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2月の北海道で飛行機が飛ばない?欠航率の真実と3つの回避対策

2月の北海道で飛行機が飛ばない?欠航率の真実と3つの回避対策
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こんにちは、北海道旅行&観光スポット【ii-hokkaido.com】運営者Yoyoです。

雪まつりや流氷観光など、冬の北海道が一番盛り上がりを見せる2月ですが、旅行を計画する中で一番気がかりなのは、やはり「飛行機がちゃんと飛ぶのかどうか」ではないでしょうか。

ニュースで見るような猛吹雪やホワイトアウトの映像を目にすると、「もし現地で足止めを食らったら…」と不安になってしまうのは当然のことです。

実は、私自身も過去に空港で一夜を明かした苦い経験があります。

しかし、長年この北国で暮らし、幾度となく冬のフライトを利用する中で、「欠航しやすい日には明確な予兆があること」や「万が一の時にどう動けばダメージを最小限に抑えられるか」というコツがわかってきました。

ただ闇雲に恐れるのではなく、正しい知識と準備さえあれば、冬の北海道旅行は決して怖いものではありません。

この記事では、ガイドブックには載っていない地元のリアルな肌感覚と、私が実践している「飛行機が飛ばない日の回避術&サバイバル術」を余すことなくお伝えします。

「知っている」というだけで、旅の安心感は驚くほど変わりますよ。

記事のポイント

  • 2月の新千歳空港で欠航が多発する気象条件と確率の目安
  • 飛行機が飛ばないことが決まった瞬間に誰よりも早く取るべき行動
  • JRやバスも全滅した場合に残された最終的な脱出ルート
  • もしもの延泊に備えて知っておきたい費用負担と保険の賢い活用法 
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2月の北海道で飛行機が飛ばない確率と理由

北海道旅行&観光スポット【ii-hokkaido.com】・イメージ
  • 新千歳空港の2月の欠航率の真実
  • 爆弾低気圧による暴風雪のリスク
  • ホワイトアウト等の視界不良の影響
  • 運航判断となる風速や視程の基準
  • ライブカメラで確認する現在の状況

「冬の北海道なら雪で欠航するのは当たり前」と思われがちですが、実は単純に「雪が降っているから飛ばない」というわけではありません。

しんしんと雪が降る程度であれば、空港の除雪隊による神業的な作業(なんと数十分で滑走路一本を綺麗にします!)によって、定刻通りに飛ぶことの方が多いのです。

では、なぜ2月はこれほどまでに「飛ばない」イメージが強いのでしょうか。

それには、この時期特有の「風」と「気温」、そして新千歳空港ならではの地理的要因が複雑に絡み合っています。

まずは敵を知ることから始めましょう。

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新千歳空港の2月の欠航率の真実

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2月の新千歳空港は、1年の中で最もフライトの運航判断がシビアになる時期のひとつです。

よく「北海道の冬は毎日雪だから、飛行機も慣れているでしょう?」と聞かれますが、実は1月(厳冬期)と2月では、欠航のリスク要因が少し異なります。

1月は気温が低く雪が軽いため(パウダースノー)、除雪さえ追いつけば運航できることが多いのですが、2月に入ると季節の変わり目で気圧配置が不安定になります。

南からの湿った空気と北からの寒気がぶつかり合うことで、重たい雪や猛烈な暴風が発生しやすくなるのです。

「午後から急変」という2月の罠

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国土交通省が公表しているデータを見ても、北海道方面の路線の欠航率は冬季に明らかに上昇しますが、数字以上に私たちが警戒しているのが「天候の急変」です。

