってもいいほど、最大の悩みどころですよね。
広すぎる北海道、欲張って「あれもこれも」と詰め込むと、毎日が運転だけで終わってしまいます。
私も計画当初は「初日は札幌、2日目は知床、3日目は函館…」なんて無謀な計画を立てて、結局ヘトヘトになった苦い経験もあります…。
成功のコツは、「やらないこと」を決めて「エリアを絞る」こと。
これが本当に大事です。
ここでは、あなたの旅の目的に合わせて選べる、王道の3つのプランを、それぞれの特徴や総走行距離の目安、そして「なぜこのプランがおすすめなのか」という理由とあわせて詳しく紹介しますね。
7日間で北海道一周は可能?

まず、多くの方が最初に抱くこの疑問から、ハッキリお答えしますね。結論から言うと、7日間で北海道をレンタカーで一周するのはほぼ不可能、もしくは「苦行」です。
北海道の面積(約83,424km²)は、九州(約36,782km²)と四国(約18,297km²)を足したよりもさらに広く、本州の主要な「都・府・県」をすべて足したよりも広いんです。例えば、海岸線に沿って単純に一周する(「浜通り」と呼ばれるルート)だけでも、総距離は2,500kmを超えます。
これを7日間で割ると、1日あたり約360km。毎日、休憩なしで5〜6時間以上運転し続ける計算になります。これは、毎日東京から大阪まで(約500km)走るのに近い感覚かもしれません。観光どころか、美味しいごはんをゆっくり食べる時間、温泉に浸かる時間すらなくなってしまいますよね。
私も計画当初は「せっかくだから一周!」なんて夢見ましたが、地図アプリで距離感を調べてすぐに断念しました。大切なのは「エリアを絞り込む」こと。これが7日間の旅を心から楽しむための、最大のカギですよ。
【道東】知床や釧路の自然を満喫

