北海道旅行&観光スポット【ii-hokkaido.com】 運営者Yoyoです。
北海道の結婚式に招待されたとき、真っ先に悩むのが服装やマナーのことではないでしょうか。
本州とは違う「会費制」という独特のシステムや、冬の厳しい寒さの中でどうやってドレスアップすればいいのか、相場や持ち物も含めて不安になるのは当然のことです。
私自身も初めて出席したときは、「本当にご祝儀袋はいらないの?」「雪道でパンプスなんて無理じゃない?」と戸惑った経験があります。
でも実は、北海道には独自のウェディング文化と、過酷な気候に合わせた理にかなったルールが存在するのです。
この環境で大切なハレの日を心からお祝いするために必要な知識を、私の実体験を交えてわかりやすくお伝えしますね。
記事のポイント
- 会費制ウェディングにおける金額相場と服装の基本マナー
- 招待状にある平服や1.5次会の正しい解釈とコーディネート
- 冬の雪道でも転ばず会場でスマートに振る舞うための靴選び
- 北海道特有の気候に合わせた季節ごとの服装戦略
北海道の結婚式での服装と会費制マナー

- 会費制でもカジュアルはNGで正装が基本
- 1.5次会の平服は略礼装を意味する
- 女性の服装で袖ありドレスが選ばれる理由
- 男性の服装はスーツとネクタイが必須
- 親族の服装は両家の格を揃えるのが重要
北海道の結婚式は「会費制」が主流ですが、だからといって服装までカジュアルで良いわけではありません。
ここでは、道外からのゲストが勘違いしやすいポイントや、北海道ならではの合理的なマナーについて、基本からしっかり解説していきます。
会費制でもカジュアルはNGで正装が基本

北海道の結婚式最大の特徴といえば、やはり「会費制」です。
招待状に「会費 18,000円」などと金額が明記されており、ゲストはその金額だけを用意して当日会場へ向かいます。
驚愕!ご祝儀袋はいりません
道外から初めて参加される方が最も戸惑うのが、受付での振る舞いです。
本州では「ピン札を用意して、豪華なご祝儀袋に入れて、袱紗(ふくさ)に包んで…」というのがマナーですが、北海道の会費制ではこれらが一切不要です。
受付では、「財布から現金をそのまま出し、係の目の前でお金を数えて手渡す」のが正解です。
ご祝儀袋に入れて渡すと、受付の方が中身を確認するためにその場で袋を開封しなければならず、かえって手間をかけてしまうことになります。
綺麗な新札である必要もありませんが、あまりにシワシワなお札は避けた方がスマートですね。
「会費が安い=カジュアル」の大誤解
ここで多くの人が陥る罠があります。
「会費が1万円台なら、二次会みたいなカジュアルなパーティーなのかな?」という勘違いです。
確かにご祝儀の相場(3万円〜)に比べれば負担は軽いですが、これは北海道の開拓時代からの「相互扶助(助け合い)」の精神に基づくものであり、結婚式の格式(グレード)自体を下げる意味では決してありません。
会場は一流ホテルや格式ある専門式場であることがほとんどで、提供される料理もフルコースです。
つまり、「支払う金額はリーズナブルでも、求められる服装マナーは全国共通のフォーマル」なのです。
絶対NGな服装例
「会費制だから気楽でいいよ」という言葉を真に受けて、以下のような格好で行くのはマナー違反です。
新郎新婦に恥をかかせてしまいます。
- ジーンズ、チノパン、カーゴパンツ
- Tシャツ、ポロシャツ、パーカー
- スニーカー、サンダル、ブーツ(会場内)
男性ならブラックスーツやダークスーツ、女性ならフォーマルなドレスやワンピース。
これが鉄則です。
「安かろう悪かろう」ではなく、「合理的で温かいお祝いの形」であると理解して、しっかりと正装で華を添えましょう。
1.5次会の平服は略礼装を意味する