私の体感としては、2月は「朝起きた時は快晴だったのに、お昼過ぎから急に空が暗くなり、夕方には猛吹雪で全便欠航」というパターンが非常に多いです。

これは、当日の風向きが少し変わるだけで、日本海側から流れ込む雪雲の帯(収束線)が空港を直撃するためです。

狙い目は「朝一番」の便

統計的にも、午後や夜の便に比べて、午前中(特に朝一)の便の方が就航率が高い傾向にあります。

午後の便は、その日の天候悪化の影響を受けやすいだけでなく、前の便からの「遅延の蓄積」によって欠航になるリスクが高まるからです。

LCCを選ぶなら知っておきたい「機材繰り」のリスク

旅費を抑えられるLCC(格安航空会社)は魅力的ですが、2月の北海道旅行ではリスク管理が必要です。

大手航空会社(ANAやJAL)は予備の機材や人員を持っていますが、LCCはギリギリの機材数で効率よく回すことで安さを実現しています。

そのため、例えば「新千歳は晴れたけれど、機材が来るはずの関西空港が悪天候で飛べない」といった場合、代わりの飛行機を用意できず、現地の天候が回復しても欠航になるというケース(いわゆる機材繰り欠航)が多発します。

一度ダイヤが乱れると、その影響が夜まで、あるいは翌日まで尾を引くのがLCCの宿命です。

(出典:国土交通省『航空輸送サービスに係る情報公開』

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爆弾低気圧による暴風雪のリスク

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2月の北海道旅行において、最も警戒レベルを上げなければならない気象現象、それがニュースでもよく耳にする「爆弾低気圧」です。

これは単なる低気圧ではなく、中心気圧が24時間で24hPa以上も急激に低下し、「冬の台風」とも呼ばれるほどの猛烈なエネルギーを持った低気圧のことを指します。

なぜ2月に多いのかというと、真冬の冷たい空気と、春に向けて入り込んでくる南からの暖かい空気がぶつかり合う時期だからです。

この温度差がエネルギーとなり、北海道付近で爆発的に発達してしまうのです。

「いつもの雪」と「爆弾低気圧」の決定的な違い

特徴通常の冬型(西高東低)爆弾低気圧(2月に頻発)
風向きと強さ北西の風が一定に吹く(予測しやすい)全方位から台風並みの暴風(予測困難な乱気流)
継続期間強弱はあるが半日程度でピークを越えることが多い動きが遅く、丸2日〜3日間影響が長く続く
空港への影響除雪による一時閉鎖や遅延で済むことが多いほぼ確実に全便欠航し、空港機能が完全停止する

なぜ「除雪」しても飛べないのか?

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「北海道の空港なんだから、除雪体制は万全でしょう?」と思われるかもしれません。

確かに新千歳空港の除雪能力は世界屈指ですが、爆弾低気圧がもたらすのは雪だけではなく「猛烈な暴風」です。

風速20m/sを超えるような暴風下では、除雪車を出動させること自体が作業員の命に関わるため、除雪作業そのものが中断されます。

また、仮に滑走路の雪を退かしても、強風で舞い上がった雪ですぐに埋まってしまったり、横風制限値を超えてしまったりするため、物理的に離着陸が不可能になるのです。

この時期、天気予報で「数年に一度の猛吹雪」「不要不急の外出は控えて」「暴風雪警報」という言葉を聞いたら、それは決して大げさな表現ではありません。

「もしかしたら飛ぶかも」という期待は捨て、即座に「飛ばない前提」での行動に切り替える決断力が求められます。

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ホワイトアウト等の視界不良の影響

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北海道民の私たちが、冬の運転や生活で最も恐れている現象、それが「ホワイトアウト」です。

これは単に「雪がたくさん降って見えにくい」というレベルではありません。

猛吹雪や地吹雪によって視界が完全に真っ白になり、上下左右の感覚すら失ってしまう「白い闇」の状態を指します。

特に恐ろしいのは、「空からは雪が降っておらず、頭上には青空が見えているのに発生する」という点です。

地面に積もった軽いパウダースノーが強風で巻き上げられ(地吹雪)、人の目線の高さだけを白いカーテンのように覆い尽くしてしまうのです。

なぜ「着陸できるはず」なのに欠航になるのか?