「とにかく北海道らしい、雄大な自然を全身で感じたい!」「札幌のような都市の喧騒より、果てしなく続く地平線や水平線が見たい」という方には、道東エリア(知床・釧路・阿寒・摩周)に特化したコースが、私の一番のおすすめです。
世界自然遺産の知床、日本最大の湿原である釧路湿原(ラムサール条約登録湿地)、そして摩周湖や屈斜路湖の圧倒的なカルデラ湖群。ここはまさに「手つかずの大自然」の宝庫。車窓から見える風景すべてが絶景で、移動そのものが旅の目的になるような、ドライブ好きにはたまらないエリアです。
ただし、このコースは総走行距離が1,000km~1,200kmほどになる、かなりロングドライブなプランです。観光地と観光地の間も1〜2時間かかるのが普通なので、運転そのものを楽しめる方、または時間にゆとりを持って「何もしない贅沢」を楽しめる方に向いているかなと思います。
【道東7日間】大自然満喫コース概要
- 1日目
釧路空港(たんちょう釧路空港)着 → レンタカー手配 → 釧路湿原(細岡展望台)へ。遮るもののない大パノラマに沈む夕日を鑑賞 → 阿寒湖温泉 泊 - 2日目
阿寒湖畔散策(アイヌコタンで伝統工芸に触れる) → 摩周湖(第一展望台)で「摩周ブルー」に感動。晴れたらラッキー! → 屈斜路湖(砂湯で足湯体験。自分で掘るとお湯が湧き出るかも) → 川湯温泉 泊 - 3日目
別海町経由(日本最大の「べつかいの牛乳屋さん」で一休み) → 野付半島(トドワラ)へ。“この世の果て”とも呼ばれる荒涼とした風景に感動 → 日本最東端・納沙布岬で達成感を味わう → 根室市内 泊(エスカロップなどご当地グルメも) - 4日目
根室 → 羅臼(国後展望塔から国後島を望む) → 知床峠(天候・冬期閉鎖に注意)を越えてウトロ側へ。羅臼岳の絶景が広がる → ウトロ温泉 泊 - 5日目
<世界遺産・知床 満喫デー> 午前:知床五湖(高架木道または地上遊歩道でヒグマの痕跡を探す)。グルメ:「鹿肉バーガー」や「こけももソフトクリーム」も → 午後:知床観光船(ヒグマウォッチング。遭遇率高め!) → オシンコシンの滝で涼む → ウトロ温泉(連泊で疲れを取る) - 6日目
ウトロ → オホーツク海沿いを南下し、網走へ → 「博物館 網走監獄」(思った以上に広大でリアルな歴史に触れる) → 網走 泊 - 7日目
網走 → 女満別空港へ → 空港近くの「メルヘンの丘」で最後の記念撮影(ザ・北海道な風景) → 帰路へ
【道央・道南】函館や札幌を巡る
「初めての北海道だから、人気スポットは絶対に押さえたい!」「雄大な自然もいいけど、やっぱり新鮮なグルメや名湯、ロマンチックな夜景も楽しみたい!」という方には、道央・道南エリア(札幌・小樽・函館・登別・洞爺湖)を巡るコースがぴったりです。
札幌の都会的な魅力とグルメ(ラーメン、スープカレー、ジンギスカン!)、小樽のノスタルジックな運河、函館の100万ドルの夜景、そして登別や洞爺湖といった北海道を代表する名湯。北海道の「おいしいトコどり」がすべて詰まった、最もバランスの取れた王道プランですね。総走行距離も800km~900kmと、道東に比べれば少し抑えめなのも安心ポイントです。
このコースの最大のコツは、空港の「片道利用」。例えば、新千歳空港でインして函館空港からアウト(またはその逆)にすると、Uターンする無駄な移動時間(札幌〜函館は約4〜5時間)を丸ごとカットできて、本当に効率的ですよ。
【道央・道南7日間】王道周遊コース概要
- 1日目
新千歳空港 着 → レンタカー手配 → 札幌へ(高速で約1時間) → 札幌市内(時計台・大通公園を散策、夜はジンギスカン!) → 札幌 泊
(札幌の具体的なグルメや半日観光プランも参考にしてみてくださいね) - 2日目
札幌市内観光(白い恋人パーク、二条市場など) → 小樽へ移動(約1時間) → 小樽運河・堺町通り散策(スイーツ食べ歩き) → 夜は小樽天狗山ロープウェイで港の夜景 → 小樽 泊 - 3日目
小樽 →(夏なら積丹半島で絶品ウニ丼も最高!)→ ニセコパノラマラインをドライブ(羊蹄山が美しい) → 洞爺湖(昭和新山熊牧場、サイロ展望台) → 洞爺湖温泉 泊(湖上の花火も) - 4日目
洞爺湖(有珠山ロープウェイで火山の息吹を感じる) → 登別へ移動 → 登別地獄谷(まるで地獄のような迫力) → 登別マリンパークニクス(北欧風の水族館) → 登別温泉 泊(泉質のデパート!) - 5日目
登別 → 函館へ移動(高速で約2.5~3時間) → 函館市内(五稜郭タワーで星形を堪能、ラッキーピエロでランチ) → 夕方:函館山ロープウェイで夜景 → 函館 泊 - 6日目
<函館 満喫デー> 早朝:函館朝市で海鮮丼(イカ釣りも) → 元町エリア(教会群)を散策し異国情緒を味わう → 金森赤レンガ倉庫でお土産探し → 函館(連泊) - 7日目
函館 → 大沼国定公園で散策・サイクリング(空港へ行く途中に立ち寄れる) → 函館空港でレンタカー返却 → 帰路へ
【道央・道北】子連れに人気の旭山動物園

ご家族、特に小さなお子様連れの7日間なら、道央・道北エリア(札幌・旭川・富良野・美瑛)がイチオシです。なんといっても旅のハイライトは、日本最北の動物園「旭山動物園」ですね。
動物本来の動きや能力を見せる「行動展示」は、ペンギンが空を飛ぶように泳ぐ水中トンネルや、ホッキョクグマが水に飛び込む姿、アザラシが円柱水槽を通り抜ける様子など、大人も夢中になってしまいます。一日中いても飽きない、素晴らしい動物園です。
さらに、夏のシーズン(7月~8月)なら、富良野のラベンダー畑(ファーム富田)や美瑛の「白金青い池」といった絶景スポットもセットで楽しめます。総走行距離が700km~800km程度と、3つのコースの中では最もコンパクトなのも、お子様の移動疲れを考えると嬉しいポイントかなと思います。
【道央・道北7日間】家族(子連れ)満喫コース概要
- 1日目
新千歳空港 着 → レンタカー手配 → 空港近くの「サケのふるさと 千歳水族館」(巨大な淡水水槽は圧巻)もおすすめ → トマムへ移動(高速で約1.5時間) → 星野リゾート トマム 泊(プールやアクティビティも) - 2日目
トマム(早朝、運が良ければ雲海テラス) → 富良野へ移動 → 「ファーム富田」でラベンダー畑(夏期)を満喫。メロンソフトも忘れずに → 富良野 泊 - 3日目
富良野(ニングルテラスで森の妖精探し、ふらのジャム園でジャム作り体験など) → 美瑛へ移動 → 「白金青い池」・「白ひげの滝」の絶景コンボ → 美瑛 泊 - 4D日目
美瑛(パッチワークの路・パノラマロード)をドライブ。CMやポスターで見た景色が広がる → 旭川へ移動(旭川ラーメンで腹ごしらえ) → 旭川 泊 - 5日目
終日、旭山動物園を満喫。動物の解説が聞ける「もぐもぐタイム」は公式サイトで時間を事前チェック必須!→ 旭川(連泊)
(旭山動物園の行動展示の見どころをチェックしておくと、より効率的に回れますよ) - 6日目
旭川 → 札幌へ移動(高速で約2時間) → 札幌(お菓子作り体験もできる「白い恋人パーク」が家族連れに人気) → 札幌 泊 - 7日目
札幌市内(円山動物園、大通公園でとうきびワゴンなど)で最後の滞在 → 新千歳空港へ → 帰路へ
夏の富良野・美瑛ルートの注意点

