北海道旅行&観光スポット【ii-hokkaido.com】 運営者Yoyoです。
北海道の冬に向けて「エアコン室外機カバー」や雪対策に関する情報を探しているあなたは、きっと「大切な家電を厳しい寒さやドカ雪から守りたい」「電気代が無駄にかかるのを防ぎたい」と考えているのではないでしょうか。
特に、本州から移住されてきた方や、初めて北海道の冬をエアコン暖房で過ごす方にとって、外に置かれた室外機が雪に埋もれていく姿は恐怖でしかありませんよね。
実は、本州でよく見かける「保管用のカバー」や「DIYで作った囲い」を、稼働中の室外機にそのまま使うことは、故障の原因になりかねない非常に危険な行為なのです。
「良かれと思ってやったのに、暖房が止まってしまった…」なんてことにならないよう、正しい知識を持つことが大切です。
この記事では、私自身が北海道で暮らす中で学んだ、過酷な冬に本当に必要な室外機の保護方法と、失敗しないための具体的な対策について、実体験を交えてお伝えします。
記事のポイント
- 冬に市販の室外機カバーを使ってはいけない決定的な理由とリスク
- 故障やトラブルを防ぐための「架台」と「防雪フード」の正しい役割
- 札幌圏での設置工事費用の目安と、長期的な節約につながる考え方
- 賃貸物件やアパートでも実践できる、安全な除雪と管理のポイント
北海道の冬にエアコン室外機カバーは必要?誤解と真実

- 100均や自作DIYの囲いは危険!雪対策の失敗例
- 暖房が止まる原因はショートサーキットと凍結防止
- 異音や故障を防ぐための正しい防雪対策とは
- 賃貸アパートでも可能な除雪と室外機まわりの管理
- 防雪ネットは効果なし?北海道の冬に適さない理由
「冬の間、室外機が雪に埋もれるのが心配だからカバーをかけたい」。
そのお気持ち、痛いほどよくわかります。私も当初は、朝起きると窓の外が真っ白で、室外機が雪だるまのようになっているのを見て、「何か着せてあげないと壊れる!」と焦った記憶があります。
しかし、結論からはっきり申し上げます。
北海道の冬、暖房運転中のエアコン室外機に「カバー」をかけるのは基本的にNGです。
「えっ、守らなくていいの?」と思われるかもしれませんが、ここで言う「カバー」とは、ホームセンターなどで売られている「全体を覆うタイプ」のものを指します。
ここでは、なぜ一般的なカバーがダメなのか、そして私たちが立ち向かうべき本当の「敵」は何なのかについて、詳しく解説していきますね。
100均や自作DIYの囲いは危険!雪対策の失敗例
ホームセンターの入り口や100円ショップの園芸コーナーに行くと、銀色のエアコンカバーや、おしゃれな木製のラティス(目隠し柵)が売られていますよね。
「雪が積もると大変そうだし、これを被せておけば安心かな?」と手に取りたくなる気持ち、すごく分かります。
でも、ちょっと待ってください。
これらの商品のパッケージをよく見ると、実は「オフシーズン(使わない時期)のホコリよけ」か、あるいは「夏場の直射日光を防ぐ日よけ」と書かれているはずです。
つまり、これらを冬の暖房運転中に使うことは、室外機にとって「自殺行為」に近いのです。
絶対に避けるべきNG対策リスト
特に危険なのが、ネットの不確かな情報を見様見真似でやってしまう「自作のDIY対策」です。良かれと思ってやったことが、逆に故障を招く典型的な失敗パターンを挙げます。
これをやるとエアコンが壊れます(NG集)
- すっぽり覆うビニール・布製カバー
これは論外です。室外機が呼吸(空気の吸い込み・吐き出し)ができなくなり、窒息状態になります。コンプレッサーが過熱して故障するだけでなく、最悪の場合、発火のリスクもゼロではありません。 - 板やコンパネで四方を囲う