北海道では、挙式・披露宴(1次会)と2次会の中間に位置する「1.5次会」というスタイルのウェディングパーティーが非常に盛んです。
この招待状によく記載されているのが「平服でお越しください」という言葉。
これがゲストを悩ませる最大の要因です。
「平服=普段着」は大間違い!
まず大前提として、結婚式における「平服」とは、「略礼装(インフォーマルウェア)」というドレスコードを指す専門用語です。
決して「普段着(カジュアルウェア)」ではありません。
「平服だから」と安心してジーンズやパーカー、スニーカーで会場に行くと、周りは全員スーツやドレスで、自分だけ浮いてしまう…という悲劇が起きます。
会場のタイプで「攻め具合」を変える
1.5次会と一口に言っても、会場によって求められるフォーマル度は異なります。
招待状が届いたら、まずは会場をGoogleマップなどで検索し、お店の雰囲気をチェックするのが正解への近道です。
- ホテルや専門式場の場合
ほぼ通常の披露宴と同じと考えましょう。男性はダークスーツ、女性はフォーマルなワンピースが必須です。 - レストランやカフェの場合
ここでは少し遊び心が許容されます。男性なら少し明るめのネクタイやチェック柄のシャツ、女性ならプリント柄のワンピースや、トレンド感のあるパンツドレスなどが素敵です。
男女別「平服」のOK・NG境界線リスト
迷った時に役立つ、具体的なアイテムの境界線をまとめました。
| 性別 | 【正解】推奨スタイル(略礼装) | 【不正解】避けるべき普段着 |
|---|---|---|
| 男性 | ダークスーツ(ネイビー・グレー) ジャケット+パンツ(ジャケパン)※レストランの場合 襟付きのシャツ 革靴(紐靴がベスト) | Tシャツ、ポロシャツ、パーカー ジーンズ、チノパン、短パン スニーカー、ブーツ(会場内)、サンダル ノーネクタイ(指定がない限り持参推奨) |
| 女性 | きれいめワンピース、セットアップ オールインワン(パンツドレス) 小ぶりなパーティーバッグ 3cm以上のヒールパンプス | 綿や麻素材のカジュアルなワンピース 生足、黒タイツ(冬でも会場内はNG) 大きなトートバッグ、リュック ミュール、オープントゥ、ブーツ |
男性の場合、1.5次会であれば「ノーネクタイでもOK?」と迷うかもしれませんが、最初はネクタイを締めていき、周りの雰囲気がカジュアルなら途中で外してポケットにしまう、というスタンスが最もスマートで失敗がありません。
女性の服装で袖ありドレスが選ばれる理由

女性ゲストの服装マナーは基本的に全国共通です。
花嫁の色である「全身白」や喪服を連想させる「全身黒」、そして殺生を意味する「ファー(毛皮)やアニマル柄」は、北海道でも変わらずNGタブーです。
しかし、北海道の結婚式会場を見渡すと、本州とは少し違うトレンドがあることに気づきます。
それは、ノースリーブにボレロやショールを羽織るスタイルよりも、「袖あり(ロングスリーブや七分袖)のドレス」を一枚でさらりと着こなす女性が圧倒的に多いことです。
これには、北海道ならではの合理的な理由があります。
「袖ありドレス」が選ばれる2つの理由
一枚で完結する袖ありドレスは、単なる流行以上のメリットを北海道の女性たちに提供しています。
- 物理的な暖かさと安心感
いくら暖房完備とはいえ、窓際や出入り口付近は冷気を感じることがあります。薄いシフォンやレースであっても、腕が布で覆われているだけで体感温度はかなり違います。 - 着崩れのストレスがない
ボレロやショールは、食事中や拍手をするたびに肩からずり落ちてきたり、結び直したりする手間があります。コートの脱ぎ着が多い冬の北海道では、一枚で様になるドレスの方が圧倒的に楽でスマートなのです。
冬の北海道で「パンツドレス」が最強なワケ
近年、急激に市民権を得ているのが、オールインワンやセットアップタイプの「パンツドレス」です。
特に冬場の参列において、これほど理にかなった選択肢はありません。
【パンツドレスの隠れたメリット】
- 鉄壁の防寒対策が可能
ワイドパンツタイプなら、下に厚手のタイツやレギンスを履いても外からは絶対に見えません。スカートでは不可能な「本気の防寒」をこっそり仕込めます。 - 雪道移動がスムーズ
風が強い日や雪道を歩く際、スカートの裾を気にする必要がありません。送迎バスの乗り降りも非常にスムーズです。
かつては「パンツスタイル=カジュアル」と見なされることもありましたが、現在はレース素材やドレープの効いたエレガントなデザインが増え、友人の結婚式や1.5次会では定番のスタイルとして定着しています。
「寒がりだけどおしゃれもしたい!」という方には、心からおすすめできる選択肢です。ます。
男性の服装はスーツとネクタイが必須