プランCで紹介した富良野・美瑛エリアですが、特に夏(7月~8月)に行かれる方は、本当に注意が必要です。ここは北海道でもトップクラスの人気観光地で、その美しさと引き換えに、ある覚悟が必要になります。
特に7月のラベンダーシーズン(特に連休) や8月のお盆時期 は、想像を絶する大渋滞が発生します。ファーム富田 や「白金青い池」 へ続く道は一本道が多いので、駐車場に入るだけで1~2時間待ち...なんてことも珍しくありません。せっかくの貴重な旅行時間が、車列の中でじっと待つだけで消えてしまうのは、本当にもったいないですよね。
夏の富良野・美瑛 攻略法
夏の富良野・美瑛を攻略するコツは、ただ一つ「早朝に行動する」こと。これが鉄則です。観光バスの大群や一般の観光客が動き出す前の、朝8時~9時には目当てのスポットに到着するような計画を立てるのがおすすめです。早朝の澄んだ空気の中、まだ人がまばらなラベンダー畑は、本当に最高ですよ。
また、この時期は宿泊費も1年で最も高騰します。レンタカーや人気の宿(特に美瑛のペンションなど)は数ヶ月前から、あっという間に予約で埋まってしまいます。旅行を決めたら、半年前から動くくらいの早めの計画が必須です。
冬の道東ドライブは可能?

「冬の道東で流氷やタンチョウを見たい」「真っ白な雪原をドライブしたい」という方もいますよね。冬(1月・2月)の7日間レンタカー旅行も不可能ではありません。冬にしか見られない、息をのむような絶景があるのも事実です。
ただし、これには非常に高いハードルがあります。それはもちろん「雪道運転」です。本州の「たまに降る雪」「スキー場の行き帰り」とは、次元が違います。
レンタカーはもちろん全車スタッドレスタイヤ標準装備ですし、4WD車も選べます。ですが、最大の敵は「装備」では対応しきれない自然現象です。
冬道運転の2大リスク
- ブラックアイスバーン
一見、濡れているだけのアスファルトや、乾いているようにさえ見える路面が、実はカチカチに凍結している状態。文字通り「黒い氷」なので、見た目ではほぼ判断できません。ブレーキを踏んだ瞬間に「ツルン!」と滑ります。橋の上やトンネルの出入り口、交差点の停止線前は特に危険です。 - 地吹雪(ホワイトアウト)
雪と強風で、一瞬で視界が真っ白になり、数メートル先の車やガードレールさえ見えなくなる現象です。こうなると、自分がどこを走っているのか、前がどうなっているのか全く分からなくなります。運転を続けるのは非常に危険です。
特に峠道(知床峠などは冬期閉鎖)は危険度が格段に増します。もし冬に運転される場合は、「急」のつく操作(急ブレーキ・急ハンドル・急発進)は絶対にしないこと、速度を十分落とすこと(夏場の感覚の半分以下)、車間距離を夏場の2倍以上とることを徹底してください。
天候が荒れたら無理をせず、安全な場所(道の駅など)で停滞する勇気も必要です。正直なところ、雪道運転の経験がまったくない方、自信がない方には、私はおすすめしにくいです...。運転が不安な場合は、JRやバスなどの公共交通機関や、冬の観光バスツアー(流氷砕氷船ツアーなど)の利用を強くおすすめします。
冬道の運転については、こちらの「北海道の冬道運転、雪道や凍結路面で気をつけることは?」の記事でも私の経験を踏まえて詳しく解説しているので、不安な方はぜひ読んでみてください。
北海道レンタカーモデルコース7日間の費用と注意点