「雪が入らないように」と四角い箱のように囲ってしまうと、空気の通り道がなくなります。また、吐き出した冷気が中にこもってしまい、暖房効率が劇的に低下します。 - 100均のレンジフードや「よしず」
北海道の冬の風雪を甘く見てはいけません。簡易的な固定では強風で簡単に吹き飛びますし、雪の重み(積雪荷重)に耐えられずに潰れ、破損した部材が室外機のファンに巻き込まれて大破する事故が多発しています。 - おしゃれな木製ラティス(格子)
一見通気性が良さそうですが、格子の隙間に雪が付着して凍りつくと、あっという間に「氷の板」になります。結果として板で囲うのと同じ密閉状態を招きます。
「少し隙間があれば大丈夫」という油断
DIYをする方がよく陥るのが、「上と横に少し隙間を空けておけば、空気も通るし雪も防げるでしょ?」という考えです。
しかし、北海道の雪はサラサラのパウダースノーであり、ブリザード(猛吹雪)の日は雪が真横から、時には下から舞い上がります。中途半端な囲いを作ると、その「隙間」に雪が吹き溜まり、かえって室外機周辺に雪を抱え込む「吹き溜まりポケット」を作ってしまうことになります。
結果として、囲いの内部が雪で埋め尽くされ、外からは見えない状態で室外機が窒息死してしまうのです。冬の室外機に必要なのは、中途半端な囲いではなく、「風通しの良い開放的な空間」であることを忘れないでください。のです。
暖房が止まる原因はショートサーキットと凍結防止

「せっかく暖房をつけているのに、ちっとも暖まらない」「頻繁にプシューといって止まってしまう」。
もし室外機にカバーや囲いをしている状態でこの現象が起きているなら、それは故障ではありません。
エアコンが呼吸困難に陥っているサインです。
なぜ冬の室外機を覆ってはいけないのか。
その理由を正しく理解するには、まずエアコンがどうやって極寒の外気から「熱」を作り出しているかを知る必要があります。
エアコンは「熱の運び屋」である
エアコンの暖房は、室外機が外の空気から熱エネルギーを汲み取り(ヒートポンプ)、それを圧縮して高温にし、室内に運ぶという仕組みで動いています。
つまり、室外機は「大量の空気を吸い込み、熱を奪い取った後の『さらに冷たくなった空気』を勢いよく吐き出し続けている」のです。
ここで、カバーや不適切な囲いが引き起こす最も恐ろしい現象が「ショートサーキット」です。
ショートサーキット(短絡)のメカニズム
室外機が前面から吐き出した「マイナス20度以下の極低温の排気」が、目の前のカバー、壁、あるいは積もった雪にぶつかって跳ね返り、そのまま背面の吸い込み口へと吸い込まれてしまう現象のこと。
人間で例えるなら、「ビニール袋を顔に被って、自分の吐いた二酸化炭素だけを延々と吸い続けている」ような、まさに窒息状態です。
負の連鎖が止まらない
このショートサーキットが発生すると、室外機周辺では以下のような最悪の悪循環が始まります。
- 熱交換の失敗
室外機は本来「外気(例えば-5℃)」から熱を取りたいのに、自ら吐き出した「排気(-20℃以下)」を吸い込むことになります。これでは熱を回収できず、暖房能力がガタ落ちします。 - 猛烈な「着霜(凍結)」の加速
吸い込む空気が冷たすぎると、熱交換器(フィン)の表面温度が異常に下がり、空気中の水分が瞬時に凍りつきます。カバーの中は湿度もこもりやすいため、あっという間に室外機が真っ白な霜や氷で覆われます。 - 頻発する「デフロスト運転」と暖房停止
エアコンはフィンについた霜を溶かすため、頻繁に「デフロスト(霜取り)運転」を行います。
デフロスト運転の罠
デフロスト運転中は、霜を溶かすために熱を使うので、室内の暖房は完全にストップします。機種によっては冷風が出てくることさえあります。