男性ゲストの場合、服装の選択肢が女性ほど多くない分、基本を外すと悪目立ちしてしまいます。
「会費制だからラフでいいだろう」と勘違いして、ジャケットパンツスタイル(ジャケパン)やノーネクタイで参加するのは、招待状に「平服」と明記がない限り避けるべきです。
北海道の結婚式においても、基本スタイルは「ブラックスーツ(略礼服)」または「ダークスーツ(濃紺やチャコールグレー)」の二択だと考えてください。
ここでは、恥をかかないための具体的なコーディネートの鉄則を解説します。
スーツの色と「立場」の考え方
友人や同僚として参列する場合は、ビジネススーツに近い「ダークスーツ(ネイビーやグレー)」でも問題ありません。
無地が基本ですが、目立たないシャドーストライプ程度なら許容範囲です。
一方、親族や主賓、上司として参列する場合は、よりフォーマル度の高い「ブラックスーツ」を選ぶのが無難です。
ただし、ビジネス用の黒いスーツと礼服の「黒」は、並ぶと色の深さが全く違います。
照明の明るい披露宴会場ではその差がはっきり出るため、きちんとした礼服用のブラックスーツを着用することをおすすめします。
シャツとネクタイの絶対ルール
Vゾーン(胸元)は、男性の清潔感とマナーが最も表れる部分です。
- シャツ
「白の無地・長袖」が絶対的な正解です。襟は「レギュラーカラー」か「セミワイドカラー」を選びましょう。襟先をボタンで留める「ボタンダウンシャツ」はカジュアルな出自のため、本来は結婚式には不向きです。また、夏場であっても「半袖シャツ」はスーツスタイルにおいて「下着姿」と同義とみなされるため、必ず長袖を着用し、ジャケットの袖口から少し覗かせるのが正しい着こなしです。 - ネクタイ
基本は「白」か「シルバー」です。友人中心のカジュアルな式や1.5次会であれば、淡いピンクやサックスブルーなどのパステルカラー、控えめなドット柄などで華やかさを出しても素敵です。
ワンランク上の着こなしテクニック
周りと少し差をつけたいなら、以下のアイテムを取り入れてみてください。
これだけは避けて!男性のNGリスト
- アニマル柄の小物
殺生を連想させるため、ネクタイやベルトであってもNGです。 - 黒いネクタイ
喪服(お葬式)を連想させるため厳禁です。 - 派手すぎる柄シャツ
新郎より目立つ格好はマナー違反です。 - 白い靴下
学生服ではありません。スーツには「黒のロングホーズ(長い靴下)」を合わせ、座った時にすね毛が見えないようにしましょう。
親族の服装は両家の格を揃えるのが重要