実は、新千歳空港は日本でもトップクラスの高性能な着陸誘導装置(ILS)を備えており、パイロットの目視に頼らずとも、電波の力で滑走路へ安全に着陸できる能力を持っています。

「じゃあ、なんで欠航になるの?」と思いますよね。

ここには、あまり知られていない「地上走行(タキシング)の限界」という壁があるのです。

着陸できてもターミナルへ行けないジレンマ

いくら滑走路に降りられても、そこからターミナルビルまでの複雑な誘導路は、パイロットが目で見て運転しなければなりません。

ホワイトアウトで誘導路の黄色い線やライトが見えないと、誤って雪の中に突っ込んでしまう危険があるため、飛行機は一歩も動けなくなってしまうのです。

さらに、飛行機の運航を支える地上のスタッフ(グランドハンドリング)の安全確保も重要な判断基準です。

視界がゼロに近い状態では、貨物の搭載車両や給油車、そして何より重要な除雪車が衝突事故を起こすリスクがあるため、すべての地上作業がストップします。

新千歳空港は、石狩平野という「風の通り道」の南端に位置しており、札幌市内が穏やかな晴れ模様でも、空港だけがこの局地的な地吹雪に見舞われることが多々あります。

「札幌はこんなに晴れているのに、なんで飛行機が飛ばないんだ!」と感じる時は、空港の現場ではこのホワイトアウトと必死に戦っている最中なのかもしれません。

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運航判断となる風速や視程の基準

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では、具体的にどのくらいの悪天候ならアウトなのでしょうか。

航空会社や機種によって細かな規定(オペレーションスペック)は異なりますが、私たち利用者が天気予報を見る際の目安を知っておくと、心の準備ができます。

特に注意すべきは「横風」

飛行機は向かい風には強いですが、横風にはめっぽう弱いです。

新千歳空港の滑走路は南北に伸びているため、北風には強いのですが、低気圧の通過に伴う東や西からの強い風(横風)には脆弱な構造をしています。

さらに、滑走路が雪や氷で滑りやすくなっている冬場は、安全のために許容される横風の制限値が厳しくなります。

また、空港までの移動中に転倒して怪我をしてしまっては元も子もありません。

雪道の移動や空港での待ち時間も考慮して、足元の装備は万全にしておく必要があります。

北海道旅行にはどんなブーツが必要?おすすめ冬靴と購入時期を解説

運航可否の目安(イメージ)

  • 風速(横風成分)
    10m/sを超えると遅延や条件付き運航の可能性大。15m/sを超えると欠航濃厚。
  • 滑走路の状態
    シャーベット状の雪(スラッシュ)が積もると、ブレーキ性能が落ちるため、少しの風でもNGになります。
  • 視程(見える距離)
    数百メートル先が見えない状態だと、地上での移動ができず待機となります。

天気予報アプリを見る際は、単に「雪マーク」を見るのではなく、新千歳空港(千歳市)の「風速」と「風向き」をチェックしてください。

横風が強まりそうなら、早めの変更や移動をおすすめします。

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ライブカメラで確認する現在の状況

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出発前や空港へ向かうJR・バスの中で、私が真っ先に確認するのが「ライブカメラ」です。

航空会社の公式サイトやアプリに出る「天候調査中」という文字は、残念ながら「今は決められないから待っててね」という意味しか持ちません。

しかし、現地の映像は嘘をつきません。

STV(札幌テレビ)やHBC(北海道放送)などがYouTubeで24時間配信している新千歳空港のライブカメラ映像こそが、今の空港の状況を最も早く、正確に教えてくれる「最強の情報源」なのです。

映像をチェックする際の「プロ視点」3つのポイント

ただ漫然と画面を眺めるのではなく、空港スタッフの動きに注目することで、今後の展開を予測することができます。

  • 飛行機の動きとスタッフ
    駐機している飛行機の周りに、オレンジ色の作業車(除氷車)や、グランドハンドリングスタッフの姿はありますか?もし人の気配が全くなく、機体に雪が積もるがままになっているなら、地上作業自体が危険でストップしている証拠です。
  • 除雪車の「編隊走行」
    滑走路に数十台の除雪車が隊列を組んで入っていくのが見えたら、それは「空港側はまだ諦めていない(飛ばそうとしている)」というポジティブなサインです。ただし、この除雪作業(約20〜30分)の間は滑走路が閉鎖されるため、離着陸はストップします。
  • 視界の「奥行き」
    手前の飛行機は見えても、奥の管制塔や滑走路のライトが霞んで見えない場合は、視程障害(RVR不足)で着陸できません。上空で旋回待機している便が、燃料切れで引き返す(ダイバートする)可能性が高まります。

「天候調査中」+「映像で猛吹雪」= 即・ホテル確保!