「カバーをかけたら、暖房がしょっちゅう止まって部屋が寒くなった」というトラブルの9割は、このショートサーキットによる霜取り運転の頻発が原因です。
つまり、良かれと思ってかけたカバーや囲いは、エアコンにとって「暖めるな、そして凍れ」と命令しているのと同じことなのです。電気代だけが跳ね上がり、部屋は暖まらず、最終的にはコンプレッサーに過大な負荷がかかって寿命を縮める結果となります。
異音や故障を防ぐための正しい防雪対策とは

「室外機を雪から守りたい」という親心でかけたカバーが、実は室外機を窒息させていた…なんて悲劇は避けたいですよね。
では、北海道の冬における正解は何なのでしょうか。
それは、「覆う」という発想を捨て、「機能させる」ための環境を整えることです。
室外機を過保護に包み隠すのではなく、マイナス20℃の極限環境でも元気に動けるよう、以下の2つの絶対条件をキープしてあげることが「北海道流の愛情」であり、正しい防雪対策となります。
呼吸の確保(通気性の維持)
室外機は、人間で言えば肺のようなものです。常に新しい空気を吸って、吐き出し続ける必要があります。
- 吸い込み口(背面・側面)
ここが塞がると、熱を集められません。壁との隙間に雪が詰まっていないか常にチェックが必要です。 - 吹き出し口(前面)
ここが最も重要です。吐き出した冷気がスムーズに逃げていくよう、前方のスペースを確保し、風通しを良くしておくことが大前提です。
排出の確保(排水性とアイスアップ対策)
意外と知られていないのが、この「排水」の問題です。エアコンは暖房中、室外機内部の霜を溶かすために「デフロスト運転」を行い、そのたびに大量の水(ドレン水)を排出します。
本州であれば水は地面に落ちて終わりですが、厳寒の北海道ではそうはいきません。水が地面に落ちる前に、あるいは落ちた瞬間に凍りつきます。これが引き起こすのが、最も恐ろしい故障原因である「アイスアップ(着氷)」です。
アイスアップによる破壊のプロセス
- 底板での凍結
排出された水が、室外機の底板(ベース)の上で凍りつきます。寒冷地仕様でないエアコンでは、ここで排水穴が氷で塞がれてしまいます。 - 氷の成長
排水の逃げ場がなくなると、行き場を失った水が底板の上に溜まり、氷の層がどんどん厚く成長していきます(氷筍のように上に伸びます)。 - ファンへの接触
成長した氷の塊が、ついに高速回転するプロペラファンの回転域に到達します。 - 物理的破壊
「ガガガッ!」「バキバキッ!」という凄まじい異音が発生します。これはプロペラが氷を削っている、あるいは叩きつけている音です。放置すると、ファンブレードが粉砕されるか、モーター軸が歪んで再起不能になります。
この「ガガガ」という異音は、室外機からのSOSです。もし聞こえたら、ただちに運転を停止してください。そのまま回し続けると、数万円単位の修理コースへ直行することになってしまいます。
賃貸アパートでも可能な除雪と室外機まわりの管理

「アパートやマンション住まいだから、勝手に壁に穴を開ける工事や、大掛かりな設備の設置ができない…」
これは多くの賃貸ユーザーが抱える悩みです。
しかし、何もせずに手をこまねいていると、大雪の翌朝に暖房がストップして震えることになりかねません。
賃貸物件には賃貸なりの「守り方」があります。
まずは「相談」が最強の対策
大前提として、賃貸物件に備え付けのエアコンや室外機は、あなたの所有物ではなく大家さんの財産(設備)です。
もし室外機が雪に埋もれて故障すれば、修理費用を払うのは大家さんです。ですから、「故障を未然に防ぐための提案」は、大家さんにとってもメリットがある話なのです。ご自身で何かを購入する前に、まずは管理会社へ連絡し、現状を伝えてみましょう。
管理会社への伝え方のコツ
- 「雪で室外機が埋まってしまい、暖房の効きが悪くて困っています」
