北海道旅行&観光スポット【ii-hokkaido.com】 運営者Yoyoです。
いよいよ2月のさっぽろ雪まつりが近づいてきましたね。
「北海道 雪まつり 服装」と検索してこの記事にたどり着いた方は、きっと氷点下の気温や雪道で滑らない靴の準備に不安を感じているのではないでしょうか。
特に女性や子供連れの方は、防寒と動きやすさの両立に悩むことも多いはずです。
私自身、初めて冬の札幌を訪れた時は、本州との寒さの「質」の違いに驚きました。
ただ寒いだけでなく、肌がチリチリとするような痛みを感じるんです。
でも、しっかり対策すれば大丈夫。
地元目線で、失敗しない服装や持ち物のポイントを丁寧にお伝えします。
記事のポイント
- 2月の札幌がいかに寒いかという気温のリアルと基本の防寒対策
- 滑らない靴の選び方や現地で調達できる滑り止めグッズの情報
- 転倒を防ぐための「ペンギン歩き」や危険な場所の回避方法
- スマホのバッテリー落ちや室内の暑さ対策など意外な落とし穴
北海道の雪まつりに適した服装と2月の気温のリアル

- 2月の気温と寒さのリアルな事情
- インナーはヒートテックで綿はNG
- 女性のスカートは厚手タイツ必須
- 子供の服装はスキーウェアが安心
- 室内は暑いので脱ぎ着で調節する
「寒い」とは聞いていても、実際にどのくらい寒いのか想像するのは難しいですよね。
ここでは、2月の札幌の過酷な気温データと、それを乗り切るための具体的なレイヤリング(重ね着)テクニックについて、私の経験を交えて解説します。
2月の気温と寒さのリアルな事情

雪まつりが開催される2月上旬は、札幌の長い冬の中でも「厳冬期」と呼ばれる、一年で最も寒さが厳しい時期です。
まず覚悟していただきたいのは、この時期は最高気温でも0℃に届かない「真冬日」が続くのが当たり前だという事実です。
冷蔵庫の中(約3℃〜6℃)よりも遥かに寒く、感覚としては「巨大な冷凍庫の中を一日中歩き回る」ような過酷な環境が待っています。
データで見る「極寒の札幌」
気象庁の平年値データ(1991〜2020年)によると、2月の札幌の気象条件は以下の通りです。
特に観光のメインとなる時間帯は、数字以上の厳しさがあります。
| 項目 | 2月の平均値(目安) |
|---|---|
| 平均気温 | -3.2℃ |
| 最高気温 | 0.1℃(日中でもほぼ氷点下) |
| 最低気温 | -6.6℃(朝晩の冷え込み) |
※出典:気象庁『過去の気象データ検索 札幌(石狩地方)平年値』より
雪まつりのハイライトである「大雪像のプロジェクションマッピング」や「氷の彫刻のライトアップ」は、日没後(16:30以降)に行われます。
この時間帯になると放射冷却現象も重なり、気温は一気に急降下。
夜間はマイナス7℃〜マイナス10℃近くまで下がることも珍しくありません。
スマートフォンやカメラのバッテリーが寒さで一瞬にして落ちてしまうのも、この気温帯の特徴です。
「風」が体感温度を奪い、寒さは「痛み」へ
気温の低さに追い打ちをかけるのが、札幌特有の「風」です。
メイン会場となる大通公園は、東西に長く伸びる防火帯としての役割も持っていますが、その構造ゆえにビル風が通り抜ける「風の通り道」となります。
- 体感温度の法則
一般的に、風速が1m/s増すごとに体感温度は約1℃下がると言われています。 もし気温がマイナス5℃で、風速5mの風が吹いた場合、体感温度はマイナス10℃〜マイナス15℃にも達します。 - 寒さが「痛い」と感じるレベル
このレベルの寒風に晒されると、肌が出ている部分は「寒い」を超えて「痛い」と感じ始めます。 特に耳たぶ、鼻の頭、指先は数分で感覚がなくなり、凍傷になりやすい部位です。
インナーはヒートテックで綿はNG

雪国への旅行において、アウター(コート)以上に重要なのが、肌に直接触れる「ベースレイヤー(肌着)」の選び方です。
