こんにちは。北海道旅行&観光スポット【ii-hokkaido.com】運営者Yoyoです。
広大な北海道をキャンピングカーで旅するのは、本当に自由でワクワクする体験ですよね。
私も愛犬と一緒に道南や道東を車で回ることがありますが、旅の途中で一番気を使うのが「電気の確保」ではないでしょうか。
スマホの充電はもちろん、夏場のエアコンや冬の電気毛布など、快適な車中泊には電気が欠かせません。
特に北海道の夜は、夏でも急に冷え込んだりしますし、冬になれば暖房なしでは命に関わります。
「電気が使えればもっと快適なのに…」「バッテリーの残量が心配で眠れない…」と感じる瞬間は、旅が長くなればなるほど増えていくものです。
そんな時、ふと「道の駅にあるコンセントで充電してもいいのかな?」と迷ったり、「どこなら堂々と外部電源をつないで車中泊できるんだろう?」と悩んだりすることもあるはずです。
実は、これを知らずに使ってしまうとトラブルになることもあり、最悪の場合は警察沙汰になってしまうことも…。
そこで今回は、キャンピングカーの外部電源に関する道の駅でのルールや、安全に電気を使うための正しい方法、そして私がおすすめする電源確保のコツについて、詳しくお話ししますね。
記事のポイント
- 道の駅の電源利用がなぜ「原則禁止」なのか、その理由とリスク
- 堂々と充電できる「RVパーク」と「道の駅」の賢い使い分け
- 安全に接続するためのケーブル選びと具体的な手順
- 外部電源がない場所でも快適に過ごすための代替案
キャンピングカーの外部電源は道の駅で使えるか

- 道の駅のコンセント無断使用と盗電問題
- バッテリー充電ができるRVパーク併設施設
- 電源サイト利用と車中泊禁止のルール
- 外部電源不要なポータブル電源のメリット
- エアコン稼働時の消費電力と容量制限
「移動の途中でちょっとだけ休憩したい。
ついでにサブバッテリーも充電できたら最高なんだけど…」そう思う気持ち、すごくよく分かります。
特に連泊が続いてバッテリー残量が少なくなってくると焦りますよね。
でも、結論から言うと、一般的な道の駅で勝手に外部電源をつなぐことはできません。
まずは、その理由と正しいルールについてしっかり整理しておきましょう。
道の駅のコンセント無断使用と盗電問題

道の駅を利用していると、トイレの洗面台の下や自動販売機の裏、あるいは屋外の柱の陰などに、ふとコンセント(電源差込口)があるのを見かけることがあるかもしれません。
バッテリーの残量が心もとない時だと、つい「誰も使っていないし、ちょっとだけなら…」「スマホを充電する数分間くらい、減るもんじゃないし」と魔が差してしまうこともあるかもしれません。
しかし、これらは全て施設の維持管理に不可欠な「業務用電源」です。
清掃スタッフの方が床を磨くポリッシャーを使ったり、高圧洗浄機を動かしたり、あるいはイベント時に臨時の照明を灯したりと、明確な用途のために設置されています。
私たち一般利用者に開放されている「ご自由にお使いください」という電源では決してありません。
法的なリスク:「たかが電気」では済まされない現実
「数円分の電気を使ったくらいで、大げさな…」と思うかもしれませんが、この認識は非常に危険です。
日本の法律では、電気も形のある物と同じ「財産」として扱われます。
【重要】許可のない電源利用は犯罪です
刑法第245条には「電気は、財物とみなす」と明記されており、これを管理者の許可なく勝手に使用する行為は、刑法第235条の「窃盗罪(電気窃盗)」に抵触する可能性があります。
つまり、スーパーで商品を万引きするのと法的には全く同じ重さの罪になり得るのです。
「公共施設だから、私たちの税金で作られているはず。
だから少し使う権利がある」といった独自の解釈は、法的には一切通用しません。
実際に、過去には駅のコンセントで携帯電話を充電していた利用者が書類送検された事例もあります。
「みんなやっているから」という軽い気持ちが、警察を呼ばれるような深刻なトラブルに発展するリスクを常に孕んでいるのです。
施設を麻痺させる「ブレーカー落ち」の恐怖
特にキャンピングカーの場合、スマホ充電とは比較にならないほどリスクが跳ね上がります。
キャンピングカーを外部電源に接続し、車内でエアコンや電子レンジ、ドライヤーなどを使えば、一気に1000W〜1500Wもの大電流が流れます。
もし、勝手に接続したそのコンセントが、トイレの照明や自動ドア、あるいはもっと重要な設備の電源と同じ回路(ブレーカー)につながっていたらどうなるでしょうか。
- トイレや通路が突然真っ暗になり、他の利用者がパニックになる
- 防犯カメラや警報装置の電源が落ち、セキュリティが停止する
- 浄化槽のポンプが止まり、汚水があふれる等の故障につながる
さらに、冬の北海道で最も恐ろしいのが「凍結」です。
もし、水道管の凍結防止ヒーター用の電源回路を飛ばしてしまったら、その夜のうちに水道管が凍って破裂し、施設全体が水浸しになるかもしれません。
そうなれば、単なるマナー違反では済まされず、数百万円単位の多額の損害賠償を請求される事態にもなりかねません。
「指定された場所以外では、絶対にコンセントに触らない」。
これが、自分自身を守り、そして大好きな北海道の道の駅を守るための鉄則です。