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もしアプリで「天候調査中」のアナウンスが出ている時に、ライブカメラを見て「画面が真っ白で何も見えない」状態だったら、それは「飛べない可能性が極めて高い」という確定的なシグナルです。

この情報をいち早く掴むことの最大のメリットは、「空港に着く前に引き返す」あるいは「空港カウンターで欠航が決まる前に、スマホでホテルを押さえる」という先手が打てることです。

ライバルたちがカウンターのアナウンスを待っている間に、ライブカメラの情報で次の行動を決める。

これが冬の北海道旅行を生き抜くテクニックです。

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2月の北海道で飛行機が飛ばない時の対処法

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  • 振替便の確保と手続きの優先順位
  • 欠航時のホテルの確保と宿泊費
  • JR北海道の運休基準と計画運休
  • 高速バスやフェリー等の代替手段
  • ツアーやLCC利用時の注意点
  • 2月の北海道で飛行機が飛ばない事態への備え

どんなに準備をしていても、自然の猛威には勝てません。

もし実際に「欠航」が決まってしまったら、そこからは時間との勝負、まさにサバイバルです。

空港のカウンターに行列ができる前に、スマホ一つでできる「生存戦略」を実践しましょう。

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振替便の確保と手続きの優先順位

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空港のロビーに無情な「欠航」のアナウンスが流れた瞬間、そこは数百人、数千人の旅行者による椅子取りゲームの会場と化します。

ここで多くの人がパニックになり、反射的にやってしまう最大のミスが、「航空会社のカウンターに行列を作ること」です。

はっきり言います。

その列には絶対に並ばないでください。

カウンターで数時間立ち尽くしている間に、Web上では全国のユーザーが一斉にアクセスし、貴重な振替便の空席が秒単位で埋まっていきます。

何より残酷な事実は、「カウンターのスタッフが見ている空席状況の画面と、あなたのスマホで見られる画面は全く同じ」だということです。

並んで直接頼み込んでも、Webに出ていない「隠し在庫」が出てくることはありません。

勝つための初動アクション「鉄の3ステップ」

  1. その場で立ち止まり、即座にスマホで操作する
    カウンターへ走るのではなく、壁際でもいいので立ち止まり、航空会社のアプリか公式サイトを開きます。ログインIDとパスワードは事前にメモか保存しておきましょう。ここでのログインの手間取りが命取りになります。
  2. 「当日」にこだわらず「翌日以降」を確保する
    欠航が決まった当日の別便は、すでに満席か、同じ天候理由で飛べない可能性が高いです。潔く「翌日の朝一番の便」を検索し、確保ボタンを押してください。
  3. 「旭川空港」という最強の迂回ルートを検索する
    もし新千歳発着便が数日先まで満席なら、検索条件を「旭川(AKJ)発」に変えてみてください。旭川空港は除雪能力が極めて高く、就航率99%を誇る雪に強い空港です。札幌から旭川へはJR特急(ライラック・カムイ)で約1時間半。新千歳で待ちぼうけを食らうより、移動して飛んだ方が早いケースが多々あります。

特に2月は、雪まつりやスキー客で通常の便も混雑しています。

「電話で問い合わせよう」と思っても、ナビダイヤルで何十分も待たされ、繋がった頃には全て満席…というのがお決まりのパターンです。

Web操作こそが、この混乱から最速で脱出するための唯一確実なチケットなのです。

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欠航時のホテルの確保と宿泊費

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振替便の手配と並んで、いや、状況によってはそれ以上に最優先で確保しなければならないのが「今夜の寝床」です。

欠航のアナウンスが流れた瞬間、数千人の旅行者が一斉にスマホを取り出し、ホテル予約サイトにアクセスします。

空港直結の「エアターミナルホテル」や「ポルトムインターナショナル」、そして千歳駅周辺のビジネスホテルは、大げさではなくものの数分で満室(Sold Out)になります。