- 「室外機から『ガガガ』と異音がして、このままだと壊れそうです」
- 「近隣の部屋には屋根がついているようなので、うちも検討してもらえませんか?」
このように「実害が出ている(出そうである)」ことを具体的に伝えるのがポイントです。良心的なオーナーであれば、専用の「防雪屋根」や「高置架台」をオーナー負担で設置してくれるケースも多々あります。遠慮せずに相談してみるのが吉です。
日々のルーティン:「掘り出し」の黄金ルール
設備投資が難しい場合、私たちができる最も効果的で確実な対策は、やはり「人力での除雪」です。ただし、闇雲に掘ればいいわけではありません。以下のルールを守って、室外機の呼吸スペースを確保しましょう。
賃貸ユーザーのための除雪スペック
- 前面(吹き出し口)
最低50cm以上の空間を空ける。ここが雪壁で塞がれると即アウトです。 - 背面・側面(吸い込み口)
20〜30cm程度の隙間を作る。壁との間に雪が詰まりやすいので注意。 - 底面
ドレン水が氷柱(つらら)になって地面と繋がりそうな場合は、こまめに折って排水口を確保する。
簡易DIYのリスクと限界
「毎回除雪するのは大変だから、コンパネ(合板)で雪よけを作りたい」と考える方もいるかもしれません。
私の友人も、室外機から少し離れた場所に板を斜めに立てかけて簡易屋根にしていましたが、これには大きなリスクが伴います。
北海道の冬の嵐(暴風雪)は想像を絶する威力です。固定が甘いと、その板が凶器となって吹き飛び、「隣の車を傷つけた」「窓ガラスを割った」という事故に繋がりかねません。
DIY雪よけの絶対条件
もしどうしても簡易的な対策を行う場合は、以下の2点を厳守してください。
- ガッチリ固定する
重石を置くだけでは飛びます。ロープ等で確実に固定すること。 - 閉塞させない
前述の通り、囲ってしまうのは逆効果です。あくまで「上からの雪を防ぐ」程度に留め、通気性は100%確保してください。
リスクを考えると、中途半端なDIYをするよりは、朝の運動だと思ってこまめに除雪する方が、安全かつ確実だと私は思います。
防雪ネットは効果なし?北海道の冬に適さない理由

Amazonやホームセンターの雪対策コーナーに行くと、3,000円〜5,000円程度で「防雪ネット(室外機用メッシュガード)」が売られています。
「これなら安いし、マグネットで貼るだけだから私にもできそう!」と、つい手が伸びてしまいますよね。
通気性がありそうな見た目をしているので、「これならショートサーキットも起きないだろう」と思われがちなのですが…残念ながら、北海道の冬において、簡易的な防雪ネットはほとんど役に立たないどころか、逆効果になるリスクが高いです。
敵は「パウダースノー」の細かさ
なぜネットがダメなのでしょうか。その理由は、北海道特有の「雪質」にあります。
本州の水分を含んだ重たい「ボタ雪」であれば、ネットの表面で弾かれて落ちることもあります。しかし、北海道のサラサラした「パウダースノー」の粒子は非常に細かいため、以下のプロセスでいとも簡単にネットを無力化してしまいます。
防雪ネットが「氷の壁」に変わるまで
- 吸引
室外機は強力なファンで空気を吸い込んでいます。軽い粉雪は、空気と一緒にネットの表面に吸い寄せられます。 - 付着と目詰まり
細かい雪の粒子が網目(メッシュ)に突き刺さったり、静電気で付着したりします。 - 凍結(アイスバーン化)
室外機周辺のわずかな温度変化や、着氷現象によって、網目に詰まった雪がカチカチに凍りつきます。 - 窒息完了
気づいた時には、通気性の良いネットだったものが、空気を通さない「一枚の氷の板」へと変貌しています。これでは、NG例として挙げた「ビニールカバー」をかけているのと全く同じ状態です。
メンテナンスの手間が倍増する