バッテリー充電ができるRVパーク併設施設

「じゃあ、道の駅では絶対に充電できないの? 旅の間ずっと電気を我慢しなきゃいけないの?」と不安になった方もいるかもしれません。
安心してください、実は例外となる救世主のような施設が存在します。
それが、道の駅の敷地内に設置されている「RVパーク」です。
RVパークとは、日本RV協会が認定した「快適に安心して車中泊が出来る場所」のこと。
道の駅の広い駐車場の一部が区切られ、有料の「車中泊専用エリア」として運営されています。
ここはお金を払って利用する正規の宿泊スペースですから、備え付けの電源ポスト(AC100V)を堂々と使うことができます。
「誰かに怒られるんじゃないか…」とビクビクしながら隠れて充電する必要はもうありません。
利用料金を支払うことで、私たちは「利用者」ではなく「お客様」として、エアコンも電子レンジも、そしてバッテリーの充電も、胸を張ってフル活用できるのです。
一般的な「道の駅の駐車場」と、その一角にある「RVパークエリア」では、ルールがまるで違います。
その違いを分かりやすく表にまとめてみました。
| 項目 | 一般的な道の駅(駐車場) | RVパーク併設エリア |
|---|---|---|
| 電源利用 | 不可(盗電・犯罪) | 可(利用料に含む、または1回500円程度) |
| 滞在目的 | 休憩・仮眠のみ(宿泊NG) | 宿泊・滞在OK |
| 車外での椅子・テーブル | 禁止 | 可能な施設が多い |
| ゴミ処理 | 持ち帰り原則 | 回収サービスあり(有料・無料) |
| 予約 | 不要(早い者勝ち) | 推奨または必須(確実に泊まれる) |
利用料金は施設によって異なりますが、北海道では概ね1泊2,000円〜3,000円程度が相場です。
「寝るだけの場所に3,000円は高いかな…」と感じるかもしれませんが、考えてみてください。
ホテルの宿泊費に比べれば格安ですし、何より「電源が確保されている安心感」「ゴミを捨てさせてもらえる利便性」、そして「24時間使える道の駅の清潔なトイレがすぐそばにある」というメリットは、価格以上の価値があります。
最近の北海道の道の駅は進化していて、このRVパークを併設するケースがどんどん増えています。
中には温泉施設が直結していて、湯上がりにそのまま電源につないだ暖かい車内でビールを楽しむ…なんていう最高の時間を過ごせる場所も珍しくありません。
北海道内のどこの道の駅にRVパークがあるのか、電源が使えるのかについては、以下の記事でエリアごとに詳しくまとめています。
「今夜の寝床はどうしよう?」と迷う前に、ぜひチェックして予約を入れておくことをおすすめします。
電源サイト利用と車中泊禁止のルール

キャンピングカーで旅をしていると、「道の駅」の存在は本当にありがたいですよね。
広くて停めやすい駐車場、清潔なトイレ、地元の美味しい食材…。
ついつい、「今日はここで一晩ゆっくり過ごそう」と思ってしまいがちです。
しかし、ここで改めて認識しておかなければならない大原則があります。
それは、道の駅は道路利用者のための「休憩施設」であって、ホテルやキャンプ場のような「宿泊施設」ではないということです。
この点について、国土交通省も公式Q&Aではっきりと見解を示しています。
どこからがアウト?「休憩」と「宿泊・キャンプ」の境界線