ここで選択を誤ると、どんなに高価なダウンジャケットを着ていても寒さに震えることになります。
絶対に避けるべき素材、それは普段私たちが愛用している「綿(コットン)」です。
なぜ「綿」が冬の北海道で命取りになるのか
【恐怖のメカニズム:汗冷え】
綿は肌触りが良く吸水性に優れていますが、「一度濡れると乾きにくい」という致命的な弱点があります。
暖房の効いた地下街や車内で汗をかいた際、綿の肌着はその水分をたっぷりと吸い込み、保水したままになります。
その状態で氷点下の屋外に出るとどうなるでしょうか。
濡れた肌着の水分が蒸発しようとする際、体温を急激に奪う「気化熱」が発生します。
これは例えるなら、「氷水に浸した冷たい雑巾を、裸の背中にずっと貼り付けている」のと同じ状態です。
この現象を「汗冷え」と呼び、登山界では低体温症の引き金になるとして「冬山で綿を着るのは死に直結する」と言われるほど危険視されています。
快適に過ごすためのインナー選び「2つの正解」
汗を素早く乾かすか、湿気を熱に変える機能を持った素材を選びましょう。
代表的な2つの選択肢をご紹介します。
- 吸湿発熱素材(ユニクロ「ヒートテック」など)
体から出る水蒸気を熱エネルギーに変換する化学繊維のインナーです。 北海道観光であれば、通常のヒートテックよりも生地が厚い「極暖」や「超極暖」シリーズを選ぶのがベストです。 裏起毛になっているものが多く、着た瞬間から暖かさを感じられます。
※激しい運動をする場合は、速乾性が追いつかないことがあるので注意が必要です。 - 天然のエアコン素材「メリノウール」
モンベルやアイスブレーカーなどのアウトドアブランドが販売している、羊毛(ウール)100%または混紡のインナーです。 「汗をかいても冷やっとしない」という驚異的な特性を持ち、保温性と調湿性のバランスが完璧です。 さらに天然の強力な防臭効果があるため、2〜3日着続けても臭いが気にならず、荷物を減らしたい旅行者に最適です。少し高価ですが、投資する価値は十分にあります。
サイズ選びのコツ:肌に密着させること
どんなに高機能なインナーでも、サイズが大きすぎて肌との間に隙間があると効果を発揮できません。
肌着は「第二の皮膚」です。
体にぴったりとフィットするジャストサイズを選び、熱を逃さないようにしましょう。
また、ズボン下(タイツ・パッチ)も同様の素材を選び、下半身の防寒も忘れないようにしてください。
女性のスカートは厚手タイツ必須

「せっかくの雪まつりデートや女子旅、写真映えするおしゃれなスカートを履きたい!」という気持ちはとてもよく分かります。
しかし、北海道の冬を甘く見てはいけません。
スカートは構造上、裾から冷気が入り込みやすく、下半身が無防備になりがちです。
特に、太い血管が通っている太ももが冷やされると、冷えた血液が全身を巡り、一気に体の芯まで凍えてしまいます。
生足に近い状態や一般的な薄手のストッキングで歩くことは、皮膚感覚を失うだけでなく、凍傷のリスクさえある危険行為だと認識してください。
「デニール数」の常識をアップデートする
スカートコーデを楽しむための絶対条件は、タイツの厚さ(デニール数)を見直すことです。
本州の冬で一般的な60〜80デニールでは、氷点下の風の前では履いていないのも同然です。
以下の基準で選んでください。
- 最低ラインは「110デニール」以上
肌が全く透けないマットな質感が最低条件です。寒がりの方は、さらに厚手の150デニールや200デニールを選んでも決して大げさではありません。 - 最強は「裏起毛タイツ」
デニール数だけでなく、内側がフリースやボア素材になっている「裏起毛」タイプを強く推奨します。 これはもはやタイツというより「密着するズボン」に近い暖かさがあり、風を通しにくく保温性が段違いです。