さて、魅力的なコースが決まったら、次はお金の話ですね。7日間という長期の旅行となると、レンタカー代やガソリン代、宿泊費も結構な金額になります。
ここでは、「結局、総額いくら必要なの?」という疑問にお答えするための具体的な予算シミュレーションと、予約時に絶対に見落としてはいけない「車種選び」「高速道路」「保険」という、失敗しないための3つの重要な注意点について、詳しく解説しますね。
7日間のレンタカー総額と予算

7日間のレンタカー旅行の総額は、泊まるホテルのランクや食事内容、お土産をどれだけ買うかで本当にピンキリです。あくまで一つの目安として、「航空券抜きで1人あたり約17万円~25万円」ほど見ておくと、スタンダードな(節約すぎず、豪華すぎない)旅行ができるかなと思います。
ここでは、より具体的にイメージできるよう、主な内訳を「2名で旅行した場合の1人あたり目安」でシミュレーションしてみました。ご自身のプランと照らし合わせてみてください。
| 項目 | 費用目安(7日間・1人あたり) | 備考・根拠 |
|---|---|---|
| レンタカー代 | 約17,500円~25,000円 | コンパクトカー(週約3.5万~4万円)を2名で利用。※ハイシーズンは変動 |
| 保険・NOC補償料 | 約3,500円~7,000円 | 後述する「NOC補償」(1日1,000円~)にフル加入した場合 |
| 高速道路代 | 約6,750円 | 後述する「ドラ割」7日間プラン(普通車13,500円)を2名で利用 |
| ガソリン代 | 約10,000円~15,000円 | 走行距離800~1,200km、燃費15km/L、ガソリン170円/Lと仮定 |
| 宿泊費(6泊) | 約90,000円~120,000円 | 1泊15,000円(エコノミー)~20,000円(スタンダード)で計算 |
| 食費・お土産代 | 約42,000円~70,000円 | 1日あたり7,000円~10,000円と仮定(海鮮など食べたいものによる) |
| 合計(1人あたり) | 約170,000円 ~ 250,000円 | ※別途、往復の航空券代が必要 |
これはあくまでスタンダードなモデルケースの金額です。宿泊費をリーズナブルなビジネスホテル中心にしたり、LCCを利用したり、食費を抑えたりすれば、費用はもっと抑えることも可能です。逆に、登別や阿寒湖などの温泉旅館の露天風呂付き客室に泊まったり、高級ウニ・カニを満喫したりすれば、予算は青天井で上がっていきます。
ご自身の旅のスタイルに合わせて、メリハリをつけて予算を調整してみてくださいね。
おすすめの車種はコンパクトカー以上

レンタカーを予約するとき、料金だけ見て一番安い「軽自動車」を選んでしまいそうになりますが、7日間の長距離ドライブならコンパクトカー(1300ccクラス以上、ヤリス、フィット、ノートなど)を強くおすすめします。
レンタカー予約サイトを見ると、軽自動車(週約35,420円)とコンパクトカー(週約39,600円)の料金差は、7日間で約4,000円ほどです(※時期により変動)。この「4,000円」を節約したくなる気持ちは分かりますが、北海道の道では、この差が想像以上に大きいんです。
私がコンパクトカー以上を推す理由は、主にこの3つです。
高速道路での疲労度がまったく違う
北海道の高速道路(道央道など)は制限速度100km~120kmの区間も多いです。軽自動車(660cc)でこの速度を維持するのは、正直かなりしんどいです。エンジンが常に高回転で「ウォーン!」と唸り続け、騒音と振動で運転の疲労がかなり蓄積されます。パワーに余裕のあるコンパクトカーの方が、アクセルを軽く踏むだけでスッと巡航でき、長距離移動が圧倒的に快適です。
安全性と積載性
7日分のスーツケース(2人分以上)となると、軽自動車のトランクでは乗りきらない可能性があります。後部座席を荷物で潰すことになり、視界も悪くなりがちです。また、これは考えたくありませんが、万が一の(特に鹿などの野生動物との)衝突時の安全性を考えても、車格が大きい方が安心です。
実燃費の悪化
「軽自動車=燃費が良い」というのは、街乗りの話。高速道路で高回転を維持し続けると、軽自動車はかえってカタログ燃費より大幅に悪化し、ガソリン代が思ったよりかかる可能性もあります。結果的に、パワーに余裕のあるコンパクトカーと総コスト(レンタル代+ガソリン代)があまり変わらなかった、なんてこともあり得ます。
約4,000円の差額で、7日間の旅の快適性と安全性が格段に上がるなら、コンパクトカーを選ぶ価値は十分あると私は思いますよ。
高速道路はドラ割で節約
7日間も走り回ると、高速道路代も気になりますよね。特にプランB(道央・道南)やプランC(道央・道北)のように、札幌近郊や都市間を移動するルートでは高速道路の利用が必須です。そんな時、NEXCO東日本が提供している「ドラ割 北海道ETCふりーぱす」というお得な乗り放題プランがあります。
これはETCカード利用が必須(レンタカーと一緒にETCカードもレンタルできます)ですが、例えば普通車なら7日間 13,500円で、対象エリアの高速道路が乗り放題になります(2024年度の例)。個別に支払うよりほぼ確実に安くなるので、利用可能期間であればほぼ必須と言っていいかもしれません。
ただし、重大な注意点があります。この「ドラ割」には利用停止期間が設定されているんです。
特に、家族連れが一番利用したいであろう「夏休み期間(7月下旬~8月のお盆前後)」が対象外になる可能性が非常に高いです。また、年末年始や一部の連休も対象外となっています。
ご自身の旅行日程が利用可能期間に含まれているか、出発前に必ず公式サイトで最新情報を確認してくださいね。(出典:NEXCO東日本 ドラ割)
(ちなみに、訪日外国人の方には「Hokkaido Expressway Pass (HEP)」という、夏休み期間も使える別の専用パスが用意されています。)
保険とNOC補償は加入必須