「仮眠」と「宿泊」の違いは曖昧になりがちですが、キャンピングカーユーザーとして特に気をつけたいのは、「車両の機能を車外に拡張する行為」です。
例えば、以下のような行動は完全に「休憩」の域を超えており、マナー違反(場合によってはルール違反)となります。
道の駅の駐車場でやってはいけないNG行為
- 発電機の使用
騒音や排気ガスで周囲に多大な迷惑をかけます。多くの道の駅で禁止されています。 - サイドオーニングや椅子・テーブルの展開
駐車枠をはみ出す行為や、外でくつろぐ行為はキャンプとみなされます。 - 車外での調理・火気使用
コンロでお湯を沸かす、BBQをするなどは論外です。 - 長期滞在
同じ場所に何日も駐車し続ける行為。 - 排水・ゴミの投棄
生活排水を側溝に流したり、家庭ゴミを捨てたりしてはいけません。
特に、外部電源を使いたいがために発電機を回す行為は、静かな夜の道の駅では騒音トラブルの最大の原因になります。
「車中泊禁止」の看板を増やさないために

残念なことに、こうした一部のユーザーによるマナー違反が原因で、北海道内でも「車中泊禁止」「夜間閉鎖」を明示せざるを得なくなった道の駅が増えてきています。
私たち一人ひとりの行動が、将来の自分たちの旅の場所を減らすことにつながってしまうのです。
だからこそ、私は声を大にして言いたいのです。
「電源を使いたい時や、ゆっくり腰を据えて休みたい時は、迷わずRVパークやキャンプ場を予約しましょう」と。
お金を払って電源サイトを利用すれば、誰にも気兼ねすることなく発電機要らずで電気が使えますし、サイドオーニングを広げて優雅にコーヒーを飲むことも許されます。
これこそが、大人の余裕を持ったスマートでカッコいい「くるま旅」のスタイルではないでしょうか。
北海道内で、どの道の駅が車中泊に対して厳しい措置をとっているのか、逆にどこなら歓迎してくれるのかについては、以下の記事で最新情報をまとめています。
旅の計画を立てる前に、ぜひ一度目を通しておいてくださいね。
北海道の道の駅車中泊禁止リストと温泉併設の最新安全スポットガイド

外部電源不要なポータブル電源のメリット

とはいえ、広大な北海道を旅していると、どうしても都合よく電源付きのRVパークにたどり着けない日もあります。
道東や道北のエリアでは、次のRVパークまで100km以上離れているなんてことも珍しくありません。
「今日は景色の良いこの道の駅で仮眠したいけど、電源がないから寒いかな…」
そんな悩みを一発で解決してくれる最強のパートナーが「ポータブル電源(ポータブルバッテリー)」です。
いわゆる「持ち運べる巨大な蓄電池」ですが、ここ数年で性能が劇的に進化しており、もはやキャンピングカー旅の必需品と言っても過言ではありません。
なぜポータブル電源が「旅の質」を変えるのか
キャンピングカーにはサブバッテリーが搭載されていますが、エンジンを止めた状態で使いすぎるとバッテリー上がりのリスクがあります。
ポータブル電源を積んでおけば、サブバッテリーを温存しつつ、以下のようなメリットを享受できます。
ポータブル電源導入の3大メリット
- 場所の制約から解放される
電源サイトの予約が取れなくても、普通の駐車場さえあればどこでも電気が使えます。電気毛布でぬくぬくと眠り、翌朝はお気に入りの景色の前で電気ケトルでお湯を沸かし、挽きたてのコーヒーを楽しむ…なんて贅沢も可能です。 - 完全なアイドリングストップが実現
「バッテリーが心配だからエンジンをかけっぱなしにする」という行為は、騒音や排気ガスで周囲に迷惑をかけるだけでなく、環境にもお財布(燃料代)にも優しくありません。ポータブル電源があれば、静寂の中で快適に過ごせます。 - 防災の「命綱」になる
旅が終われば自宅に持ち帰り、防災用電源として活用できます。特に北海道では過去に全域停電(ブラックアウト)の経験があるため、冬場の停電時にポータブルストーブやスマホを動かせる電源の確保は、文字通り命を守る備えになります。
ドライヤーも動く!選び方のポイント