見た目を変えずに防寒!魔法のアイテムと重ね技
「分厚い黒タイツだと足が太く見えるし、野暮ったくなるのが嫌…」という方には、最新の防寒アイテムと重ね履きのテクニックがおすすめです。
おすすめアイテム:フェイクタイツ(透け感タイツ)
一見すると「薄手の黒ストッキングから肌が透けている」ように見えますが、実は内側がベージュ色の分厚い裏起毛素材になっている特殊なタイツです。
1200デニール相当の厚みがありながら、見た目は40〜60デニールのような抜け感を演出できます。
SNSでも話題の「寒くないのに生足風」を作れる神アイテムです。
- 5本指ソックスとの重ね履き
タイツの下に、シルクや薄手の「5本指ソックス(つま先だけのハーフタイプ)」を仕込んでおくと、指先の汗を吸収して冷えを防げます。 さらに、タイツの上から靴下を重ね、その上からブーツを履くのが現地の基本スタイルです。 - ロングブーツで風を遮断
スカートを履くなら、足元はショートブーツではなく、膝下まで覆うロングブーツがベストです。 「スカート+厚手タイツ+ロングブーツ」の組み合わせなら、肌が外気に触れる面積がゼロになり、パンツスタイル以上の暖かさを確保できる場合もあります。
「おしゃれ=我慢」という考えは、冬の北海道では命取りになります。
文明の利器(高機能インナーや裏起毛アイテム)をフル活用して、賢くおしゃれを楽しんでくださいね。
子供の服装はスキーウェアが安心

お子様連れのご家族にとって、雪まつり会場は単なる観光地ではなく、巨大な「雪の公園」です。
子供たちは目の前の雪山を見ると、寒さを忘れて登ったり、寝転がったり、滑り台にダイブしたりと本能的に遊び始めます。
このとき、普段着のダウンジャケットやジーンズでは、隙間から雪が入り込んだり生地に水が染み込んだりして、あっという間に体が冷え切ってしまいます。
「寒くて痛い、もう帰りたい」とお子様が泣き出してしまうのを防ぐためにも、子供は「完全防水・完全防備」で挑むのが正解です。
鉄壁の守り!「ジャンプスーツ(つなぎ)」一択
身長が低い幼児から小学校低学年くらいまでのお子様には、上下がつながった「ジャンプスーツ(つなぎタイプのスキーウェア)」を強くおすすめします。
ジャケットとズボンが分かれているセパレートタイプだと、しゃがんだり転がったりした際にどうしても背中やお腹が出てしまい、そこから冷たい雪が直接肌に触れてしまいます。
ジャンプスーツなら全身が密閉されているため、どんなに激しく遊んでも雪が入らず、全身を包む寝袋のように保温性も抜群です。
現地ママの常識!「スノーカバー(脚絆)」を装備せよ
観光客の方が最も見落としがちで、かつ現地では常識なのが「スノーカバー(脚絆・きゃはん)」です。
いくら防水のブーツを履いていても、深い雪の中を歩いたり遊んだりすると、ズボンの裾とブーツの履き口の隙間から雪が入り込み、靴下がびしょ濡れになります。
- ブーツの上から被せて、膝下で固定する防水カバーです。
- これがあるだけで、長靴の中への雪の侵入を100%シャットアウトできます。
- 現地の子供用品店や100円ショップ、ドラッグストアなどでも手に入りますので、必ず装着させてあげてください。これがないと足元から終了します。
手袋とマフラーの「安全・快適」基準
- 手袋は「ナイロン製ミトン」
かわいい毛糸の手袋は、雪玉を作るとすぐに水が染みて氷のように冷たくなるためNGです。必ず表面がナイロンなどの防水素材のものを選びましょう。 また、5本指タイプよりも、指同士がくっついている「ミトンタイプ」の方が指先が冷えにくく、着脱も簡単です。片方を落とさないよう、紐でつながっているタイプや、袖口にクリップで留める工夫も有効です。 - マフラーではなく「ネックウォーマー」