「航空会社がなんとかしてくれる」は大間違い

ここで冷酷な現実をお伝えしなければなりません。

台風や大雪といった「天候事由(不可抗力)」による欠航の場合、航空会社からホテルの手配や宿泊費の補償は一切ありません。

どんなにカウンターで「困ります!」と訴えても、無い袖は振れません。

「空港が毛布や寝袋を出してくれる」という話も聞きますが、それは硬くて冷たいロビーの床で雑魚寝をすることを意味します。

暖房が効いていても、真冬の空港の夜は底冷えしますし、照明も明るいまま。

体力を激しく消耗するため、家族連れや体力に自信のない方には絶対におすすめできません。

千歳がダメなら「南」へ逃げろ!

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千歳市内のホテルが全滅だった場合、諦めるのはまだ早いです。

多くの人は「札幌へ戻ろう」と考えますが、JRが運休していると札幌への移動手段(バス・タクシー)は長蛇の列です。

そこで私がおすすめするのは、「苫小牧(とまこまい)方面」へ南下するという選択肢です。

苫小牧は千歳から電車やタクシーで30分ほどの距離にあり、ビジネスホテルも充実しています。

札幌方面に比べて競争率が低く、意外と空室が残っている「穴場エリア」なんです。

いざホテルが取れたとしても、着替えや洗面用具がスーツケースの奥底に入っていると、空港のロビーで荷物を広げる羽目になります。

もしもの延泊に備えて、1泊分のセットは手荷物に入れておくか、取り出しやすい場所にパッキングしておくとスマートですよ。

北海道旅行で持っていけばよかった持ち物リストと便利なアイテム

【重要】クレジットカードの保険を確認!

痛い出費となる延泊費用ですが、お持ちのクレジットカードに「航空機遅延費用特約」(国内旅行傷害保険)が付帯していれば、救世主になります。

  • 内容
    欠航で生じた「宿泊費」や「食事代」を補償(上限1〜2万円程度が一般的)。
  • 条件
    「4時間以上の遅延」や「代替便が翌日」など条件あり。
  • 必須
    後で保険会社に請求するために、「ホテルの領収書」「食事のレシート」は絶対に捨てずに持ち帰ってください!
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JR北海道の運休基準と計画運休

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「飛行機が欠航になっても、とりあえずJR(快速エアポート)で札幌市内へ移動して遊ぼう」と考える方も多いですが、ここには非常に大きな落とし穴があります。

飛行機が欠航するレベルの猛吹雪や暴風雪下では、JRも同時に止まっている可能性が極めて高いのです。

かつては「雪に強いJR北海道」と言われていましたが、2022年に札幌圏で発生した大規模な立ち往生事故を教訓に、現在は方針を大きく転換しています。

無理に運行して乗客を缶詰にするよりも、安全確保のために早めに「計画運休(予防運休)」を実施するようになったのです。

新千歳空港駅が孤立しやすい「盲腸線」の弱点

特に知っておいていただきたいのが、新千歳空港駅特有の構造的な弱点です。

この駅は、札幌と苫小牧を結ぶ「千歳線」の本線から枝分かれした、行き止まりの路線(いわゆる盲腸線)になっています。

この構造のため、一度大雪で線路が埋まってしまうと、除雪車両の出入りや方向転換が難しく、復旧までに膨大な時間がかかります。

また、駅のポイント(分岐器)に雪が挟まって切り替わらなくなる「ポイント不転換」も頻発し、これが起きると空港から一歩も出られない状態に陥ります。

「間引き運転」時こそ要注意!

完全に運休にならず、本数を5割〜7割程度に減らす「間引き運転」が行われることがあります。

一見動いているので安心しがちですが、これが実は一番の曲者です。

数千人の滞留者が少ない列車に殺到するため、空港駅では「改札制限」がかかり、改札を通るまでに数時間待ち、やっとホームについても満員で乗れない…という地獄のような状況が発生します。

運休情報はどこで見るのが最速か?