「どれを買えばいいの?」と迷ったら、チェックすべき数字は2つだけ。
「定格出力(W)」と「容量(Wh)」です。
最近のモデルは、定格出力1000W〜2000Wクラスの高出力タイプが主流です。
これだけのパワーがあれば、消費電力の大きいドライヤーや電子レンジ、IH調理器もしっかり動かせます。
| 使いたい家電 | 必要な定格出力の目安 | おすすめの容量(Wh) |
|---|---|---|
| スマホ・PC・扇風機 | 500Wクラス | 500Wh〜(日帰り・1泊向け) |
| 電気毛布・電気ケトル | 1000Wクラス | 700Wh〜1000Wh(1〜2泊向け) |
| ドライヤー・電子レンジ・エアコン | 1500W〜2000Wクラス | 1500Wh〜2000Wh(連泊・ガッツリ使用) |
さらに、キャンピングカーの屋根にソーラーパネルを載せている場合、昼間は太陽光でこのポータブル電源を充電し、夜はその貯めた電気を使うという「自給自足サイクル」を作ることができます。
これなら、外部電源に頼らなくても、数日間は電気に不自由しないオフグリッドな旅を楽しむことができますよ。
初期投資はかかりますが、宿代が浮くことや防災用としての価値を考えれば、決して高い買い物ではないと私は思います。

エアコン稼働時の消費電力と容量制限

「よし、RVパークに到着!外部電源につないだぞ!」
これで家のコンセントと同じように、エアコンも電子レンジもドライヤーも使い放題…と思いきや、実はここには見落としがちな「アンペアの壁」が存在します。
一般的なRVパークやキャンプ場の電源サイトで供給される電力には上限があり、多くの施設では「15A(1500W)」、または高規格な場所でも「20A(2000W)」に制限されています。
自宅の契約(30A〜50Aなど)と比べると、使える電気の量は意外と少ないのです。
要注意!「500Wのレンジ」は500Wじゃない?
ブレーカー落ちの最大の原因は、家電製品の「消費電力」に対する誤解です。
特に注意が必要なのが、以下の「大食い家電」たちです。
| 家電製品 | 消費電力の目安(定格) | ここが落とし穴! |
|---|---|---|
| 電子レンジ | 1000W〜1300W | 「500W温め」というのは食品を温めるパワーのこと。機械を動かすにはその倍以上の電力を使います。 |
| 家庭用エアコン | 400W〜1500W | スイッチを入れた瞬間(起動時)や、設定温度まで一気に冷やす時に最大パワーを使います。 |
| ドライヤー | 1000W〜1200W | 小さなボディですが消費電力は最強クラス。「TURBO」モードは一発アウトの可能性大。 |
| 電気ケトル | 1200W〜1300W | お湯が沸くまでの数分間、常に全力で電気を消費し続けます。 |
| 電気ファンヒーター | 600W〜1200W | 「強」運転にするとドライヤー並みに消費します。 |
【知っておきたい】「起動電力」の罠
モーターを使う家電(エアコン、冷蔵庫など)は、動き出しの瞬間に通常時の数倍の電気(突入電流)を必要とします。
「エアコン(安定時400W)+電子レンジ(1000W)=1400Wだからギリギリセーフ!」と思ってレンジのスイッチを押した瞬間、エアコンが再稼働して1500Wの壁を突破し、バチン!と落ちる…というのは、キャンピングカーあるあるです。
ブレーカーを落とさない「引き算」のテクニック
限られた1500Wの中で快適に過ごすためには、今使っている電気の量を常に頭の中で計算する「電力マネジメント」が必須です。
コツは単純で、「熱を発する家電は、同時に2つ使わない」こと。
- 夏の場合
エアコンがついている時に電子レンジを使いたくなったら、面倒でも一度エアコンを切る(または送風モードにする)。 - 冬の場合
セラミックヒーターを使っている時は、ドライヤーを使わない。電気ケトルでお湯を沸かす時は、電気毛布のスイッチを一時的に切る。
特に冬の北海道は、電気ポット、電気毛布、FFヒーター(微量ですが電気を使います)、充電中のスマホ…と、細かい消費電力が積み重なって意外と上限ギリギリになりがちです。
「どれか一つ大きな家電を使う時は、他をオフにする」。
この「引き算」の習慣さえ身につければ、夜中に突然真っ暗になって慌てることもなくなりますよ。