長いマフラーは、滑り台などの遊具に引っかかったり、人混みで踏まれたりして首が絞まる危険性があります。 スポッとかぶるだけの「ネックウォーマー」なら安全で、ほどけて引きずる心配もありません。 - 帽子は「耳当て付き」
氷点下の風に晒されると、耳がちぎれるように痛くなります。普通のキャップではなく、耳までしっかり隠れるニット帽や、内側がボアになっているフライトキャップを選んであげましょう。
トイレと汗の注意点
ジャンプスーツは脱ぐのに少し時間がかかります。
「トイレに行きたい!」と言ってからでは間に合わないことがあるので、余裕を持って早めに連れて行きましょう。
また、子供は大人よりも体温が高く動き回るため、中は薄着(ヒートテック+トレーナー程度)で十分です。
着せすぎると汗だくになり、逆に風邪をひいてしまいます。
心配な場合は、背中にタオルを入れておき、汗をかいたらタオルを抜くという方法がおすすめです。
室内は暑いので脱ぎ着で調節する

北海道の冬は「外は極寒、中は常夏」と言われるほど、屋内外の温度差が激しいのが特徴です。
建物の断熱性が高く、強力な暖房設備が整っているため、デパート、地下街、ホテル、地下鉄の車内などは25℃以上の「暑い」温度設定になっていることが珍しくありません。
氷点下の屋外と室内を行き来すると、その温度差は実に30℃近くにもなります。
この過酷な環境で体調を崩さないためには、「こまめな体温調整」が鍵となります。
最大の敵は「汗冷え」!着込みすぎに注意
最も避けるべき失敗パターンは、寒さを恐れてガチガチに厚着をしたまま暖房の効いた室内に入り、汗だくになってしまうことです。
かいた汗が肌着に染み込むと、再び氷点下の屋外に出た瞬間、その水分が一気に冷却され、体温を奪う「汗冷え」を引き起こします。
これが風邪や体調不良の最大の原因です。
「寒くないように」ではなく「汗をかかないように」工夫することが、北海道観光の鉄則です。
温度調節の要「ミドルレイヤー」の活用術
服装は「アウター」「ミドル」「インナー」の3層構造(レイヤリング)で考え、特に中間に着る「ミドルレイヤー」で温度調節を行います。
- 前開きの服を選ぶ(必須級テクニック)
セーターやトレーナーのような「被るタイプ」は、脱ぐのに手間取るためおすすめしません。 フルジップのフリース、カーディガン、前開きのインナーダウンなど、「暑い」と感じた瞬間にファスナーを開けて熱を逃がしたり、サッと脱げるものを選びましょう。 - インナー選びのポイント
発熱素材の肌着(ヒートテック等)は優秀ですが、極暖タイプなどを重ね着しすぎると室内でオーバーヒートして汗が止まらなくなります。 汗冷えを防ぐため、肌着は吸湿速乾性に優れたスポーツ用のものや、ウール素材のものを活用するのも賢い選択です。
脱いだ服を収納する「大きめバッグ」の準備を
室内に入ってマフラー、手袋、ニット帽、そしてミドルレイヤーのダウンなどを脱ぐと、手荷物が一気に増えます。
これらを手に抱えたまま観光するのはストレスですし、置き忘れの原因にもなります。
そこで、少し大きめのトートバッグや、容量に余裕のあるリュックサックを持っていくことを強く推奨します。
脱いだ防寒具をポンと放り込めるスペースがあるだけで、屋内でのショッピングや食事が驚くほど快適になります。
最近では、小さく畳んで収納できる「ポケッタブル」なダウンジャケットやエコバッグを活用するのも有効です。
北海道の雪まつりの服装で重要な靴選びと転倒対策

- 滑らない靴のおすすめと選び方
- 滑り止めはどこで買うのが正解か
- 転ばない歩き方のコツと注意点
- スマホのバッテリー寒さ対策
- 北海道の雪まつり服装ガイドまとめ
「北海道 雪まつり 服装」で検索する方の多くが、一番頭を悩ませているのが「靴」ではないでしょうか。
雪まつりを楽しむためには、転ばないこと、そして足元を冷やさないことが何より重要です。