もしあなたが新郎新婦のご両親や兄弟姉妹として出席する場合、あなたの立場は「ゲスト」ではなく、招待客をもてなす「ホスト(主催者側)」になります。
これは会費制であっても変わりません。
北海道の結婚式は全体的にアットホームな雰囲気で行われることが多いですが、親族の服装選びで最も失敗できないのが「両家の格(格式)を揃えること」です。
記念撮影で両家が並んだ時、ちぐはぐな印象にならないよう、以下のポイントを必ず押さえておいてください。
父親の服装:モーニングかブラックスーツか
一般的に、結婚式での父親の正礼装は「モーニングコート(昼)」や「燕尾服・タキシード(夜)」とされています。
本州の豪華な披露宴では、お父様はモーニングを着るのが絶対的なルールという地域も多いですよね。
しかし、北海道の会費制ウェディングでは、父親も「礼服(ブラックスーツ)」で出席するケースが非常に多く見られます。
これは式のスタイルが比較的カジュアルであることや、レンタル衣装の手配の手間などを考慮した結果です。
ただし、あくまで「両家で揃っていれば」の話です。
母親の服装:留袖か洋装ドレスか
母親の第一礼装は「黒留袖(五つ紋)」ですが、最近の北海道では、チャペル挙式やレストランウェディングに合わせて、フォーマルな「ロングドレス(アフタヌーンドレスやイブニングドレス)」を選ぶお母様が増えています。
特に冬場の北海道では、足元が冷える和装よりも、厚手のタイツを履けるロングドレスの方が防寒面で快適だという現実的な理由もあります。
ネイビーやチャコールグレーなどの上品なドレスは、モダンで素敵な印象を与えますよ。
【最重要】事前のすり合わせが命!
一番避けなければならないのは、「新郎父はモーニング(正礼装)なのに、新婦父はビジネススーツ(略礼装)」といった格差や、「新郎母は黒留袖(和装)なのに、新婦母はカジュアルなワンピース(洋装)」といったアンバランスな状態です。
これは当日会場で初めて気づいても修正が効きません。
必ず事前に新郎新婦を通じて、「和装にするか洋装にするか」「正礼装でいくか、少し崩すか」を両家できっちりと確認し合ってください。
これが親族としての最初で最大のマナーです。
兄弟・姉妹・子供の服装
兄弟や姉妹は、準礼装や略礼装(ダークスーツやパーティードレス)が基本です。
未成年のお子様の場合は、学校の制服があればそれが「正装」となりますので、迷わず制服を着用させてあげてください。
制服がない場合は、男の子ならブレザーとズボン、女の子なら清楚なワンピースを選べば問題ありません。
北海道の結婚式の服装で季節別の注意点

- 冬の靴はブーツで移動して履き替えが必須
- コートはクロークに預けるのが冬の鉄則
- 夏の結婚式でも冷房対策にストールを
- 男性の防寒対策はインナーで調整しよう
- 北海道の結婚式で服装の悩みを解決する
さて、ここからが本題と言ってもいいかもしれません。
冬(11月〜3月頃)の北海道の結婚式は、本州とは全く異なる「ロジスティクス」が求められます。
外は極寒、でも会場は常夏。
このギャップをどう攻略するかが、快適に過ごすための鍵になります。
冬の靴はブーツで移動して履き替えが必須

道外から初めて北海道の冬の結婚式に参列する方が、最も驚かれるのがこの「靴の履き替え文化」です。
本州では「会場までタクシーだし、パンプスでもなんとかなるでしょ?」と思われるかもしれませんが、北海道の冬道を甘く見てはいけません。
12月から3月の路面は、カチカチに凍ったアイスバーンか、ザクザクの雪道です。
そんな場所をピンヒールのパンプスや、裏がツルツルの革底(レザーソール)の靴で歩くのは、転倒して骨折するリスクがあるだけでなく、靴自体をダメにしてしまう行為です。
特に北海道の道路には雪を溶かすための「融雪剤(塩化カルシウム)」が大量に撒かれているため、大切な革靴に付着すると塩のシミができて取れなくなってしまいます。
恥ずかしくない!北海道流「履き替え」のスマートな流れ
「ブーツで会場に行くなんてマナー違反では?」と心配する必要はありません。
北海道では、ごく当たり前の光景です。
以下のステップで行動すれば、誰からも後ろ指を指されることはありません。
| ステップ | 行動内容 | ワンポイントアドバイス |
|---|---|---|
| 1. 移動中 | スノーブーツで移動 | 防滑(滑らない)と防水(濡れない)を最優先。ムートンブーツは水が染みてくるので雪道には不向きです。 |
| 2. 会場到着 | ロビーで履き替え | 会場に入ったら、ロビーの椅子や更衣室を利用して、持参したサブバッグからフォーマルシューズを取り出して履き替えます。 |
| 3. クローク | ブーツを預ける | 脱いだブーツはクロークへ。この時、雪で濡れたブーツを入れるための「ビニール袋」を持参していると、周囲やお店への配慮ができている素敵なゲストだと思われます。 |
移動用の靴選びとおすすめアイテム
移動用の靴は、ノースフェイスなどのアウトドアブランドのスノーブーツでも構いませんが、「荷物を増やしたくない」「できれば一足で済ませたい」という方もいるでしょう。
そんな方には、北海道民も絶大な信頼を寄せる「アサヒトップドライ」がおすすめです。
ゴアテックス素材で完全防水な上に、ガラス繊維が配合されたソールが氷に食いついて驚くほど滑りません。
デザインもエレガントなブーツタイプが多く、カジュアルな1.5次会ならそのまま出席できてしまうほど優秀です。
ビジネスやフォーマルにも使える最強の冬靴については、北海道の冬靴レディースビジネス決定版!滑らないおすすめはこれの記事でも熱く語っていますので、靴選びで絶対に失敗したくない方はぜひ参考にしてみてください。
コートはクロークに預けるのが冬の鉄則