道の駅でキャンピングカーの外部電源を使う手順

- 延長コードの長さは10m防雨型を推奨
- 安全な外部電源ケーブルのつなぎ方
- 1500Wの壁とブレーカー落ち対策
- 北海道などの電源付き車中泊スポット
- まとめ:キャンピングカー外部電源と道の駅の賢い利用
ここからは、RVパーク併設の道の駅やオートキャンプ場で、実際に外部電源をつなぐ際の手順と、私が普段気をつけているポイントをご紹介します。
単にコードを挿すだけなんですが、雨の日などは感電のリスクもあるので慎重に行いましょう。
延長コードの長さは10m防雨型を推奨

「たかが延長コードでしょ? 家にあるやつを持って行けばいいや」
もしそう思っているなら、ちょっと待ってください! キャンピングカーの外部電源接続において、ケーブル選びは「命綱」を選ぶのと同じくらい重要です。
私の経験上、北海道の旅で最も使い勝手が良く、トラブルが少ないのは「長さ10メートルの防雨型(屋外用)」一択です。
なぜ「10メートル」が黄金比なのか
RVパークやキャンプ場の電源ポスト(コンセント)は、必ずしも駐車スペースの真横にあるとは限りません。
区画の隅っこに設置されていることが多く、車の停め方や給電口の位置によっては、5メートルのケーブルだと「あと50cm届かない!」という絶望的な状況によく陥ります。
かといって、「大は小を兼ねる」で20メートル以上の長いケーブルを選ぶのも考えものです。
- 収納が大変
太くて硬い屋外用ケーブルは、長いと重く、雨で濡れた後の撤収作業が地獄です。 - 電圧降下(ドロップ)のリスク
電線が長くなればなるほど電気抵抗が増え、末端に届く電圧が弱くなります。これが原因で、「電源につないでいるのにエアコンが冷えない」「電子レンジが動かない」といったトラブルが起きてしまうのです。
この「届かないリスク」と「電圧降下リスク」のバランスが最も良いのが、10メートルという長さなんです。
心配な方は、予備で5メートルのコードを積んでおき、どうしても届かない時だけ連結するのが賢い運用ですよ。
絶対に外せない「3つのスペック」
ホームセンターに行くと様々なコードが売られていますが、必ず以下の条件を満たした「プロ仕様」を選んでください。
| チェック項目 | 推奨スペック | 理由 |
|---|---|---|
| ① 防雨型(防水) | プラグの根元がゴムで覆われているもの | 屋内用の白いコードは被覆が薄く、雨や夜露で漏電・ショートし、最悪の場合は車両火災につながります。絶対に屋外用を選んでください。 |
| ② 線の太さ | 2.0sq(スケア)以上 | 安価な1.25sqなどの細い線は、1500Wの大電流を流すと発熱しやすく危険です。また、太い線の方が電圧降下もしにくく、家電が安定して動きます。 |
| ③ 色と視認性 | 黄色などの派手な色 | 夜のキャンプ場は真っ暗です。黒や緑のコードは地面と同化してしまい、トイレに行く時に足を引っ掛けて転倒したり、プラグが抜けたりする事故の元になります。 |
また、高規格なRVパークやキャンプ場では、コンセントのアース穴がついている「3ピン」タイプの場合があります。
アースピンを折りたためる「ポッキンプラグ」仕様のものを選んでおくと、どんなコンセント形状でも変換アダプタなしで対応できるので最強ですよ。