ここでは、地元民も信頼する靴選びと歩き方のコツをご紹介します。
滑らない靴のおすすめと選び方

北海道の冬を甘く見てはいけません。
本州で履いている一般的なスニーカーや、溝の浅いファッションブーツで訪れるのは極めて危険です。
一般的なゴム底は、氷点下の環境ではプラスチックのように硬化してしまい、摩擦力を失います。
その結果、圧雪路面やツルツルのアイスバーンでは全くグリップせず、まるでスケートリンクの上に革靴で立っているような状態になってしまいます。
安全に旅を楽しむためには、「冬の北海道仕様」の足元準備が不可欠です。
話題沸騰!最強の防滑シューズ「SAPLAND」
現在、北海道民の間でも品薄になるほど絶大な信頼を得ているのが、アウトドアブランドColumbia(コロンビア)の「SAPLAND(サップランド)」シリーズです。
その名の通り、札幌(SAPPORO)とポートランド(PORTLAND)という、雪深い二つの都市の環境に合わせて開発されました。
失敗しない「冬靴選び」4つの絶対条件
SAPLAND以外で靴を選ぶ場合でも、以下の4つのポイントを満たしているか必ず確認してください。
デザインよりも機能を優先することが、怪我を防ぐ第一歩です。
- 深い溝とスタッドレス構造
靴底の溝が浅いと、雪が溝に詰まってしまい、すぐに表面が平らになって滑りやすくなります。 スタッドレスタイヤのように溝が深く、複雑なパターンで雪を排出しやすい構造のものを選びましょう。 - 低温でも硬くならない「柔らかいゴム」
指で押したときにグッと沈み込むような、柔らかいゴム素材が使われているかが重要です。 硬いゴムは氷の上で弾かれてしまいますが、柔らかいゴムは路面の微細な凹凸に食いつき(グリップし)、滑りを防ぎます。 また、靴底に「ガラス繊維」や「セラミック」が練り込まれているタイプも強力なグリップ力を発揮します。 - 防水・断熱機能(ゴアテックスなど)
雪道では、靴についた雪が体温で溶けて浸水し、そこから足が冷え切って凍傷に近い状態になることがあります。 「防水透湿素材(GORE-TEXなど)」を使用しているものや、内側にボアや断熱材が入っているものを選びましょう。 足元の冷えは全身の体力を奪います。 - サイズ感:厚手靴下+空気の層
冬は厚手のウールソックスなどを履くため、普段より0.5cm〜1.0cm大きめのサイズを選ぶのが鉄則です。 また、靴の中で指が動かせる程度の余裕(空気の層)がある方が、保温効果が高まります。 ぴったりすぎると血行が悪くなり、かえって足が冷えてしまうので注意が必要です。
滑り止めはどこで買うのが正解か

「数日の旅行のために、わざわざ高価なスノーブーツを新調するのはもったいない……」と躊躇している方にとって、最強の味方となるのが「着脱式滑り止め(アイススパイク)」です。
これは、普段履いているスニーカーやブーツの上からゴムバンドで装着するタイプのアイテムで、靴底に追加された金属製のピンやコイルが氷をガッチリと捉えてくれます。
現地調達が基本!主な購入スポット
北海道などの降雪地域では、冬になると生活必需品として至る所で販売されています。
事前にネット通販で買うのも良いですが、現地の雪質に合ったものが売られているため、到着してからの購入でも全く遅くありません。
価格帯は、簡易的なものであれば1,000円〜2,000円程度が相場です。
- 新千歳空港・主要駅の売店(キヨスク等)
北海道の空の玄関口、新千歳空港内の売店や薬局では、到着した観光客向けに目立つ場所に陳列されています。札幌駅の改札付近にあるコンビニ(キヨスク)でも定番商品です。 - 街中のコンビニエンスストア
札幌中心部のセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどでは、冬期間になると雑誌コーナーの横や日用品棚、あるいはレジ横に「滑り止めコーナー」が特設されます。急な大雪でも24時間購入できるので安心です。 - ドラッグストア・靴屋・ディスカウントストア