真冬の北海道(特に12月〜2月)に参列する場合、アウター選びで迷うのが「ダウンコートを着て行ってもいいのか?」という問題です。
結論から言うと、全く問題ありません。むしろ推奨します。
本州のマナー本には「結婚式にカジュアルなダウンやモッズコートはNG」と書かれていることが多いですが、北海道の冬は次元が違います。
気象庁のデータを見ても、札幌の1月の平均気温は氷点下(-3.2℃)であり、最高気温でさえ0℃を下回る「真冬日」が当たり前のように続きます(出典:気象庁『過去の気象データ検索 札幌 平年値』)。
この極寒環境下では、ファッション性よりも「生命維持(防寒)」が優先されるのが北海道の暗黙の了解です。
重要なのは「アウターの種類」ではなく「脱ぐタイミング」
ダウンコートを着ていくこと自体は失礼にあたりませんが、それを「いつ、どこで脱ぐか」がマナーの分かれ道です。
以下の手順を守れば、どんなにモコモコのダウンを着ていてもスマートに見えますよ。
スマートなコートの預け方 3ステップ
- 建物の外で雪を払う
会場に入る前に、肩やフードに積もった雪を軽く払い落とします。これが一番重要です。 - エントランス(風除室)で脱ぐ
建物の入り口(二重扉の間など)やロビーに入った瞬間に脱ぎ、腕にかけます。受付の列に並ぶ時点では、すでに正装の状態になっているのが理想です。 - クロークへ直行
そのままクロークへ向かい、荷物と一緒に預けます。これで、披露宴会場内にはフォーマルな姿だけで入ることができます。
「室内は常夏」という北海道の罠
もう一つ、道外ゲストが陥りやすいのが「インナーの着込みすぎ」です。
北海道の建物は断熱性能が極めて高く、暖房設備も強力です。
外は吹雪でも、会場内は半袖でも過ごせるくらい暖かく(むしろ暑く)設定されています。
そのため、「寒そうだから」といってドレスやスーツの下に厚手のヒートテックやウールのインナーを着込んでしまうと、披露宴中に汗だくになって化粧崩れや気分の悪化を招く恐れがあります。
北海道における室内の温度事情とインナー選びのコツについては、北海道の室内は暑い!冬観光で失敗しない服装と靴の正解完全ガイドの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ予習しておいてください。
基本は「アウターで完全防備し、インナーは通年仕様」が正解です。
夏の結婚式でも冷房対策にストールを

北海道の夏(特に6月〜8月)は、湿度が低くカラッとしていて本当に過ごしやすい季節です。
ジューンブライドの時期に梅雨がない(と言われる)北海道で挙式を希望される方も多いですよね。
しかし、ここには道外のゲストが最も陥りやすい「落とし穴」が2つあります。
それは「過剰な冷房」と「ガーデンウェディングの足元」です。
会場内は「冷蔵庫」?羽織りものは命綱
北海道の建物は、冬の寒さに耐えるために気密性と断熱性が非常に高く作られています。
そのため、一度冷房で冷やすと冷気が逃げず、本州の感覚では信じられないほどキンキンに冷えていることがよくあります。
外は25℃で爽やかでも、会場内は設定温度が低く、薄手のノースリーブドレス一枚で長時間座っていると、披露宴の途中で唇が紫色になってしまう…なんてことも決して大袈裟ではありません。
ですので、夏であっても以下のアイテムは「必須装備」だと考えてください。
ガーデンウェディングと「芝生の罠」
北海道の雄大なロケーションを活かしたガーデンウェディングはとても人気がありますが、ここで注意したいのが足元です。
芝生の上を歩く際、華奢なピンヒールだとヒールが土にズブズブと埋まってしまい、まともに歩けないという事態が頻発します。
これではせっかくのドレス姿も台無しですし、靴のヒール自体が泥で汚れて傷んでしまいます。
ガーデン挙式での賢い靴選び
もし招待状に「ガーデン挙式」や「ガーデンパーティー」とある場合は、以下の対策をしておくと安心です。
- 太めのチャンキーヒールを選ぶ
接地面積が広いので埋まりにくいです。 - ウェッジソールも検討
カジュアルに見えがちですが、きれいめなデザインならガーデンウェディングでは許容されることが多いです。 - ヒールストッパー(ヒールキャップ)を用意する
ピンヒールの先に取り付けて接地面積を広げる便利グッズです。ネットなどで安く手に入りますよ。
日没後の「急激な冷え込み」に注意
もう一つ忘れてはいけないのが、北海道特有の「寒暖差」です。
日中は半袖で汗ばむ陽気でも、日が落ちた瞬間に気温が10℃近く下がることが珍しくありません。
特に夕方から始まるナイトウェディングや、ガーデンでのデザートビュッフェがある場合は、薄手の羽織りもの一枚では肌寒いこともあります。
「夏だから大丈夫」と油断せず、気温の変化に対応できる準備をしておくと、最後まで笑顔でお祝いできますよ。
男性の防寒対策はインナーで調整しよう