安全な外部電源ケーブルのつなぎ方

「コンセントにプラグを挿すだけでしょ?」と侮ってはいけません。
キャンピングカーの外部電源は100Vの大きな電気が流れるため、手順を間違えると「アーク放電(バチッ!という火花)」が発生してプラグが焦げたり、最悪の場合は感電したりするリスクがあります。
ベテランのキャンピングカー乗りが実践している、最も安全で確実な接続手順をマスターしましょう。
基本の接続ステップ:合言葉は「先車・後壁」
電気の流れを「水」に例えると分かりやすいです。
ホースをつなぐ時、蛇口(電源)をひねる前に、まずホースをバケツ(車)につなぎますよね?
電気も同じで、「通電しているプラグを持ち歩かない」のが安全の鉄則です。
【推奨】トラブルを防ぐ正しい接続手順
- 車内の準備
エンジンの停止はもちろん、車内のメインスイッチやインバーターを必ず「OFF」にします。家電がONのままつなぐと、急に大電流が流れて接点で火花が飛び、プラグを痛める原因になります。 - ケーブルの確認
コードにねじれや被覆の破れがないか、プラグの端子が濡れていないかを目視でチェックします。 - 車体側に接続(先)
まず、キャンピングカーの「外部電源入力ポート(インレット)」にケーブルのコネクタをしっかりと差し込みます。 - 施設側に接続(後)
最後に、RVパークなどの電源ポスト(コンセント)にプラグを差し込みます。
※基本的にこの手順が最も感電リスクが低いですが、車種やケーブルの仕様(ロック機構の有無など)によっては逆の手順を指定している場合もあります。必ず愛車のマニュアルを最優先にしてください。
雨の日や撤収時の注意点
接続以上に気を遣うのが、雨天時の取り扱いです。
電気と水は相性最悪の組み合わせですので、以下のポイントを徹底してください。
ここだけは気をつけて!安全のポイント
- 抜くときは「逆の手順」で
撤収時は、まず施設側のプラグ(電源元)を抜いて電気を止めてから、車体側のコネクタを抜きます。これで安全に片付けられます。。もしドラム式のコードリールを使う場合は、巻いたままだと熱を持って発火する恐れがあるので、必ず全部引き出してから使ってくださいね。 - 接続部を水から守る
車体側の接続ポートにはカバーがありますが、激しい雨の時はコネクタ部分が濡れないよう、傘をさしたり体で覆ったりしてガードしながら作業しましょう。 - コードを地面に這わせるルート
水たまりの中をケーブルが通らないように配線します。どうしても避けられない場合は、スノコや石の上に置いて浮かせたり、接続部分(延長コード同士のつなぎ目など)をビニール袋とテープで養生したりする工夫が必要です。 - ドラム式リールは「全部引き出す」
コードを巻いたまま使うと、電線が熱を持って被覆が溶け、発火する恐れがあります(誘導加熱)。面倒でも必ず全て引き出してから通電してください。
1500Wの壁とブレーカー落ち対策

どんなに気をつけていても、うっかりやってしまうのが「ブレーカー落ち」です。
「ドライヤーを使っている最中に、家族が電子レンジのスイッチを押しちゃった!」なんていうのは、キャンピングカー旅では日常茶飯事です。
突然車内の電気が消えて真っ暗になると焦ってしまいますが、そんな時こそ落ち着いて行動しましょう。
正しい復旧手順を知っていれば、1分もかからずに元の快適な状態に戻せます。
ブレーカーが落ちた時の復旧3ステップ
「電気が消えた!」と思ったら、以下の順番で対処してください。
いきなりブレーカーを上げようとするのはNGですよ。
- 原因となった家電をOFFにする(最重要)
まず、ブレーカーが落ちる原因となったドライヤー、電子レンジ、エアコンなどのスイッチを必ず切ってください。これをせずにブレーカーを上げると、過負荷(使いすぎ)の状態が変わっていないため、一瞬でまた「バチン!」と落ちてしまいます。これを繰り返すと設備が故障する原因になります。 - ブレーカーの位置を確認する
外部電源をつないでいる場合、落ちているブレーカーは主に2箇所考えられます。
・施設側: 電源ポストの中にある小さなブレーカー
・車体側: キャンピングカー内の配電盤にあるメインブレーカー
まずは外に出て、電源ポストの小窓やカバーを開けて確認してみましょう。 - スイッチを操作する(コツあり)
落ちたブレーカーのつまみは、完全に下(OFF)ではなく、中途半端な位置(トリップ状態)で止まっていることが多いです。
復旧させるには、一度つまみを完全に下(OFF側)に押し下げてから、上(ON側)にグイッと上げるのがコツです。中途半端な位置から直接上げようとしても、カチッと固定されずに戻ってきてしまいます。
絶対に自分で触ってはいけないケース
基本的には自分で復旧できますが、以下の状況であれば、すぐに手を止めて管理棟へ連絡してください。
管理人さんへの連絡が必要なケース
- 電源ボックスに鍵がかかっている場合
無理にこじ開けようとせず、正直に「ブレーカーを落としてしまいました」と伝えましょう。怒られることはあっても、壊すよりずっとマシです。 - エリア一帯が停電している場合
自分のサイトだけでなく、隣のサイトや街灯まで消えてしまった場合は、区画ごとの子ブレーカーではなく、エリア全体を管理する「親ブレーカー」が落ちている可能性があります。
これは他の利用者さんにも迷惑がかかっている緊急事態ですので、速やかに管理人さんに報告し、謝罪と復旧をお願いしてください。
ブレーカーを落とすこと自体は失敗ではありませんが、「何度も繰り返さない」ことが大切です。
一度落ちたら、「この組み合わせはダメなんだな」と学習し、家族みんなで声を掛け合って電気を使うようにしましょう。
同じ失敗を繰り返さないよう、どの家電を同時に使ったらアウトなのか、自分の車の限界を知っておくのも大切ですね。