「サツドラ」や「ツルハドラッグ」などのドラッグストア、ドン・キホーテなどでも取り扱いがあります。種類やサイズ(M/L/LLなど)を比較して選びたい場合は、こうした店舗の方が在庫が豊富かもしれません。
【重要】使用時の注意点とデメリット
非常に安価で便利な着脱式滑り止めですが、万能ではありません。
その構造ゆえの弱点を知っておかないと、かえって危険な目に遭うこともあります。
- 屋内では「逆スケート靴」状態になる
金属ピンは氷には刺さりますが、タイル貼りの床(地下街、駅のコンコース、コンビニの床など)や点字ブロックの上では、金属と石が接して摩擦がなくなり、猛烈に滑ります。 カチャカチャと大きな音を立てるだけでなく、床を傷つけたり、自身が転倒するリスクが高まるため、屋内に入るたびに必ず外す必要があります。 - 着脱の手間と収納問題
「外では装着し、店に入る時は外す」という動作を頻繁に繰り返すのは、想像以上に手間がかかります。 外した滑り止めは雪や泥で濡れているため、そのままポケットやバッグに入れるわけにはいきません。
転ばない歩き方のコツと注意点

どんなに防滑性能に優れた冬靴を履いていても、アスファルトの上と同じような感覚で歩いてしまっては転倒のリスクを回避できません。
雪道や凍結路面(アイスバーン)を安全に移動するためには、北国で「ペンギン歩き」と呼ばれる独特の歩行法をマスターすることが不可欠です。
重心のコントロールと足の裏の使い方を意識し、物理的に滑りにくい姿勢を保ちましょう。
雪道の基本走法「ペンギン歩き」の極意
「ペンギン歩き」とは、単にかわいらしく歩くことではありません。
物理学的に摩擦係数が低い路面で、最も安定する歩行スタイルです。
以下の3点を意識して実践してください。
- 歩幅は極端に小さく(靴のサイズ1つ分程度)
大股で歩くと、足が着地する際に地面に対して斜めの角度がつき、その瞬間に後方へ滑る力が強く働きます。 歩幅を小さくし、ちょこちょこと小刻みに歩くことで、体の重心移動を最小限に抑え、スリップを防ぎます。 イメージとしては「すり足」に近い感覚を持つと良いでしょう。 - 足の裏全体で「垂直」に着地する
乾いた路面では踵(かかと)から着地してつま先で蹴り出すのが一般的ですが、氷の上でこれをやると、接地面積が「点」になり非常に危険です。 足の裏全体を同時に地面に付けるイメージで、スタンプを押すように真上から垂直に踏み込んでください。 靴底の溝(パターン)全体を路面に噛ませることで、グリップ力を最大限に発揮させます。 - 重心は低く、やや前傾姿勢をキープ
膝をピンと伸ばさず、少し緩めて(軽く曲げて)クッション性を持たせます。 重心を常に足の真上、あるいは少しだけ前に置くように意識しましょう。 後ろに体重がかかると、足が滑った瞬間に尻餅をつき、後頭部を強打するリスクが高まります。 「へっぴり腰」は逆に危険ですので、お腹に力を入れ、体幹を安定させることが重要です。
転倒多発!特に警戒すべき「魔のスポット」
雪道において「ここは滑るかもしれない」と予測できているかどうかが、転倒回避の分かれ道になります。
一見平気そうに見える場所ほど、実は危険が潜んでいます。
- 横断歩道の白線(ペイント)の上
道路の白線は塗料によって表面がコーティングされているため、アスファルト部分に比べて水が染み込みません。 そのため、薄い氷の膜ができやすく、非常に滑りやすくなっています。可能な限り白線を跨ぐか、避けて歩くのが賢明です。 - ロードヒーティングの切れ目・マンホールの上