JR北海道の公式サイトにある「列車運行情報」はもちろんですが、緊急時に最も頼りになるのは、JR北海道の公式X(旧Twitter)アカウントです。

公式サイトの更新にはタイムラグがある場合でも、Xでは現場の担当者が「これから除雪に入ります」「〇〇駅でポイント点検中です」といったリアルタイムの状況や、翌日の計画運休の予兆をいち早く発信してくれることがあります。

冬の北海道旅行中は、必ずフォローしておくことを強くおすすめします。

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高速バスやフェリー等の代替手段

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「JRが止まったらバスで行けばいい」と考えるのが自然ですが、残念ながら2月の北海道ではその常識が通用しないことがあります。

JRが計画運休を決めるような暴風雪の日は、並行して走る高速道路(道央自動車道)も高確率で「通行止め」になるからです。

都市間高速バスの「共倒れ」リスク

高速道路が閉鎖された場合、都市間バスは一般道へ迂回して運行を続けることもありますが、これはあくまで「視界が確保できている場合」に限られます。

ホワイトアウトが発生するような状況では、バス会社も安全のために全便運休を決定します。

また、仮に運行したとしても、普段なら1時間で着く道のりが、雪道の大渋滞で4〜5時間かかることもザラです。

「いつ着くかわからないバス」に缶詰になるのは、トイレ休憩の確保も難しく、体力的にもかなり過酷な試練となります。

隠れた最強の切り札「太平洋フェリー航路」

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そんな空も陸も八方塞がりの状況下で、最後の砦として機能するのが「フェリー」です。

特に強いのが、苫小牧港から出る「太平洋航路(仙台・大洗行き)」です。

北海道の冬は西風(日本海側からの風)が強烈ですが、北海道の背骨にあたる日高山脈が壁となり、太平洋側は嘘のように波が穏やかなことが多いのです。

飛行機が全便欠航し、JRも止まっている中で、大型フェリーだけは何事もなく定刻通り出航していく…という光景を、私は何度も見てきました。

主な太平洋航路(苫小牧西港発)

  • 商船三井さんふらわあ
    苫小牧 ⇒ 大洗(茨城)|首都圏への帰宅に最適(夕方便・深夜便あり)
  • 太平洋フェリー
    苫小牧 ⇒ 仙台・名古屋|東北・中部方面へ(夜便)
  • シルバーフェリー
    苫小牧 ⇒ 八戸(青森)|新幹線への乗り継ぎルート(1日4便あり本数が多い)

空港から港への「ラストワンマイル」をどう埋めるか

このルートの最大の難関は、「新千歳空港から苫小牧港(フェリーターミナル)までどうやって移動するか」です。

距離にして約25km。

JRやバスが止まっているなら、手段はタクシーしかありません。

【究極の脱出ルート】

新千歳空港 ⇒(タクシー約40分/約8,000円〜10,000円)⇒ 苫小牧西港フェリーターミナル ⇒(フェリー泊)⇒ 翌日に関東・東北へ到着

※苫小牧には「西港」と「東港」があります。

大洗・仙台・八戸行きは「西港」ですので、タクシーの運転手さんに行き先を告げる際は間違えないように注意してください!(東港へ行ってしまうと取り返しがつきません)

時間はかかりますが、動かない空港でストレスを抱えて待つよりも、広々とした船の大浴場に入り、ベッドで足を伸ばして寝ている間に本州へ進めるというのは、精神衛生上とても良い選択肢です。

「どうしても明日中に本州へ帰らなければならない」という時の切り札として、頭の片隅に入れておいてください。

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ツアーやLCC利用時の注意点

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北海道旅行の費用を少しでも抑えたいとき、LCC(Peach、Jetstar、Spring Japanなど)や、旅行会社の格安パックツアーは非常に魅力的です。

しかし、天候リスクが極大化する2月の北海道においては、その「安さ」と引き換えに「リカバリー能力の低さ」という大きなリスクを背負っていることを忘れてはいけません。

厳しい言い方になりますが、欠航が起きた際、大手航空会社(FSC)の乗客が手厚いサポートを受けている横で、LCCやツアー客は「自力でなんとかしてください」と突き放される場面を何度も見てきました。