北海道などの電源付き車中泊スポット

最後に、私が実際に北海道を旅していて「ここは電源も使えて、ロケーションも設備も最高だった!」と感動したスポットを厳選してご紹介します。
北海道は広大すぎて、移動だけで数時間かかることもザラです。
だからこそ、こうした「確実に電源が使えて休める拠点」を旅のルート上の要所要所に組み込んでおくことが、疲れを溜めずに旅を続ける最大のコツなんです。
【道北エリア】道の駅びえい「白金ビルケ」(美瑛町)
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あの大人気観光スポット「青い池」から車でわずか2分。
白樺林に囲まれた、まるで北欧のリゾートのような道の駅です。
- ここがスゴイ
5台分のキャンピングカーサイトがあり、各区画に電源を完備。さらに24時間利用可能なシャワーやコインランドリーまであるので、長期旅の「洗濯・入浴・充電」を一気に解決できます。 - Yoyo's Point
施設内には「THE NORTH FACE」のショップや、絶品のハンバーガーショップが入っています。森の中でハンバーガーを頬張りながら、愛犬と散歩するのは最高の贅沢ですよ。
【道東エリア】RVパーク 道の駅 阿寒丹頂の里(釧路市)
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釧路湿原や阿寒湖観光のベースキャンプとして完璧な立地にある道の駅です。
ここはなんといっても「温泉」が魅力です。
- ここがスゴイ
敷地内に天然温泉宿泊施設「赤いベレー」があり、RVパークから歩いてすぐ温泉に浸かれます。冬には天然記念物のタンチョウが飛来することでも有名で、電源につないだ暖かい車内からバードウォッチングなんて楽しみ方もできます。 - Yoyo's Point
レストランで食べられる「阿寒ポーク」の料理が絶品! 電源で冷蔵庫をキンキンに冷やしておいて、売店で買った地ビールを湯上がりに飲むのが私の定番スタイルです。
【番外編:東北】道の駅「三滝堂」(宮城県)
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「えっ、北海道じゃないの?」と思われるかもしれませんが、本州から自走で北海道を目指すキャンピングカー乗りにとっては、フェリーに乗るまでの東北移動も旅の一部です。
- ここがスゴイ
三陸自動車道の三滝堂IC直結というアクセスの良さ。RVステーション(電源付き)があり、移動の疲れを癒やす中継地点として非常に優秀です。 - Yoyo's Point
ここにはドッグランが併設されています! 長時間のドライブで退屈していたワンちゃんを思いっきり走らせてあげられるので、愛犬連れの旅人には涙が出るほどありがたいスポットなんです。
今回はRVパークを中心にご紹介しましたが、北海道には「車の横にテントを張って電源も使える」という高規格なオートキャンプ場もたくさんあります。
「今日は街に近いRVパークで充電と買い出し」「明日は大自然の中のキャンプ場で焚き火」というように、目的に合わせて使い分けると、北海道旅の自由度がぐっと上がりますよ。
ぜひ、あなただけの最高のルートを見つけてくださいね!
絶景も満喫!北海道の車乗り入れ無料キャンプ場おすすめ人気スポット

まとめ:キャンピングカー外部電源と道の駅の賢い利用

キャンピングカーの外部電源は、旅の質をぐっと上げてくれる便利な機能です。
特に北海道のような寒暖差のある地域を旅する時は、エアコンやヒーターが使える安心感は絶大です。
でも、道の駅にあるコンセントを無断で使うのは明確なルール違反。
電気を使いたい時は、きちんと対価を払ってRVパークやキャンプ場の電源サイトを利用するのが、私たちユーザーにとっても、施設にとっても一番ハッピーな選択です。
「電気はお金を払って買うもの」という意識を持って、事前の予約やポータブル電源の準備をしておけば、現地で焦ることもありません。
ルールを守って、北海道の素晴らしい景色の中、快適で安全な「くるま旅」を楽しんでくださいね!
参考