雪が解けている場所と積もっている場所の境界線(段差)は、バランスを崩しやすいポイントです。 また、金属製のマンホールやグレーチング(排水溝の蓋)は、熱伝導率の関係で氷が張りやすく、濡れているだけでも非常に滑るため、絶対に踏まないようにしましょう。 - 車の出入りがある歩道(ガソリンスタンドや駐車場の出入り口)
車のタイヤによって雪が踏み固められ、さらにタイヤの摩擦熱で表面が一度溶けて再凍結することで、鏡のようにツルツルの「ミラーバーン」化していることが多くあります。 傾斜がついていることも多いため、最上級の警戒が必要です。 - 屋内・地下鉄の入り口(タイル床)
実は屋外以上に危険なのが「建物の入り口」です。 靴の溝に詰まった雪が屋内の暖かさで溶け出し、水膜となってタイルと靴の間に入り込むことで、スケートリンクのような状態になります。 屋内に入る前には、必ず入り口のマットなどで靴底の雪をしっかり落とす習慣をつけましょう。
その他の安全対策:両手をフリーにする
歩き方や場所への注意に加え、「ポケットに手を入れない」ことも極めて重要です。
ポケットに手を入れていると、バランスを崩した際に腕を使って体勢を立て直すことができず、そのまま転倒してしまいます。
また、転んだ際に受け身が取れず、顔面や頭部を直接強打する大怪我につながりかねません。
寒い時は必ず手袋を着用し、両手は常に外に出して、バランスを取れる状態にしておきましょう。
リュックサックや斜めがけのバッグを活用し、荷物で手が塞がらないようにすることも有効です。。
スマホのバッテリー寒さ対策

意外と盲点なのが、スマートフォンの防寒対策です。
「さっきまで充電が80%もあったのに、写真を撮ろうとしたら突然電源が落ちた!」という経験はありませんか?
実はこれ、故障ではなく、極寒の北海道では頻繁に起こる現象なんです。
スマホに使われているリチウムイオンバッテリーは寒さに非常に弱く、氷点下の環境では化学反応が鈍くなります。
その結果、バッテリー残量は十分にあるのに電圧が下がり、スマホ側が「電池切れ」と判断して強制的にシャットダウンしてしまうのです。
スマホの命を守る「保温」の鉄則
この悲劇を防ぐ唯一の方法は、「スマホを常に人肌で温めておくこと」です。
アウターの外ポケットは外気とほぼ同じ温度まで冷え込むため、スマホの避難場所としては不適切です。
一番怖い「結露」と充電のタイミング
もう一つ、絶対に気をつけてほしいのが「結露(けつろ)」です。
氷点下の屋外から、暖房の効いた25℃のカフェに入ると、冷え切ったスマホの表面や内部に一瞬で水滴がつきます。
絶対にやってはいけないこと
冷え切ったスマホに、すぐに充電ケーブルを挿すのは厳禁です。
結露した状態で通電すると、充電端子がショートしたり、内部基板が腐食して故障の原因になります。
屋内に入ったら、まずはスマホが常温に戻るまで15分〜30分ほど待ち、水滴がついていないか確認してから充電するようにしてください。
北海道の雪まつり服装ガイドまとめ

ここまで、北海道の雪まつりを快適に楽しむための服装や靴選びについてお伝えしてきました。
最後にポイントを振り返ってみましょう。
| アイテム | 選び方のポイント |
|---|---|
| アウター | お尻まで隠れるロング丈のダウンコートがベスト。フード付きならさらに安心。 |
| インナー | 吸湿発熱素材(ヒートテック等)必須。綿素材は汗冷えするのでNG。 |
| ボトムス | 裏起毛パンツや、厚手タイツ(110デニール以上)の重ね履きで底冷え対策。 |
| 靴 | 防滑・防水機能のあるスノーブーツ(SAPLAND等)か、着脱式滑り止めを用意。 |
| 小物 | 帽子・手袋・マフラーで肌の露出を防ぐ。スマホはインナーポケットへ。 |
寒さ対策と転倒対策さえしっかりしていれば、白銀の世界に輝く雪像や幻想的なライトアップは、一生の思い出になるはずです。
万全の準備で、冬の札幌を思いっきり楽しんできてくださいね!
参考