一度ネットが凍りついて目詰まりすると、これを取り除くのは至難の業です。網目に食い込んだ氷は叩いてもなかなか取れませんし、かといってお湯をかければ、そのお湯がまた凍って事態を悪化させます。
「雪対策のためにネットをつけたのに、毎日ネットの氷を取る作業に追われる」なんて、まさに本末転倒ですよね。私の経験上、北海道の本格的な冬においては、「中途半端なネットをつけるくらいなら、何もつけずにこまめに除雪する方がマシ」というのが正直な結論です。
北海道の冬用エアコン室外機カバーの代わりになる必須装備

- 雪に埋もれない架台の高さを札幌の積雪量で判断
- 防雪フードの価格と効果を純正品と汎用品で比較
- 高置台の設置にかかる工事費の相場と節約の考え方
- 寒冷地エアコンと標準モデルの室外機の違い
- まとめ:北海道の冬はエアコン室外機カバーより専用設備を
ここまで「ダメな例」を中心にお話ししてきましたが、ここからは「じゃあ具体的に何を使えばいいの?」という解決策のお話です。
北海道でエアコンを主暖房、あるいは補助暖房として快適かつ安全に使うための「三種の神器」ならぬ「二種の神器」をご紹介します。
これらへの初期投資は数万円かかりますが、修理代(ファン交換で2〜3万円)や、効率低下による毎月の電気代アップを考えれば、1〜2シーズンで元が取れる可能性が高い、賢い投資ですよ。
雪に埋もれない架台の高さを札幌の積雪量で判断
雪対策において、最も確実で効果が高い物理的なアプローチ。
それは、室外機を「物理的に持ち上げて、雪の届かない場所へ逃がす」ことです。
本州では一般的な、地面にプラスチックブロックを置いて設置する「平地置き」は、札幌や旭川、岩見沢といった豪雪地帯ではリスクが高すぎます。
一晩で50cm以上の雪が積もることもある北海道では、低い位置にある室外機はあっという間に雪に埋もれ、窒息してしまいます。
「高さ」の黄金ルール:積雪深+30cm
では、具体的に何センチ上げれば安心なのでしょうか?私がいつも目安にしているのは、以下の計算式です。
【室外機設置高さの基準】
その地域の「計画最大積雪深」 + 30cm以上(出典:ダイキン工業株式会社『大雪の困りごとと解決法』)
例えば札幌市の場合、区によって異なりますが、積雪深は1メートルを超えることが珍しくありません。そのため、地面から最低でも1メートル、できれば1.2〜1.5メートル程度の高さを確保できる「高置架台(ハイスタンド)」を使用するのが一般的です。
「ギリギリでいいや」と思わず、余裕を持って高さを確保してください。排出したドレン水が下で凍って氷山となり、下から迫ってくることもあるからです。
「壁掛け」にする際の意外な落とし穴
高さを稼ぐ方法として、建物の壁面にブラケットで固定する「壁面設置(壁掛け)」もあります。これなら地面の積雪に関係なく設置できるため、最強の雪対策に見えますが、一つだけ大きなデメリットがあります。
それは「振動音(騒音)」です。
木造住宅での壁掛け設置の注意点
エアコン(特に暖房時)のコンプレッサーは強く振動します。壁掛けにすると、その振動が壁を伝って家全体に響き、「ブーン…」という低周波音となって室内に入ってくることがあります。
特に、寝室やリビングの壁の裏に設置するのは避けた方が無難です。「音が気になって眠れない」というトラブルは意外と多いのです。どうしても壁掛けにする場合は、設置業者さんに相談して、高品質な「防振ゴム」を挟んでもらうなどの対策を強くおすすめします。
防雪フードの価格と効果を純正品と汎用品で比較
「カバーはダメ、でも雪からは守りたい」。
この矛盾を解決する唯一のアイテムが、「防雪フード」です。
これは室外機を密封するカバーとは全く異なり、金属製の板で空気の流れ(エアフロー)を物理的に制御する、いわば「室外機専用のシュノーケル」や「鎧」のような装置です。