LCC利用者が直面する「3つの壁」

【壁1】振替の選択肢が極端に少ない

ANAやJALなら、自社便だけでなく提携航空会社への振替や、臨時便を飛ばすなどの対応力があります。

一方、LCCは原則として「自社の後続便」にしか振替できません。

そもそも便数が少ないため、翌日も翌々日も満席で、振替できるのが「5日後」なんていう絶望的なケースもあり得ます。

【壁2】他社便・新幹線への補償ゼロ

「じゃあ、他社の便で帰ります」と言っても、その差額は補償されません。

払い戻しは受けられますが、あくまで購入時の金額(数千円〜1万円程度)だけ。

当日の大手キャリアの正規運賃(片道4〜5万円)を買い直すには、莫大な追加出費が必要になります。

【壁3】「機材繰り」による欠航が多い

前の見出しでも触れましたが、LCCは予備機材を持たないため、北海道が晴れていても、機材の出発地(関西や成田など)が遅れると、玉突き事故的に欠航になります。

パックツアー(飛行機+宿)の落とし穴

旅行会社経由で申し込んだパックツアーの場合、さらに複雑な問題が発生します。

空港カウンターで変更をお願いしても、「このチケットは旅行会社用の特別運賃(IT運賃)なので、航空会社の窓口では一切触れません。購入元の旅行会社へ連絡してください」と断られるケースが大半です。

ここで最大の問題となるのが、「旅行会社の営業時間」です。

夜の欠航で旅行会社の電話窓口が閉まっていると、翌朝10時の開店まで何もできません。

その間に航空会社のWebサイトでは空席が埋まっていくのを、指をくわえて見ているしかない…という事態に陥ります。

冬の北海道、特に2月に行くなら、数千円高くても大手航空会社(ANA/JAL)を選ぶか、LCCを使うなら「もし飛べなかったら、数万円払って自力で帰る」という覚悟と予備費を持って挑むことが重要です。

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2月の北海道で飛行機が飛ばない事態への備え

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最後に、私が考える2月の北海道旅行を楽しむための最大の秘訣をお伝えします。

それは、「帰れないかもしれない日」をあらかじめスケジュールに組み込んでおくことです。

帰着予定日の翌日に、絶対に外せない大事な会議や結婚式などの予定を入れない。

1日は「予備日」として空けておく。

これだけで、もし欠航になっても「もう一泊北海道の美味しいものが食べられる!」とポジティブに捉える心の余裕が生まれます。

自然相手に「絶対に飛んでほしい」と祈るよりも、「飛ばなかったら空港の温泉に入って、ラーメンを食べてゆっくりしよう」と構えているくらいが、北海道の冬旅にはちょうどいいのかもしれません。

もしものための持ち物チェックリスト

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空港での長時間待機や、急な宿泊に備えて、手荷物には以下を入れておきましょう。

  • モバイルバッテリー&充電器
    情報収集の命綱です。コンセント難民にならないように。
  • 防寒着の予備・大判ストール
    夜の空港ロビーは冷え込みます。室内でも温度調整できる服装がベストです。
  • 少し多めの現金
    停電時やシステムの不具合で、電子マネーやカードが使えなくなることがあります。
  • 常備薬
    1〜2日分多めに持っておくと安心です。

北海道の室内は暑い!冬観光で失敗しない服装と靴の正解完全ガイド

しっかりとリスクを知り、準備をしておけば、冬の北海道は白銀の世界と最高のグルメが待っている素晴らしい場所です。

皆さんの旅が、安全で素敵な思い出になることを心から願っています!

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  • この記事を書いた人

yoyo

運営者Yoyoです。道南ゆかり、家族と愛犬と北海道の四季を楽しみながら、はじめてでも迷わない旅づくりをお手伝いしています。移動時間の目安、服装・持ち物、子連れの工夫など“現実的でムリのない”コツをやさしく解説。天気・運行・イベントは公式情報への導線で最終確認。地元目線の寄り道スポットや混雑を避ける時間帯も少しずつ更新中。旅の不安が「楽しみ」に変わるよう、ていねいに情報を整えています。

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