レンタカー予約で、私が一番重要だと考えているのに、見落とされがちなのが「保険」です。旅費を節約したい気持ちは分かりますが、ここだけは絶対にお金をケチってはいけません。これは絶対に読み飛ばさないでください!
レンタカーの予約画面を見ると、いろいろな補償プランがあって分かりにくいですよね。多くの人が、基本料金に含まれる保険や、オプションの「免責補償制度(CDW)」に入れば、それで万全だと思いがちですが、実はそれだけでは不十分なんです。
基本料金に含まれる「保険補償」
これは、対人・対物・車両・人身傷害の基本的な補償です。ただし、これには「免責額(自己負担額)」があり、例えば対物事故で5万円、車両事故で5万円は、利用者が払わなければなりません。
オプション①「免責補償制度(CDW)」
そこで、上記1.の「免責額(自己負担額)5万円」などを免除してもらえるのが、このオプションです。1日1,000円~1,500円程度で加入できるので、ほとんどの方がこれに加入します。しかし、これでもまだ落とし穴があります。
恐怖の「NOC(ノンオペレーションチャージ)」
もし事故や故障(鹿との接触、タイヤのパンク、車内の飲みこぼし汚れ、キーの閉じ込めなど)を起こして、その車が修理や清掃で使えなくなった場合、「NOC(ノンオペレーションチャージ)」という営業補償金(ペナルティ)が「免責補償(CDW)」とは“別”に請求されます。
- 自走して予定の店舗に返却できた場合: 20,000円
- 自走できず、レッカー等になった場合: 50,000円
大事なことなので繰り返しますが、これは「免責補償(CDW)」に入っていても、関係なく請求されてしまうお金です。
結論:加入すべき「NOC補償パック」(オプション②)
そこで絶対に加入してほしいのが、このNOC(2万円または5万円)の支払い自体を“免除”する、さらなる追加オプション(「レンタカー安心パック」、「NOC補償」、「ワイド補償」など、レンタカー会社によって呼称は異なります)です。
1日1,000円~1,500円程度(7日間で約7,000円~)の追加費用を惜しんで、50,000円のリスクを負うのは賢明ではありません。野生動物(特に鹿)の飛び出しや慣れない長距離運転による疲労、冬の雪道など、北海道はNOCが発生するリスクが他県より格段に高いです。
【結論】「免責補償(CDW)」と「NOC補償パック」の両方に加入する。
これが、北海道でレンタカーを借りる上での「常識」だと、私は強く、強くおすすめします。
完璧な北海道レンタカーモデルコース7日間を
北海道での7日間のレンタカー旅行は、計画が本当に大切です。広大な大地だからこそ、「エリアを絞る」勇気を持つことで、無駄な移動時間を節約し、そのぶん観光やグルメ、温泉の時間をたっぷり確保できます。
今回ご紹介した3つのモデルコース(道東、道央・道南、道央・道北)は、あくまで王道の一例です。これを参考に、ご自身の「北海道で何がしたいか」「誰と行くのか」を当てはめて、あなただけの完璧な北海道レンタカーモデルコース7日間を組み立ててみてください。
そして、出発前には、予算や車種選び、特に保険(NOC補償)の準備をしっかりして、安全で快適なドライブを楽しんでくださいね。天候や道路状況は本当に変わりやすいので、NEXCOのサイトや現地の天気予報などで、最新情報を常に確認することも忘れずに。
あなたの北海道旅行が、一生の思い出に残る素晴らしいものになりますように!
参考