北海道の戸建て住宅やアパートの外壁を見ると、室外機に変なダクトがついているのを見かけると思いますが、まさにアレです。
防雪フードの「2つの守り方」
防雪フードには、取り付ける場所によって大きく2つの役割があります。
- 吸込フード(背面・側面用):雪の侵入をブロック
雪は重力で上から下へ落ちます。吸込口に「下向き」のダクトをつけることで、空気だけを下から吸い上げ、雪がフィンに直接張り付くのを防ぎます。 - 吹出フード(前面用):風を操り、モーターを守る
ここが最も重要です。吹き出した風を上や横へ逃がすことで、ショートサーキットを防ぎます。さらに、「季節風対策」としても重要です。北海道の冬は、猛烈な北風が吹き荒れます。もし室外機の正面から強風を受けると、ファンが無理やり逆回転させられ、モーターに過大な負荷がかかって故障します。前面フードは、この逆風を受け流す盾の役割も果たすのです。
純正品 vs 汎用品:どっちを選ぶべき?
防雪フードには、エアコンメーカーが作っている「純正品」と、日晴金属や因幡電工といった架台メーカーが作る「汎用品」があります。
性能に大きな差はありませんが、材質と価格、見た目が異なります。
| 種類 | 価格目安 (部材のみ/セット) | 材質と特徴 | おすすめな人 |
|---|---|---|---|
| メーカー純正品 | 30,000円〜 50,000円 | ステンレス(SUS304など) 錆びに強く、塗装の質感も室外機本体とマッチする。寸法精度が完璧で、ビス穴の位置もピタリと合う。 | 予算に余裕があり、外観の美しさと「純正の安心感」を求める人。 |
| サードパーティ 汎用品 | 10,000円〜 25,000円 | ZAM鋼板(高耐食めっき) 非常に錆びにくい特殊合金メッキ。見た目は少し無骨だが、耐久性は折り紙付き。 | 性能重視で、コストパフォーマンスを最優先したい人。(Yoyoのおすすめ) |
※価格は背面・側面・前面をフル装備した場合の目安です。
個人的な推しは「ZAM鋼板」の汎用品
「純正じゃなくて大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、最近の汎用品に使われている「ZAM(ザム)鋼板」は本当に優秀です。
これはメッキ層にマグネシウムとアルミニウムを含んだ特殊な鋼板で、もし傷がついても、メッキ成分が溶け出して傷口を塞ぐ「自己修復作用」を持っています。海沿いの塩害地域でも使われるプロ仕様の素材なので、北海道の雪や融雪剤にも負けません。
「見た目が多少ゴツくても、安くて丈夫ならOK」という方は、迷わず汎用品を選んで、浮いたお金で美味しい海鮮丼を食べに行くのが賢い選択かなと思います。
高置台の設置にかかる工事費の相場と節約の考え方
これらを設置するには、当然ですが工事費がかかります。
「やっぱり高いなぁ」と感じるかもしれませんが、冬のボーナスの一部を充てる価値は十分にあります。
札幌圏の空調業者さんの相場を見ると、だいたい以下のような価格帯が多いです。
- 高置架台の設置工事(架台代込み)
2.5万円〜4万円程度 - 2段置き(室外機2台用)
3万円〜5万円程度 - 防雪フード取付(1箇所につき)
部材費+工賃5,000円〜1万円程度
既存の室外機を地面から架台に移設する場合、冷媒配管の延長や、ガスを一度回収するポンプダウン作業が必要になることもあるので、まずは地元の電気屋さんに見積もりを取ってみましょう。
ちなみに、これから北海道への移住を検討されている方や、新築を建てる予定の方は、最初からこの費用を住宅設備の予算に組み込んでおくことを強くおすすめします。後から追加工事をするより、最初からやっておいた方が断然安く済みますよ。