男性の場合、「スーツを着ているからある程度は暖かいだろう」と油断しがちですが、実は一般的なウールスーツの生地は通気性が良く、冬の北海道の鋭い冷気は容赦なく繊維を突き抜けてきます。
特にパンツ(スラックス)は一枚布なので、素肌に直接履くと凍えるような寒さを感じます。
そこで重要になるのが、外からは見えない部分での「インナー戦略」です。
着膨れせず、かつスマートに防寒するためのポイントをいくつかご紹介します。
シャツの下に着るインナーの選び方
ワイシャツの下に着る肌着は、以下の3つの条件を満たすものを選びましょう。
これが「デキる男」の身だしなみであり、防寒の鉄則です。
【冬の結婚式用インナーの絶対条件】
- 形状はVネック
ネクタイを締める場合でも、丸首だと首元からチラ見えしてしまうことがあります。深めのVネックなら、もし二次会でネクタイを緩めた時でも安心です。 - 袖は九分袖または七分袖
ジャケットの袖口から肌着が見えるのはマナー違反。手首が出ない短めの袖丈を選びましょう。 - 色はベージュか白
白いワイシャツの下に着ても透けにくい「ベージュ」が最強です。白でも良いですが、肌色に近い方が写真写りも綺麗です。
「スリーピース」は防寒と品格の一石二鳥
私が特におすすめしたいのが、ジャケットの下にベスト(ジレ)を着用する「スリーピーススタイル」です。
ベストが一枚あるだけで、お腹や背中の保温性が格段に上がります。
さらに、会場内で暑くなってジャケットを脱いだ際も、ベストを着ていれば「シャツ一枚」にならず、フォーマルな品格を保つことができます。
見た目もスタイリッシュで、防寒対策にもなる。まさに一石二鳥のアイテムですね。
足元の冷え対策も見逃せない
意外と盲点なのが下半身の冷えです。氷点下の外気を歩く際、スラックス一枚では心許ありません。
寒がりな方は、ユニクロのヒートテックタイツ(もも引き)などをスラックスの下に履くことを強くおすすめします。
注意点:暑がりさんは「ステテコ」タイプを
ただし、北海道の披露宴会場は暖房が強力です。
足首まであるタイツだと、お酒が入って体が温まった時に「暑すぎて脱ぎたいけど脱げない」という地獄を見ることがあります(笑)。
暑がりの方は、膝上丈の「機能性ステテコ」や、膝下までの「ロングホーズ(長い靴下)」で調整するのが賢い選択です。
北海道の結婚式で服装の悩みを解決する

北海道の結婚式は、会費制という独自のシステムや、厳しい冬の環境に対応するための工夫が詰まっています。
最初は戸惑うかもしれませんが、「寒くないように」「転ばないように」という合理的な理由を知れば、自然と正しい服装が見えてくるはずです。
無理におしゃれをして風邪を引いたり怪我をしては元も子もありません。
防寒と履き替えをスマートにこなしつつ、会場内では華やかな装いで、新郎新婦を心からお祝いしてあげてくださいね。
あなたの参列が、素敵な思い出になりますように!
参考