冬の暮らしにかかるコストや準備については、こちらの記事でも詳しく触れていますので、ぜひ合わせて読んでみてください。
北海道移住はやめとけは本当?後悔理由と50代やシニア世代の対策
寒冷地エアコンと標準モデルの室外機の違い
ここまで「架台」や「フード」といった外側の装備についてお話ししてきましたが、最後に最も根本的な問題に触れておかなければなりません。
それは、「そもそもあなたのエアコンは、北海道の冬を越せる設計になっているか?」という点です。
本州から引っ越してきた方が持参したエアコンや、安さを優先してネットで購入したエアコンが「標準モデル(一般地向け)」だった場合、どんなに完璧な架台を設置してもトラブルが起きる可能性があります。
決定的な差は「底板ヒーター」の有無
見た目は同じような白い箱ですが、寒冷地仕様(Cold Climate Model)と標準モデルでは、中身の構造が全く異なります。中でも最大の防御壁となるのが、室外機の底板に組み込まれた「凍結防止ヒーター」です。
寒冷地仕様エアコンの強み
「ズバ暖(三菱電機)」「スゴ暖(ダイキン)」「ノクリアZN(富士通ゼネラル)」などの寒冷地モデルには、ドレン水が流れる底板部分に専用のヒーターが標準装備されています。
これにより、マイナス20℃の環境でも、排出された水が凍ることなくスムーズに外へ流れ出ます。まさに「凍結させないための命綱」です。
一方、標準モデルにはこのヒーターがありません。さらに、排水用の穴も小さく少ないことが多いため、北海道の低温環境下では、排水されるはずの水が底板の上で瞬時に凍りつき、出口を塞いでしまいます。
これが、先ほど解説した「アイスアップ(ファン破壊)」の直接的な原因となります。
標準モデルを使ってしまった場合のリスク管理
「確認したら標準モデルだった…買い換える予算もないし、どうしよう」と青ざめている方もいるかもしれません。もし標準モデルを北海道の冬に使うなら、以下のリスクと付き合いながら、かなり慎重に運用する必要があります。
標準モデル運用の鉄則
- 厳冬期は休ませる
外気温がマイナス5℃〜10℃を下回るような日は、使用を控えてください。排水が確実に凍ります。 - ストーブを主役に
真冬はFF式ストーブやパネルヒーターをメイン暖房とし、エアコンはあくまで「春・秋・初冬」の補助暖房として割り切るのが賢明です。 - 毎日の目視点検
運転中は毎日、室外機の底板やファン周辺に氷が成長していないかを目視で確認してください。
無理をして真冬に標準エアコンをフル稼働させると、故障して高い修理代がかかるだけでなく、一番寒い日に暖房が止まるという最悪の事態になりかねません。お持ちの機種がどちらなのか、型番を検索したり説明書を見たりして、冬本番前に必ず確認しておきましょう。
まとめ:北海道の冬はエアコン室外機カバーより専用設備を
今回は、北海道の冬におけるエアコン室外機の守り方についてお話ししました。
「エアコン室外機カバー」という言葉でイメージするような簡易的な対策は、かえってトラブルを招く原因になります。
大切なのは、「雪に埋もれない高さ(架台)」と「呼吸を妨げない雪よけ(防雪フード)」です。
- NG
ビニールカバー、板囲い、防雪ネット - OK
高置架台、防雪フード、こまめな除雪(前面50cm確保)
初期費用はかかりますが、故障して真冬に暖房が使えなくなるリスクや、効率よく運転して電気代を抑えることを考えれば、プロに施工を依頼するのは決して無駄な出費ではありません。
むしろ、安心を買うための必要な投資だと言えます。
これから本格的な冬を迎える前に、ぜひ一度、お家の室外機の環境を見直してみてくださいね。
準備万端で、安全で暖かい冬を過ごしましょう!
参考